川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
もくじを見てみるひとつ前現在に近づいてプチ画像日記


2004年06月23日(水) ☆とほほ☆

 7月14日現在、まだ6月の楽日までたどりつけない日記。
 
 気温は容赦なくぐんぐんあがり37度。
 狭い職場なのだけれど、
 急用でしばらく仕事を休む人があらわれ、
 12日連続、無休で勤務続行中。
 とほほ。
 
 あっという間に連休がきて、はじめての大阪遠征!と思っていたけれど、
 そうはいかなかった。
 長い長い、仕事どっぷりの毎日。
 たまる疲労。
 たまる洗濯物。
 むぎゅう。
 
 でも、ここで一頑張りしておくと、もしかして10月あたりに良いことがあるかも?
 ともかくパリは「仕事が休めるか?」が一番のネックなのだけれど、
 ↑のような職場では、何日間も平日に休みをもらうことなど、
 言い出す事を考えただけでも、ムリムリ・・・と思ってた。
 けど、もうちょっと踏ん張って、
 「まあ仕方ないかー」と笑って送り出してもらえる雰囲気作りに、励んでみている。
 あとは女房を質に入れてでも、なんとか。
 やっぱ、無理かな。

 なので、何度も「勧進帳」や「切られ与三」のビデオ見たり。
 こんな本読んだり。
 町子ちゃんてば、もう。クスクス。

 ついでにこれも読んで、ため息。くうう〜。

 大阪も暑いんだろうな。
 海老は茹だってないといいが。


2004年06月22日(火) 一家総見?

 夜の部は、両親や叔母達と大勢で観劇予定なのだけれど、
 昼の部もチケットがとれており、今月最後の昼の部の予定。
 なので、新幹線の出迎えを叔母達にお任せして、一人昼の部。

 口上で海老蔵は、ずいぶんと汗をかいていた。
 額を汗が流れても、口上の姿勢を保ったまま動くわけにもいかないようだ。

 鏡獅子。
 先日飲んだ友人達も、
 「弥生君」とか「2丁目の弥生ちゃん」だったと苦笑いしていたけれど、
 確かに月の初め頃は、大きく、首のあたりのたくましお小姓姿に、
 「・・・・」ととまどう気持ちもあった。
 けれども、弥生ちゃんはどんどん柔らかく良くなっている。
 キリリと品よく、しっとり踊る姿に、満足。

 自らが、そう思って見渡すと、
 他の客席の多くの人も、「?」とは思っておらず、
 弥生の品の良さ、丁寧さ、美しさに一心に見とれているように見えた。
 いずれにしても、スポーツ観戦や観劇は、
 どうしたって主観に左右されずにはいられないわけで、
 今日の私は、大広間の片隅で、弥生に見とれる一人となることが出来て、幸せと思った。
 花道の横の席だったので、
 獅子に乗りうつられた弥生のとまどいや、
 獅子の精の息づかいを間近に感じられて、ほ〜っとうっとり。

 
 余韻に浸る間もなく、急いで外に出ると、
 すでに叔母達も両親も来ていた。
 今日も暑い。
 昼の部、どうだった?と聞かれて、
 思わず満足げに微笑むと、
 「あ〜わかったわかった。その顔見ただけで。よかったねえ〜」と笑われてしまう。
 そんなメロメロな顔してたんだろうか。

 しかしここからは添乗員さんに気持ちを切り替え、
 昼の部のうちに買っておいた筋書きと、外でも借りられるイヤホンガイドを、
 めいめいに手渡し、使用方法の説明。
 二人の叔母達は、歌舞伎座初体験。
 幕見の列の長さや、昼夜入れ替えの独特の混雑や、襲名の熱気を肌で感じて、
 ここで開場を待ってるだけでも、熱気がすごいわねー、
 これじゃあ本当にチケット大変だったでしょう、と言われる。

 後援会にお願いした一等席は一枚もとれず、
 三階席になってしまってごめんなさいと、すでに謝ってある。
 それでも、別ルートで友達が色々と苦労して手に入れたチケットを、
 ありがたくも快く譲っていただくことが出来て(それも花道の横!すごい!ありがとう!)
 結局両親は一階の一等席、私と叔母達は三階席で、離れて観劇することに。

 しかし花横とは!いいなー私がそこで観たいくらいだぜ!
 私の助六への思い入れを知っている母は、
 助六だけ席を替わってあげるよと言ってくれたが、
 そうはいかない。
 一年以上も前から、ご招待するね!と宣言し、張り切って積み立てもし、
 日頃の感謝の気持ちを表せればと思っていたのだ。
 あんな席で、揚巻の道中や助六の出端を、夫婦二人そろってみられるなんて、
 そう何度も可能なことではないだろう。
 私はこの先も、まだきっと助六は観られる。
 とはいえ、気持ちよくこの席を諦めるために、
 実は当日券に並んだ私。それがこの日。 
 (早朝の電車はお酒臭いものなのだなーとか思いつつ、6時前には並んで、
  そして手に入れたセンター目の前の席は、また格別ではあった。)

