TOP 最新の記事 戻る≪ I NDEX ≫進む


漫画関連ファイル


2003年05月29日(木)
『エマ』 by 森 薫

とても、おもしろかったです。最近のコミックスはビニ本なので表紙しかみることができない。
この本の表紙に描かれている主人公の絵は、アニメのキャラのような
ある種の典型的なメイドさんなので、最初はその絵に気をとられていましたが、
読み進むにつれて、そうではなくて、きちんとお話を書ける人だということがわかりました。

これは作者がねらっているだろうなあと思うのですが、
キメの瞬間の空間の切りとり方というのが、けっこう好き。
クリスタルパレスの月夜だったり、がらんとした駅の構内だったり。
これまで描かれた19世紀イギリスに材をとった漫画作品に影響されることなく
作者の中で再構成された作品の世界が楽しい。
そして、登場人物がそれぞれ筋を通すところが気持ちがいい。
これからどんなふうに変わっていくのか、変えていくのかとても気になる作品です。



2003年05月03日(土)
ジャンプ原画展

ジャンプの35周年記念原画展はなぜか金沢から始まりました。
家族揃って見に行く私たち。なぜなら今週号で終わってしまった『ヒカルの碁』を
毎週みんなで読んでいたからです。
100点近くある原画のうち『ヒカルの碁』はカラーが4点
漫画原稿が6点くらい。
グッズはポスターが二点。Tシャツはコヨンハとヒカルの棋譜のデザイン。
湯のみセットが1000円。オリジナルはがきが100円。
ファイルやペンケースや携帯ストラップなどなど。
原画は美しかったです。カラーもだけれど、漫画原稿の線のシャープさは
ジャンプの紙質の悪い印刷からは想像もつきません。
ヒカルがアキラの名人戦の棋譜を見ている場面でした。
アキラがかっこいい・・・
『ヒカルの碁』の原画を穴があくほどじっと見つめる人たちがたくさんいました。
高校生くらいの男の子達とか、大学生くらいのカップル。小学生の親子連れ。
一番多かったのは中高生の女の子たち。
・・・あなたたち、同人誌作ってるでしょ。話し方でわかる。
なんでわかるのかわからないけれど、私にはわかる。(笑)
うちの子供達は、それにくらべると、オタク属性はない。
なんでだろう。こんなにオタクに理解のある母なのに。反面教師か?
漫画の原稿ってきれいだねーとふたりとも感心していました。
他の作品は読んでいないので、ざっと見ただけですが
『テニスの王子様』のカラー原稿がうまいと思いました。
絵の巧拙とか、好き嫌いとか抜きに、漫画の絵としてずいぶん魅力的だわ。
写真撮影コーナーがあるんだけれど、母がお願いしているのに
子供達は恥ずかしいからそんなところに立ちたくないって。
写真を撮りたかったのに。残念。





2003年05月02日(金)
『愛すべき娘たち』byよしながふみ

月刊メロディに読みきり連載の形で載っているこのシリーズも
第三話が終わったところで、なんとなく方向が見えてきました。
よしながさんには珍しく女の子が主人公。
第一話の母娘の周辺で起こるいろいろな物語。
第一話は、母が再婚する際に娘が感じるさみしさ。
第二話は、ひどい男に尽くす事が何よりも好きな女の子。
第三話は、人を差別することのできない女の子の話でした。
どれもこれも、少女漫画のセオリーにことごとく逆らっているかのような話のつくり。
これはわざとやっているとしか思えない。
ボーイズ雑誌を離れて、普通の漫画誌に連載するにあたり
よしながさんはやっぱり自分の切り口から入っていこうとしているような気がします。
果たしてそれが実を結ぶかどうかは、まだわかりません。
少女漫画の読者はステレオタイプな物語を好むと思います。
少女漫画の範囲内で、様々なバリエーションを楽しむけれど
ある地点を越えると、少女漫画ではなくなってしまう。
その固定観念は私自身の中にもあるということに最近気がつきました。
よしながさんも、ボーイズを描きながら、少女漫画的なものを描いてきたと思います。
女の子が主人公になったら、それはやめるのかな?
まるで別の生き物を見るように描かれた主人公達は
なんだか生身の女の子に見えないんですけれど、これこそが生身の女の子なのかな?
しかし、それはお話としてはいかがなものでしょう。