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漫画関連ファイル


2005年06月11日(土)
寿たらこ『SexPistols』三冊

寿さんのマンガを読むのは初めて。評判がいいので本は買って持っていたんだけれど、CDを二枚買ったのを機に読みました。面白かった?!どういうお話かというと、人間の進化の途中で人類とは別の斑(まだら)類が生まれて、進化の過程の動物の特徴を残しています。人類には斑類の見分けがつかないけれど、斑類にはそれぞれの特徴(魂現)が見える。主人公のノリ夫は、交通事故に合って以来、人間が動物に見えるようになってしまった。そして異常にモテるようになってしまった。というのは、人類が何かのきっかけで斑類に先祖返りすると、それはものすごく貴重な種で、繁殖の難しい斑類の子孫を残すのに最適だからなのでした。そうしてノリ夫は斑目(まだらめ)兄弟と知り合っていろいろな騒ぎにまきこまれるのでした。
・・・というような説明は実はどうでもよくて、寿さんの描くガタイの良いカッコいい男の子達が、自分達の動物的本能でもって、これと決めた相手に迫り倒すのが色っぽいお話。豹(じつはジャガー)のように、蛇のように、熊のように、相手に迫るの。マンネリになりがちなラブロマンスにこういう切り口もあったのか、とびっくりしました。そして、迫るだけじゃなくて、すれ違ったり誤解したりして、切なくなったりいろいろ悩んだりしたあげくにちゃんとハッピーエンドに着地する。特に委員長の話がもう最高。米国(よねくに)の低体温なキャラと委員長のけなげさがいいんだわ。しかも、みにくいアヒルの子が白鳥になるように、委員長には美しい結末が用意されているのでした。熊樫の話も、青桐の蛇的執念深さも好き。主役のノリ夫君に、一番萌えないのが問題だけれど、今後に期待?