 入場すると、早速叔母達と父と共に歌舞伎座ツアー。
 このあたりが売店。
 お土産は今のうちに買っておいたほうがいいかも。
 これが舞台写真。先月の「暫」はこんなだったんだよ。
 団パパ、早くよくなるといいね。
 ここで売るアイス最中も美味しいよ。
 お手洗いは、お父さんはここ、
 一幕目が終わったら、この階段のぼって二階の吉兆に来てね。
 私たちも三階から行くから。
 この先が吉兆だよ。
 これがヴィトン特注の旅行用化粧台だよ。
 あ、この海老の絵は団パパが描いたんだよ。
 この祝い幕は夜の部は今しか見られないからね。
 二階のここから写真を撮ろうね。
 ここから撮ると、海老の絵も市川海老蔵さん江の文字も、
 きれいに全部フレームに収まるよ。
 はい笑ってねー。
 ここから三階に上がるよ。
 私たちはここで見るんだよ。
 (と言ってると、今日席を譲ってくれた友達がすでに来ていた。
  三階席と交換してくれたのだ。)
 オトン、彼女が席をとってくれたんだよ、本当にありがとねー。
 これが父です。
 三階の西のロビーははずせないんだよ。
 ここは名優写真館があるからね。
 ほら、あれが十一代目、じいちゃんだよ。
 私はいつもお参りするんだよ。
 やっぱ素敵だよね。
 オトンは他に誰を知ってる?ああ、歌右衛門さんねえ。
 この階段を降りると、さっきの吉兆の前に出るよ。
 うん、後でね。おかんと来てね。

 などと目一杯説明してると、あっという間に開演。

 30分の幕間は、今月夜の部は一度しかない。
 私たちが吉兆へ行くと、ちょうど一階からきた両親と一緒になる。
 せめてものお礼に、お友達にも吉兆を予約させてもらった。
 友達とは席が隣同士になっており、改めてお礼。照れる。

 ビールで乾杯!
 父が、添乗員さんイヤホンガイドはまだしゃべっていますが、どうしたら?
 と質問するので、
 一人の時などは聞いていると面白いですが、
 せっかくですから、みんなで楽しくお食事しましょう!と答える。
 話題はもっぱら、傾城反魂香の手水鉢の絵が浮き出る仕掛けの不思議について。
 それから、きっちーのどもりのお芝居ぶり。
 父は日本酒をいってる。
 椀の物の海老しんじょがとても美味しい〜と言うと、
 はいはい、海老ならなんでも美味しいんだねと笑われる。
 ふん。

 次の幕間は20分きりだが、その後助六が長いのでお手洗いに行っておくこと、
 長蛇の列になるので、さくっと早めに並ぶこと、
 終演後の集合場所など打ち合わせして、解散。

 三階からの助六も、またたのし。
 出端のはじめは見られなかったが、今頃おとんもおかんも、
 助六の流し目にまいってるんじゃなかろうか?とニヤニヤ。
 叔母達は、股くぐりのくだりにビックリしてたが大喜び。

 終演後、タクシーでホテルに。
 さて、どこかでもう一杯やろう!ということになり、
 私が「揚巻の布団の上で一杯やろうか」と助六の台詞を言うと、
 父が「一服やろうか、だったよ」とすかさず言うので驚く。
 確かに2000年のビデオでは一杯やろうかだったのに、
 今年は一服やろうかと言ってるのだ。
 その違いに気が付くあたり、なかなか集中してみたんだなと、感心。
 
 改めて乾杯しつつ、助六談義。
 あれ以上格好良くなりようがないくらい格好良かったな、と父。
 母も、お父さんと一緒にあんなに豪華なきれいな舞台が観られて、
 本当にありがとう。
 叔母達も、あなたが夢中になるのわかるわ〜。素敵ねえ〜。
 と、口々に。
 
 それぞれに満足してくれたようで、本当によかった。
 色々な人の力を借りねば、実現できなかった企画ではあった。
 本当に、肩の荷がおりて、ほっとした。
 日頃の感謝の気持ちをなんとか形にしたいと思って企画したことだったのだが、
 私はあまりにも力不足だったなと思う。


