ネットで知り合った、マンガマニアの元祖のような方に(笑) 飛鳥幸子さんの本をまとめて貸していただきました。 とても立派な商業誌の体裁ですが、これが同人誌なのだそうです。 ナール出版社という、同人誌専門の出版社から 20年ほど前に何冊か出版されたうちの一部です。
飛鳥さんは昭和24年生まれ。 1966年にデビューし、少女フレンド、セブンティーン、ファニー、少女コミックなどで 活躍されました。 代表作は『怪盗こうもり男爵』『白いリーヌ』『フレデリカの朝』などです。
SFが好きで、ミステリが好きで、歴史が好きで、 高校生の頃のデビューにかかわらず、初期作品でも じゅうぶん、読み応えのあるものだと思いました。 残念ながら、リアルタイムの読者になるには、私は当時小さすぎたようですが 『フレデリカの朝』だけは、記憶にあるような気がします。 きっと、年上の姉の本で読んでいたのかもしれません。
リアルタイムで読んでいないので、飛鳥さんが当時どういう位置にいたのか、 彼女が誰から影響を受けて、誰に影響を与えたのかということはわかりません。 飛鳥さんに限らず、あとからやってくる読者には、そういうところはなかなか見えにくいものです。 このような形で、三冊の本と、会報にまとめてくれたファンがいるということは、 作者にとって、とても幸せなことだと思いました。
一緒に久掛彦見さんの『夜来香』もお借りしました。 こちらは、リアルタイムで見ることができた作家さんです。 当時の空気がいっぱいで懐かしかったです。彼女の作品に現われる 様々なモチーフを他の作家さんにも見ることができます。 これもまた、相互の影響なのかどうか、今となっては全然分からないのでした。 活動し続けるという事が一番必要なのかというと、花郁さんのように 何年経っても語り続けられるということもあるし。 作品の価値や評価が何によって決まって、何によって残っていくのか 古典となっていくのか、見届けることができるでしょうか。
ところで、飛鳥さんの故郷は富山県高岡市だそうです。 何年経ってもあまり風景が変わらない古い小さな町ですが、 藤子さんや今さんや、ゆかりの漫画家が多いことに驚かされます。
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