とても、おもしろかったです。最近のコミックスはビニ本なので表紙しかみることができない。 この本の表紙に描かれている主人公の絵は、アニメのキャラのような ある種の典型的なメイドさんなので、最初はその絵に気をとられていましたが、 読み進むにつれて、そうではなくて、きちんとお話を書ける人だということがわかりました。
これは作者がねらっているだろうなあと思うのですが、 キメの瞬間の空間の切りとり方というのが、けっこう好き。 クリスタルパレスの月夜だったり、がらんとした駅の構内だったり。 これまで描かれた19世紀イギリスに材をとった漫画作品に影響されることなく 作者の中で再構成された作品の世界が楽しい。 そして、登場人物がそれぞれ筋を通すところが気持ちがいい。 これからどんなふうに変わっていくのか、変えていくのかとても気になる作品です。
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