 ○○追記○○

 その後、27日に放送された俳優祭の様子は、
 実家の両親も楽しんだらしい。
 電話で、今回の家族総見の話になり、
 おとんは、嬉しい嬉しい!などと口に出して言わないけれど、
 やっぱり助六がとっても楽しかったみたいで、喜んでたよ、とのこと。
 テレビの俳優祭で、一生懸命お寿司をにぎる団パパを見て、
 二人して泣いてしまったんだそうだ。
 あんなに頑張って、嬉しかったんだろうにねえ〜と、電話でもまたうるうるしてた。
 団パパ、9月の名古屋も休演とのこと。
 気長にあせらずに治してほしいなと思う。


2004年06月20日(日) ☆兄さんにいさん、ちょっと待っておくんなさい。☆

 どうしましょ!
 あっという間に7月じゃありませんか。

 家族で助六を観た日のこと、
 千秋楽のこと、
 色々書きたいことはあるのですけど、
 プチ燃え尽き状態とでもいいましょうか、
 いくらでも眠れてしまって、
 なかなか進みませぬ。

 日記の書き方忘れそうっす。

 その間、テレビで4月の俳優祭の放送を見たり、
 松竹座遠征のプランを練ったり、
 あげくには名古屋御園座の事まで考えねばならず。
 一度に色々なことが出来ない構造になっている私には、
 非常に困難な事でありました。

 その間、ぼちぼちと杉本苑子「傾く滝」を読み返していたのですが、
 これがまた、たまらんのです。
 絶大な人気を誇っていた八代目団十郎が、謎の死(大阪の宿での自殺)をとげる前年に、
 彼のために描かれたという「与話情浮名横櫛」で大当たりをとったくだりなど、
 がっつりのめり込んで読んでしまいました。
 この「切られ与三」を、明後日から松竹座で海老蔵が演ると思うと、
 もうたまりません。
 一目惚れのお相手、お富は菊ちゃん。
 あー、どんな二人なのでしょう?!

 そんなこんなで、観劇日記はちょっと待っておくんなさい。

 


2004年06月15日(火) オンデマンド助六。

 今日も今日とて、歌舞伎座通い。
 先週あたりの無理がたたって、風邪ぎみ。
 風邪薬を飲みつつの、一日通しは眠気との戦いとなった。
 
 とはいえ充実の今月ではあるので、
 幕間にだるーんと過ごしても、演目がはじまると、シャンとした気持ちになる。

 さすがに歌舞伎座で調達できるあらゆる食べ物にも飽きたなあ。
 三階の蕎麦屋も、「暫」の期間限定海老カレー(カリカリの海老フライがのってる)も、
 歌舞伎蕎麦も、お弁当も、どれも、もうお腹いっぱい。
 なので、昼の部のあと、外に出て三越へ。デパ地下へ。
 今ここでは、「観劇弁当キャンペーン」をやってるらしい。
 福助さん贔屓のお友達の為に、応募券をもらう。
 美濃吉のお弁当、美味しかったー。

 本日の海老蔵、風邪は少しは良くなってるみたいで、
 咳は聞こえなかった。
 けれど鏡獅子の弥生ちゃんのとき、背中にびっしょり大汗をかいており、
 今まで私が気が付かなかっただけで、いつもこうなのか、
 風邪で嫌な汗かいてるのか、わからん。
 獅子の精のジャンプが高くて、
 一瞬、空中で止まってるようにみえて、わお!と目をみはる。

 助六では、通人さんのネタがちょっと変化していたり、
 台詞をかえていたり。(ネタバレ反転)
 へえ〜ボタンを押してたのと、
 おや、中村屋さん、NY公演のチケットも売り切れたそうで、おめでとうございますと言ってた。

 
 助六は、意休のことを「大きな蛇」呼ばわりするのだけれど、
 13日だったかは、左団次によく似た蛇だーと言っていたところ、
 今日は宇賀神に似た蛇に戻していた。
 日々、あちこち試行錯誤してるんだろうなあ。

 白酒売りとのくだり、初演の頃とイメージが違うので、
 気になって、また2000年のビデオを見かえしてみた。
 こうしてみると、随分と大きく成長したのだなあーと驚く。
 ビデオの青々とした助六も好きだったけど、
 今、歌舞伎座で見られる男前助六が、もっと良い。

 三津五郎さんの白酒売り、助六が紙衣に着替えるシーンで、
 かいがいしく手伝う姿が好ましくて好きなのだが、
 勘九郎さんはそこは、あっさり。
 けれども、兄弟らしい親しみのこもったやり取りは、
 勘九郎さんと海老蔵の関係をもうかがわせる雰囲気で、いいなあと思う。
 えーと、三津五郎さんの十郎はA型っぽくて、
 勘九郎さんの十郎は0型っぽい、みたいな感じ。(こらまたなーんのこった)


 そんなこんなで、
 仕事していても電車にのっていても、
 脳内ではオンデマンドで助六放映中な状態。
 これって、なかなか楽しい。
 今しか味わえない、頭いっぱいな充実感だろう。うひひ。


