私季彩々
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東京は暑かった。
予定の会議はあっさり終わり、暇になった。今日は泊まりなのだが、暇になった。確信犯で、2000円のJR区内乗り放題の切符を買っておいた.
浜松町に着いたのが4時。といっても、特に何の予定も立てていなかった。で、何となく秋葉原まで出た。いつ振りだろう。10年ぶりくらいかな。私は特におたく趣味はないのだが、畑から見ればそっつ系の人間である。少々の反発感と馴染の雰囲気を とはいいつつ、街は案外狭く、ふらっとな異邦人に深みの淀みを見せてはくれない。駅出てすぐの電気部品店や怪しげな照明器具屋に歴史を感じつつ、流行の「萌え」やメイドさんはほんの少しみただけ.中国っぽい方々がたくさんいるなぁと思いつつ、私自身はあまりこの街に関心がないのだなぁと再認識。もう一つの目的であるネット喫茶を探したが、意外と見つからず、あってもエロDVD視聴室と区別がつかないものばかり。小一時間歩いてやっと見つけて入った。目的は、ただネットで今宵の宿を探したいだけである。漫画喫茶を含めてこういう店は初体験であった。 1時間の時間内で見つけた宿は御茶ノ水。立派そうだったが、言ってみれば埋もれるような静かな街外れの一室だった。
神田の古書街はすでに閉店間際。昔彼女の家で見たフロムの古書を眺めればあっという間に蛍の光。夜の街を予定もなく歩く術を知らず、再び無意味に列車に乗って、コンビニでお酒を買い、部屋へ戻った。テレビは全国ニュースを流したあと、地方ニュースへと変わっていたようだが、キャスターは変わらなかった。ここは東京。 奮発したエビスビールが残り少ない頃、若者から電話が鳴った。彼は頑張っている。遅かれ早かれ人は頑張るもの。そんな彼に、明日会いに行こう。 ビールはあっさり底をついた。安い日本酒も買っておいたが、まぁここまでにしておこう。
1年ぶりの東京もあっさり過ぎて、変わらず暑い。窓越しに若者達がたむろっている。楽器屋の前だ。特に怖くもなく、陽気でけっこうじゃないか。 そうして私もまた歳を召してしまったとさ。
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