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  2001年06月16日(土)   ☆原作映画 ・ 選り好みキャスティング  

movie1 * 『ハンニバル』 by maaz

原作:トマス・ハリス「ハンニバル」

クラリス・スターリング / ジョディ・フォスター
ハンニバル・レクター / ゲイリー・オールドマン
アーディリア・マップ(クラリスの親友) / ジュリアン・ムーア
ミーシャ(レクターの妹) / グレテ・ハヴネショルド(※ロッタちゃん)
メイスン・ヴァージャー / ゲイリー・オールドマン(一人二役)

以下略


「私たちがレクターに惹かれるのは、
現代のノスフェラトゥのようだからだ。」と
アンソニー・ホプキンスは語っている。(公式サイトによる)
これは、私も強く同意見である。(猫やの「ハンニバル」書評参照)
が、今回主役をお願いしたいのは、ホプキンスではない。
トマス・ハリスがあえて逃亡中のレクターを整形させていること、
カワウソのようにぴったりと頭を被う髪の毛─つまり若返り─
である以上、レクターは別の人物でなければならない。

本当のところ、ジョディ・フォスターが降板した理由はわからない。
グッチのドレスならジュリアン・ムーア向きかもしれないが、
ジョディはラルフ・ローレン派とのことなので、一映画ファンとしては、
グッチの宣伝映画には出たくなかったのだということにしておこう(笑)。

ゲイリー・オールドマンは「吸血鬼レクター」を小躍りして怪演してくれるはず。
クールなジュリアン・ムーアには、原作に欠かせない脇役、
クラリスの親友として残ってもらいたい。
ゲイリーにこの一人二役をさせるのは酷だろうか?
最後にロッタちゃん、ゴメン!!(マーズ)


原題:HANNIBAL
監督:リドリー・スコット
出演:アンソニー・ホプキンス / ジュリアン・ムーア / レイ・リオッタ

  2001年06月13日(水)   「小説家を見つけたら」  

「グッドウィル・ハンティング」では数学の天才少年(白人)が、
本作では文芸の天才少年(黒人)が主人公。
みごとな対である。
どちらも、ある相手に出会って、天賦の才能を外に向ける。
ある相手──この場合は、ブロンクスで隠遁生活を送る
カリスマ老作家、ショーン・コネリー演じるウィリアム。

人生、上から下は見えても、下から上は見えない。
頂上にいる者は、ふもとでアルプスの道を目指す日々を知っている。
いつか、どんなに短い期間であれ、ふもとの道をたどった
ことがあるからこそ、頂上にいるのだ。

いやきっと、ほんの少し標高が上がってさえ、
見上げる目には霧がかかってしまうのかもしれない。
だから、前を歩く才能を理解できずに否定する。
だとすれば、お互いに理解できる存在というのは、
ほんとうに同じ標高に立つ者だけということになる。

しかも、頂上をめざす欲求は生まれつきである。
ただそう生まれついているのだ。
頂上を望まず、野で平和に、ある意味では聖なる生活を
送る欲求と同じに、それは誰にも止められない。

老人にとっての若者。
時間の頂上に老人はおり、若者は登り口にいる。
立っている標高(視線)が仮に等しくても、若者には経験がない。
かつて来た道は、そこに見えている。
見えているからといって、足元の大石小石を
踏み越えるには、若者の足で歩くしかない。
足をすべらせたときに、手を差し出すべきかどうか。
かつて選んだ分かれ道の、もう一方が見えないように
老人にとって、死の意味だけはわからない。

そして、出会いはフィフティ・フィフティである。
もしどちらかが道を登りすぎたら、
すぐに分かれ道がやってくる──心の旅でも、時間の旅でも。(マーズ)


原題:Finding Forrester
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・コネリー / ロブ・ブラウン / F・マーリー・エイブラハム