 ○○追記○○
 
 土曜は成田屋友達と、襲名興行東京の部、中間反省会をした。
 銀座をブラブラしていると、ウインドウにキラキラ派手ハデな洋服がいっぱい!
 翌日3列目で観るという子に、あれを買ってやるから着て行けと言い出すねえさんあり、
 千秋楽に持っていくーとハンドバッグを買うお嬢さんあり、
 パリ〜のために仕事やめるかも・・・と言い出す娘あり、
 実に、それぞれの襲名堪能月間であることだなあ。

 そうこうしていたら、日曜に届きましたよ。
 松竹座の切符が。
 月末に観劇予定なので、微妙に料金が夏休み価格なのが泣けたものの、
 予算以内のツアーパックを見つけて、今日申し込んできた。
 やははー!おおざかだよー!
 弁慶だよー!与三郎だよー!
 
 私の誕生日の近くに「海の日」があるおかげで、
 昨年はこの人のお世話になり、北海道ウニ食べまくりツアーだったし。
 今年は大阪で弁慶堪能予定。
 海の日、ありがとう!
 
 次の観劇は、一家そろって助六予定。
 (母の日ばかりじゃなんなので、父の日のプレゼントは助六になった次第)
 おそらく添乗員さんよろしく、お世話しまくらねばならず、
 どうなることやら。


2004年06月13日(日) 助六付近。(みーはー炸裂)

 どうしても一度は助六を、舞台に近い席で観たかった。
 今日がその日だ。
 今月、最も助六に近い距離にいられるひとときと思うと、舞い上がる。

 けれど、今朝あたりから咳と鼻水が出る。
 多分熱を計れば微熱はありそう。
 でもせっかくのチケットだもの、風邪なんかひいてる場合ではない。

 夜の部。
 今夜はテレビの収録が入っているらしく、場内アナウンスがある。
 
 先月入院しつつ、病院から歌舞伎座に通い、
 休演の団十郎の分まで頑張ったジャッキー(雀右衛門さん)。
 世話女房のなんと情の深いこと!
 又平の手をすりすりさすってやる仕種にぐっときて、
 ありがたくて泣けてしまう。

 菊ちゃんの静御前が、あんまり美しくて品があって、
 あれはなんというのだろう。
 こうして近くで菊五郎の狐忠信を見ると、やっぱり凄い役者さんだなーと実感。
 人ではない、狐の化身ぶりが、怪しく素敵で、びっくり。
 瞳の色が違うような気がする。
 狐っぽい、琥珀色というのか、ガラス玉っぽいというのか。

 幕間に助六のポスターの前で、ほおえ〜と眺めていると、
 後ろから話し声が、
 「この化粧が、また上手い」
 「いい顔してるよな」
 「実になんともいえない助六だ」
 振り向くと、スーツをお洒落に着こなしたおじさまが二人、
 私とそうは違わない、ほええ〜っとした嬉しそうな顔して、ポスターを眺めてた。
 ちょっと笑ってしまう。

 本日の河東節は男性がずらり。
 ムルギランチであまりにも有名な「ナイルレストラン」のナイルさんのお名前発見。
 今月4回観た中では、今夜の河東節が好きだった。
 (日によっては、???な夜もあるにはあった。さすがシロウト衆)
 助六は、もう、ひたすら満足。
 だって、出端がこんなに近くで見られるなんて。
 ぱっ!と傘を開いた助六に、場内から「おお〜〜っ!」とどよめきが起きた。
 けど海老蔵は第一声、鼻声であらら〜と思う。
 この不安定な気候では無理もない。
 気のせいか玉三郎も勘九郎も風邪っぽいような。
 幕内は風邪がはやってるのか?
 
 小さく咳き込みつつ、鼻水たらしつつ、
 それでも江戸一番の男前っぷり!
 その咳の仕方がまた、拍手に紛れるように、コンコンッとするのがね。
 いじらしいぜ。
 
 兄の十郎役の勘九郎に叱られて、言い訳するくだり、
 「口をとんがらかして言い訳する可愛い弟」の図があまりにもよく似合って、
 どうしてくれよう!

