川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
もくじを見てみるひとつ前現在に近づいてプチ画像日記


2005年01月21日(金) パンの耳。

 ちょうど仕事が11:00はじまりの今日、
 3月の歌舞伎座・勘三郎襲名興行のチケットの発売日だった。
 
 歌舞伎座には「歌舞伎会」というサービスがあり、
 この会に入っていると、一般発売に先駈けて、
 先行発売があるのだ。

 しかも、この先行にもいくつかの段階があり、
 昨年一年間、松竹の公演を15回以上観た人はゴールド会員!
 6公演以上の人は特別会員。
 それ以下の人は、平会員となっておる。

 15公演といったって、たとえひとつきに昼の部・夜の部と、何度も馳せ参じようが、
 それは1カウントにしかならない。
 海老月に何度も足繁く通ってしまうようなミーハー(私)には、
 不利この上ない数え方だ。
 歌舞伎座に一年12ヶ月、皆勤賞で通ったうえに、
 さらに新橋演舞場の「夫婦善哉」や「あかね空」や「丹下佐膳」まで観て
 それでようやくゴールド会員になれるという狭き門。
 思わずゴールド目指したくなってしまう、このシステム。
 とはいえ、ノルマは、やはり過酷だ。
 昨年、ゴールドは諦め、
 それでも平会員から、特別会員に昇進できていた。

 3月の勘三郎襲名のチケットは、
 昨日一日、ゴールド会員のみの先行発売。
 そして今日から、ようやく特別会員の発売日だ。
 
 平日でも観劇可能な分、人気の土日の激戦からは逃れられる。
 普段はサクサクの「チケットWeb松竹」も、さすがに重かったが、
 それでも予定通り、指定席の三階B席を確保。
 出勤時間まで、もうちょっと時間があったので、試しにのぞくと、
 一階最前列のイイ感じの席が、ポロリと出てきた。
 わわわ、と一瞬悩むも、思わず購入。
 あー予定外の出費2万円なり。
 どうするんだ?

 お友達に、まんべんなく歌舞伎座に通っているという、
 きらめくゴールド会員の方がいるのだが、
 その方は、最前列あたりがお好みらしい。
 そして最前列というのは、運良くチケットを手に入れて体験してみると、
 成る程の迫力と、緊張感、
 役者さん達の息づかいや、衣装のしわぶきの一つ一つまで、
 ともかく目の前で堪能できてしまうし、舞台のオーラを浴びまくり、
 やはり凄いのだった。
 三階席に三回通うなら、一階最前列で一度観た方が、
 なんだかガッシリと観劇できる気がする今日この頃。
 何年も前に、三階専門で見ていた頃には、こんなヨロコビは知らなかった。
 それだけ授業料、納めさせていただきましたさ。(遠い目)

 
 土日狙いの友達にメールすると、
 「パンの耳みたいな席しか無かったよう」とのこと。
 一階の一等席とはいえ、はじっこの花道の外(ドブと言う)や、
 最後列付近あたりしか、もうないのだろうか。

 夜、帰宅後にもう一度アクセスし、残席状況をのぞいてみると、
 なるほど、今は平日でも、もうパンの耳しか出てこなくなってた。

 21・22・23日が特別会員先行、
 24・25・26日が一般会員先行、
 そして27日から一般発売だというのに。
 恐るべし勘九郎というところか。

 それでも昨年の海老蔵襲名の頃の、
 電話発売のみで、
 一日中、頭痛がするまで・吐き気がするまでダイアルしてもつながらなかった事を思えば、 
 今回はWeb松竹でサクサク買えるんだから、夢のようだ。

 それじゃ、これからチケット買いたい人はどうするのだ?となるが、
 そこはそれ、蛇の道は蛇というのか、
 歌舞伎のチケットの不思議というのか、
 「戻り」というヤツがあるのだ。
 一般発売もとうに終わり、完売マークがズラリとならんだとしても、
 諦めるのは早い。
 あーら不思議、いよいよ3月になり、公演がはじまる頃になると、
 ぽつり・ぽつりと、売り切れのはずの席が、市場に現れてくる。
 平民の想像では、
 VIPのために後援会などがギリギリまで押さえていたチケットの、
 余った分が、戻ってきてるのじゃなかろうか?と思うのだが、
 ともかくど真ん中の一列目から十列目あたりなど、
 え?!とビックリするような席に出会えたりすることもある。

 とはいえ、行きたいと思っている舞台のチケットを、
 売り切れ表示を横目で見つつ、「戻り」を待つというのも、しんどい話だ。
 ともかくパンの耳でも、買えないよりはマシとしようか、ということになる。
 ああ、チケット協奏曲。


 
 






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2005年01月12日(水) あけました。とっくに。

 1月も、もう20日になろうとしてる。
 遅まきながら、明けましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。


 

 初観劇は、3日か4日あたりにしようかな、と思っていた。
 なにしろ年末年始、ことに31日〜2日にかけては、
 当然のごとく毎年必ず実家で過ごしてきたし、
 今回もそうなるのだろうな、と思っていた。

 遠く離れて暮らしてる分、お正月くらい家族で過ごさないと申し訳ない気持ちもあるし、
 暗黙の了解というか、沈黙のプレッシャーというか、
 当然一緒にゆっくり過ごすんだろうな?みたいな空気。
 何度も、海外で年越しとか、スキー場で初日の出とか、
 色々夢見てはみるものの、結局かわらず実家で過ごす年のはじめ。