 何度も、助六と目があったような気がして、ひえ〜!と思っていたら、
 お隣の方も、終演後に、
 何度か海老蔵がこっち見ましたよね?と興奮気味に話しかけてきて、
 そうか、やっぱり私だけの思いこみじゃなかったのだな、とほっとした。

 テレビの収録には
 あの鼻水助六が残るのかな?と思う。

 電車で脱力し、ボーっと余韻に浸っていると、
 隣のダンディなおじさんが、助六は良かったかい?と話しかけてきた。
 昼の部は観たんだけど、夜の部はチケットがとれなくてねえとのこと。
 本当に今月はねえー!と盛り上がる。

 助六をキーワードに、見知らぬ人と今日は随分話した。
 

 助六で頭はいっぱいなのに、来月の大阪、松竹座の事を考えねばならぬ。
 どうか後援会のチケットがとれていますように!
 自分でも電話かけてみたが、三階席しかなかったのだ。
 祈るしかない。

 葛根湯飲んで、寝なくちゃ。


2004年06月10日(木) 助六 幕見

 木曜だけは少し早めにあがれるので、一応オペラグラスはバッグに入れた。
 でも、朝から喉が痛いし、ちょっと体力的に無理かも。
 でも、午後になると仕事が思いの外サクサク進んで、
 いつもよりも20分も早く外に出られた。
 迷わず歌舞伎座へゴー!
 私にとって歌舞伎座で助六がかかっているということは
 例えて言えば、毎日オリンピックで日本代表が試合してるような気持ちなのだ。

 静かに幕見の列に並ぶ。
 この時点で、当然、立ち見決定。
 随分外人さんが多いなあ。
 もし私が外国人で、観光でこうして並んで助六を見たらどうだろう。
 まず豪華でたまげたかも。
 それでもって、やっぱり助六にぼーっとなって、
 ニホンスバラシイ!とか感激するんじゃないだろうか?
 英語のイヤホンガイドって、どんなこと言ってるのだろう?

 七月の演目「桜姫東文章」の玉さんの美しいポスターなど眺めつつ、
 ぼーっと待つこと一時間と少し。

 普段利用することの多い三階席では、まさか立ち上がることは出来ないし、
 しかも前の列にちょっと背の高い人や、座席に浅く腰掛けて前に身を乗り出す人がいると、
 本当〜に見づらいのだ。
 (五列くらい前に、座高の高いワカモノなどがいるだけでも、
  充分に視野はさえぎられる、歌舞伎座はそういう泣ける構造になっている)
 まして今月の助六は、花道での見所が多いので、
 三階席全体が盛り上がっているかのような、総前のめり状態。

 なので幕見は四階席ではあるけれど、
 覚悟を決めて立ちっぱなしで見ると、視野が広くて、
 いっそ清々しい。(そして1200円という料金もすがすがしい)

 てっぺんから眺める助六の出端もまたおつなもの。
 遠くでぱあ〜っとオーラを放って輝いてるのだ。
 
 火曜は、声が落ち着いて、
 高い声は抑えて、普段話すようなトーンの声をたくさん使うようにしたのかな?と思ったのだけれど、
 違うのかも。
 今日は、高い声を出そうにも、ちょっとかすれて出づらい様子。
 その分台詞の言い回しに緩急をつけて、メリハリは上手く出ていたが、
 あの声は、とても心配。
 とてもとても心配。

 いつも思うのだが、歌舞伎の日程ってのはすごいことになってる。
 初日があけると、土曜も日曜も、休演日もなく、
 千秋楽までぶっ通し。
 襲名なんて事になると、休む間もなく次の月がまた始まる。
 考えただけでも長い道のり。

 それでも、やっぱり助六の舞台は素敵で、
 こうして同じ空間で、ひとときを過ごせるだけで、疲れも吹っ飛ぶ。
 来て良かった。
 歌舞伎座を出ると、背中越しに「海老蔵、声お大事に!」と祈りつつ
 地下鉄に降りる。

 帰り道、友達から「マブに元気もらったか〜?」などとメールをもらいつつ帰宅。
 他にも、可愛い(?)助六の隈取り模様のカエルの写真も送られてきて、
 うはは!と笑ってしまう。
 こいつ、背中に顔があるわい。(後でプチ画像にアップしておきます)

 
 ○○追記○○
 そんなこんなで、書こうと思っているメールのお返事が溜まる一方です。
 すみません。
 私は、今、こんな状態です。
 
 


2004年06月08日(火) 三階すわりっぱなし。

 さっき、久々にパソコンが固まって、書いた日記が消えた。
 脱力。
 なので襲名演目のみ手短に。


 売店で「和樂」を購入。
 雑誌だというのに本屋の店頭では買えず、定期購読のみという、いけず〜な雑誌だが、
 「海老蔵襲名という事件」という特集を18ページも組んでるのだ。
 買わないわけにはいくまい。

 今日はともかくずっと三階に居続けるので、
 まったりイヤホンガイドを聞きながら見ようと思っていた。
 
 口上。
 今月見たにらみのなかでは、一番あれ?と思った。
 不動明王の表情を模しているのだったか、独特の目なのだが、
 今まではハっ!と気を入れて、見開くと、片目だけきゅうと寄っていたのだが、
 今日は見開いた後に、目をぎゅーっと寄せていた。
 それで、まばたきぱちくりしちゃってた。
 あれはなんだったんだろ?

 鏡獅子。
 土曜のモヤモヤを解消するべく、勘九郎と菊五郎の鏡獅子を見て、
 さらに「歌舞伎ナビ」の鏡獅子の章を再読。
 ずっと前に読んで忘れてたけど、あの振りにはこんな意味があったのねーと納得したり。
 それにイヤホンもあるし。
 今日は三階だったせいもあるかも。
 
 この角度から見ると、良い感じに男らしさが緩和されて、
 なんだか今日は、美しいお小姓さんに見えるぜい。
 美しい才女が、取り立てられて大奥に・・・ってかんじ。
 こんなお嬢さんに、目の前で踊られたら、将軍様もたまらんだろうなあ。
 それにまた、あの着物の色の何とも言えない風合い。
 ここを読んで、制作過程をワクワク見守ってきたし、
 スーパーテレビでも、色選びの様子を見たし、
 どんな色?と楽しみにしてたのだ。

 渡辺センセイによると、
 日本舞踊のキイ・ポイントが二つ。
 一つは空間に踊り手が何かを描く、そのイメージの美しさ。
 もう一つは、そのイメージを描く踊り手の姿の美しさ。
 その二つがあって、渾然一体になるのがすぐれた踊りです。

 とのこと。ふむ。(歌舞伎ナビ、325ページより)
 そして、踊りの冒頭、「天の浮橋」のくだりで、
 六代目菊五郎の弥生の写真をもとに、
 何もない空間に、いかに浮橋が浮かぶのかを解説している。

 そうか・・・。
 残念ながら、今の私には、そんな風に踊りを楽しむ目が無い。
 海老蔵の弥生でも、天の浮橋を見ることはなかった。
 
 そういえば小津監督の六代目の鏡獅子、録画してあったはず。
 これは探して見てみねば。

 そんな私が観ても、弥生に獅子の精が乗り移るあたりは、
 まだまだ固い気がする。
 頑張れ海老蔵。

 獅子の出から。
 獅子は想像上の霊獣なんだという、
 澄んだ空気をまとったような緊張感は、やっぱり素晴らしいと思う。
 獅子と牡丹と蝶の組み合わせというのが、いかにも霊獣という感じで、
 やはりこれは、優れた演目なのだなあーと実感。
 

 助六。
 イヤホンガイドは幕間も担当者が、ちょっとしたエピソードなど話してくれるので、
 一人の時には聞いたりする。
 五月は小山観翁さんが、もう、この度の襲名が嬉しくて嬉しくて、
 実にまったく嬉しくてたまらん!といったお話をされていて、
 聞いていても、こちらまでフフフと笑ってしまうような感じだったが、
 今月の助六も、この観翁じいが担当するらしい。
 助六の前の幕間もイヤホンを外さずに聞いていると、20分殆ど目一杯使って、
 今月の舞台にエールを送っていた。
 この後の2時間に備えて、ここは是非お手洗いに行かねばならないのだけど、
 お手洗いの行列で、ちょっとウルっとしてしまう。

 さて、一週間ぶりの助六さん。
 いやっはー、かっちょいいーー!
 なんか、ますます研ぎ澄まされてきちゃあいませんか。

 初日は、本舞台に上がってから、
 他の人の台詞の時に、目線もキリリと助六ではあるのだけれど、
 一瞬、今、海老蔵に戻って、えーと今、俺、助六に見えてる?みたいな、
 ふっと素にもどってなかったか?みたいな瞬間があって、
 何かのインタビューでも、本人が 
 「最初はいいんだけど、その後がまだまだダメ」みたいなことを言ってたのを思い出した。

 今日はそんな感じがなくなって、
 ずっと助六のまま、それも力むことなく助六でいたように見えた。

 それから、2000年の初演の頃のビデオでは、
 助六が実は曽我五郎とわかってからが、お行儀よくちんまりとしてつまらなく思えたのだが、
 今回は、曽我五郎として、実は親の敵討ちのため、
 こうして刀の詮議をしている
 志の強いきっちりした強い武士に見えて、とても頼もしい。
 これは揚巻でなくとも、惚れるって。

 そんなわけで、もう頭の中は助六でいっぱいになり、
 うっとりしつつ帰宅。

 あまりにもどうでもいいことだけど、
 これは三階からしか見られないのでは?と思ったもの。
 松禄さんの福山のかつぎが、ええい!と裾をからげて座り込んだ後には、
 くっきり舞台に、まあるい桃のようにお尻の白塗りの痕が残っていた。
 ぎりぎりのとこまで白塗りしたんだね・・・と笑った。