 けれど、歌舞伎な友達に、お正月はやっぱり初日がいいよ〜、
 特に昼の部は、振る舞い酒や獅子舞や、色々あって目出度くていいよ〜と誘惑され、
 私も思わず2日の初日の切符をお願いしてしまった。

 これを観るためには・・・・、えーと、
 2日の朝、早い時間の新幹線に乗らねば。
 2日は、毎年大勢来客があるのだけれど、母に手伝えなくてごめん!と詫び、
 ともかく新幹線の手配。

 1日は、雪の中従兄弟の子供達(6歳、4歳、2歳)と雪まみれになって遊び、
 3ヶ所も初詣し、
 ずいぶん飲んだ。
 夜寝る前、父に「明日の朝、早い新幹線で東京に帰ります」と挨拶すると、
 前もってちゃんと話しておいたはずなのに、微妙に嫌〜な顔されてしまった。
 その目は「年明け早々お芝居だと〜?!」と言ってるね?

 2日酔いのまま、真っ暗な中、母にだけ挨拶し、
 父を起こさずに、そっと家を出る。(なんか悪いことしてるみたいな気持ちになる)
 新幹線も、思ったよりすいてる。
 母は「幕間に食べなさい」と手作りのお弁当を持たせてくれた。
 ありがと・・・。

 新幹線が寒空の中、びゅんびゅん走ると、
 気持ちもだんだん軽くなり、そうさそうさ!年明け早々初芝居さ!今年も行くぜ!と、
 普段のお気楽モードに。
 ぐっすり眠って、東京到着。

 久々の演舞場であったが、着くなり早速パリで知り合った成田屋な方々と会い、
 気が付けば、この日、示し合わせたわけでもないのに、
 あらゆる成田屋つながりの友達と新年の挨拶を交わすことができたのだった。
 皆さん、今年も気合が入ってますな!うはは。


 そうしてむかえた演舞場の初日。

 「毛谷村」では、海老蔵と菊ちゃんが、若々しい武道の達人の力持ちのカップルで、
 なんだか新年早々、元気そうな2人が見られてうきうきしてしまう。
 このお芝居、小さな男の子が出てきて、可愛らしく活躍するのだけれど、
 その子役の男の子が、ともかく「ふや〜っ」とした可愛い子で、
 そのぷにぷにしたほっぺや、小さなあんよや、眠そうなの?と思えてしまうおめめが、
 すっかりツボにはまった私。
 ついつい目がそちらに向いてるうちに、微笑ましく終わってしまった。

 松禄さんの奴道成寺、
 かなり手ぬぐい捕獲率の高そうな席だったので、いつ撒かれるのか?とワクワクしてた。
 が、手ぬぐいまきは行われないようで、
 残念。

 「文七元結」は、お正月にはピッタリな、お目出度くも楽しい、涙と笑いの演目だった。
 なにしろ人情話だもの。
 そこはやっぱり初泣きさせてもらい、
 菊五郎さんとたのやんに、大いに笑わせてもらう。
 團パパのお江戸復活は、大きな大きな拍手で迎えられた。
 大店の話のわかる旦那さんの役のパパが、とっても大らかでよいかんじ。
 ますます目出度い。
 しかも、色んな意味で「凄い子役」と噂の研祐君が、
 尾上右近を襲名するということで、劇中口上まであり、めでたさは絶頂に!
 鳶頭役の海老蔵も口上には列座し、
 「NHKで武蔵の撮影をしているときに、右近さんから電話をもらい、
  役者になりたいが、お家の清元もあり迷っているので、新ニイ相談にのって欲しいといわれた。
  10歳の少年が真剣に役者の道を考えるなんて凄いことだと思う。
  自分は10歳の頃、なんにも考えていなかった。」みたいな話をしてた。
 あはは・・・。
 私は、幼なじみでもあるという菊五郎さんと團パパが
 2人で向き合って会話してる姿が昔から好きなのだけど、
 今回も、そんなシーンが見られてやほほ!だった。
 そんな中、幕切れ近くに團パパは台詞をすっ飛ばし、
 舞台にいる他の役者さん達も吹き出してしまう。
 脇から裏方さんがすっ飛んできて、笑いながらプロンプつけるのも私の席からは見えて、
 ただでさえ楽しい演目だったのに、賑やかな笑顔と笑いがいっぱいで幕。
 こんなポカまで、なんだか可愛らしく大らかで、
 場内の楽しげな空気に、
 パパって愛されてるんだなーとしみじみ。


 休む間もなく夜の部に突入。
 ここでMちゃんと再会。
 再会といったって、京都の千秋楽以来なので、一週間ぶりにすぎないのだけれど。
 
 「鳥辺山心中」は、パリで三回見て以来だ。
 なんか菊ちゃんが凄く成長してる!
 そのおかげで、2人の若い美しい悲しい行く末が、一層切なく感じられて、
 文七元結とは違った切ない涙を流してしまう。

 その後、松禄さんと菊五郎さんの踊りに笑ったりびっくりしたり、見入ったりで、
 最後の演目「御所五郎蔵」。
 團パパ、こちらはNHKの生中継が入っていたためか、台詞もきっちりで、
 かっこよかった。
 

 早朝から、長い一日になったが、おめでたい気持ちいっぱいで帰宅。
 今年も良い一年でありますように!



 その後、
 *最前列ど真ん中観劇初体験の巻
 *ユーミンにサインをもらうの巻
 *六助の苦悩の巻
 など、20日分のあれこれも書きたいのだけど・・・・どうなることやら。

 






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