 それから、先日、母と筋書を眺めていたら、
 今月は瀬戸内寂聴さんが文をよせていて、
 そのタイトルが「ミューズの女神の寵児の大器」と、ででーんと書かれており、
 それを見て、もう寂聴さんメロメロじゃん〜と顔を見合わせて笑ってしまったのだった。
 すんげえタイトルだ。

 
 ○○追記○○

 6/12 土 NHK衛星第二 13:30〜17:00
 土曜シアター・山川静夫の新・華麗なる招待席ゲスト・加藤武 瀬戸内寂聴
 ▽十一代目市川海老蔵襲名「暫」「口上」 海老蔵、団十郎、雀右衛門、芝翫ほか
 この中で、先日のハイビジョンの特番も放送されるらしい。
 海老蔵に興味を持たれた方、いやもう是非ご覧ください!


2004年06月05日(土) 六月大歌舞伎 昼の部

 私の家族総成田屋計画は、未だに少しずつコツコツと実行されており、
 今日は母と昼の部観劇。

 さすがに今回は、留守番の父が渋ったので、
 母は朝一の新幹線でやってきて、日帰り観劇を決行。
 結局、彼女は一月の新之助最後の舞台も、五月六月の昼夜もすべてみる事になり、
 それだけ聞けば立派なファンといえそうだ。
 けれども概ね淡々と観ることの多い人なので、
 感激うるうる観劇の私とは対照的。

 外郎売りも寺子屋も、さすがに豪華ねえとサクッと鑑賞する母。
 
 口上。
 初日は海老蔵の事が気になって、ピンポイント観察重視だったので、
 今日は押さえ気味にじっくりみようと思う。
 仁左衛門さん、
 今月は海老蔵さんと一緒の舞台はありませんが、来月は松竹座で勧進帳をご一緒します。
 海老蔵さんが弁慶、私が富樫をつとめさせていただきますので、
 皆様も是非大阪まで、足をお運びいただけますよう。
 私も海老蔵さんの富樫に負けない富樫になるよう頑張りたいと思います。
 などと、あの品の良い優しい笑顔でおっしゃるので、
 客席はまぁ〜と笑顔。
 片岡秀太郎さん、
 おじいさまの海老様が大好きでしたが、新海老蔵さんも素敵で大好きです。
 というような、初日とは違った感じで、
 上方の女方さんらしい、はんなりと優しい華やかな口上で、ほう〜っとなった。
 吉右衛門さん、
 新海老蔵も父・団十郎の休演でさぞ心細い思いをしていることと思いますが、
 是非皆様方、末永くご贔屓くださいますようお願い申し上げます。だったか。
 左団次さんの口上に関しては、こんなエピソードがあったらしく(5月の2をご覧ください)、
 パリでは是非パリジェンヌとも浮き名をながしていただきたい、だったかな。
 梅玉さんのコメントもありがたい。
 勘九郎さん、
 彼は気は優しくて力持ち、一月に共演したおり、冷えて困るともらしたら、
 三時間後には楽屋に「冷えは体にわるいっす 孝俊」というメモと一緒に、
 靴下が届いていた。
 相撲では負けないと思っていた私を負かし、
 くやしいのでもう一度とったが、先輩の私を生意気にもねまた投げ飛ばした。
 生意気といいますが、この言葉、私は嫌いではありません。
 イキが良くて生な海老蔵が、ピンピンと跳ねることを願っています。
 玉三郎さん、
 言葉を1つ1つ選んで噛みしめるように、
 兄のようにというか、母のように話しておられて、
 気持ちが伝わる、いい口上だった。
 記憶に残っているのは、こんな感じだけれど(間違いがあったらすみません)
 豪華で華やかな顔ぶれで、こんな風にそれぞれに言葉をもらって、
 やっぱりジーンとくるのであった。
 海老蔵の口上は短めだが、力強く、
 ニラミは、ますます研ぎすまされてきている。

 またもやウルウルしている私を笑いつつも、
 海老蔵さん、さらに男らしくなったわねえーと感慨深げな母。

 とはいえ、母は、私はやっぱり菊ちゃんが一番だわー!などと言いだし、
 えー?そうなの?と娘を驚かせる。
 あげくには、音羽屋さんの後援会にはいっちゃおうかしら〜とまで言うので、
 笑うしかない。
 家族成田屋計画は、路線変更して家族歌舞伎化計画にせざるを得ない感じだが、
 まあそれもいいだろう。
 じゃあさ、御園座は菊ちゃん揚巻やるって噂だし、一緒に名古屋に行く?
 みそかつだよーういろうだよーと言うと、「まさか私は〜」と渋い顔。
 最初は案外渋い顔をして、結局のってしまうのが母なので、
 ひょっとすると名古屋遠征、一緒に行くかも?
 そんな会話も楽しい幕間。

 
 鏡獅子。
 これはねえ・・・。
 近くで見ると、やっぱり海老蔵はでっかい。
 きれいなんだけど、女性にはあんまり見えないというか。
 それでも、初日よりは堅さがとれて、柔らかくなっていた。
 踊りだから眠くなっちゃうかもよ?と母に言っておいたが、
 平気、私踊り好きだもんとのこと。意外。
 ちゃんと楽しんでいた様子。
 海老蔵が懸命にきちっと踊っている姿は、けなげであった。
 
 残念だったのは、この日、胡蝶の児太郎ちゃんが
 気がせくのか、早くなりがちだったこと。
 隼人君がどうしていいか、困ってるように見えた。
 初日はそろってたのになあ。

 獅子の精になってからは、やっぱり海老蔵はこっちだろうと思う。
 気のせいか初日よりは勢いをセーブしているように思えたが、
 その分余裕も出たようで、安心して見ていられるかんじ。
 客席も大喜びだ。
 

 興奮も冷めぬまま、母を東京駅まで見送る。
 今日は口上も、かなり巻きが入っていたようで、役者さん達、早口だったなあと思ったが、
 終演も早かったみたいで、3:55には東京駅にいた。
 父へのお土産は、こないだ食べて美味しかった佃宝の小柱の佃煮と、もちろんあんず大福。
 なので大丸デパ地下をとりやめて、一本早い新幹線で帰ることに。
 出発ぎりぎりまで、ベンチで筋書を眺めながら、あーだこーだ言い合う。
 そんなに菊ちゃんが好きなら、夜の部の吉野山、きっといいよ〜と予告宣伝。
 母はまた夜の部を観に、月末にもくる予定なのだ。
 今度は父も一緒だから、大いばりで来られるね。
 楽しみにしているね。


 翌日、日曜。
 公園を散歩中の両親から電話。
 実家の近くに大きな公園があり、そこを散歩するのが日課なのだが、
 天気が良くて気持ちがいいと、電話がかかってくる。
 父も助六を相当楽しみにしているようで、母に手渡ししたチケットのお礼。
 母は、
 「私、おとうさんにオマエはピントがずれてるって笑われたけど、
  昨夜、獅子の精の夢見たのよ〜。
  やっぱり海老ちゃん凄かったわね〜。よかったわ〜」だって。
 散々、ちょっとしか出てなかった菊ちゃんの事ばかりほめてたくせに、
 何を今更、と笑ってしまう。

 私は私で、海老蔵の鏡獅子、あれはどうなんだろ?と
 家にある、菊五郎のと勘九郎の鏡獅子のDVDを鑑賞。
 三人の鏡獅子を比べてみた。
 うーん、なるほど。
 踊りというのは、こんな風に持ち味が出るものなのか。
 
 九代目団十郎が作った踊りということで、
 長唄連中は三升の裃をつけている。
 今のように洗練された形にしたのが、六代目菊五郎とのこと。
 来週三階で観るときにイヤホンガイドを借りて、聞いてみるつもり。
 楽しみ。

 そうはいっても、一番釘付けになったのは、
 菊五郎のかたわらで胡蝶を踊る、10歳の菊之助と新之助。
 かわいいいーーー。
 それで、なんとも仲良しなのが伝わってくる。
 同じ学校で、同じ学年で、きっと一緒に胡蝶もお稽古したのかもなーというような。
 それがまあ、こんなに大きく立派になっちゃって・・・。
 とかなんとか、またもや親戚のおばちゃんモード。



 ○○追記○○
 今は毎日これを眺めてます。
 やっぱり舞台の海老蔵が一番!
 これも出たしね!

 そしてこれを読んで、またうるうる。


2004年06月01日(火) 六月大歌舞伎 初日!

 朝から雨。
 ざあざさ降っている。
 それでも何しろ初日なので、いつもよりはおめかしして出発!
 とはいえ、何故か私までとても緊張している。

 外郎売り
 団十郎さんの代役は松禄さん。
 朗々とした声で若々しく好ましいものではあったが、
 早口というよりは、ゆっくり大らかにのべていた。

 ここに団パパがいたらな・・・と思うと、やはりどうしようもなく寂しい。

 寺子屋
 これはもう、素晴らしかった!
 テレビで観たことはあったけれど、
 こうして舞台を生で観ると、どの方も熱演されていて、
 そして玉三郎さんの千代の切ない母の気持ちに、もう涙なみだ。
 終わってから涙をぬぐう私にお隣の方も、
 本当に良かったわねえ〜としんみり。

 口上
 やはり今月は華やかだなあと思う。
 雀右衛門さんも、すっかりお元気そうだった。
 拍手が大きすぎて、それぞれの方の口上が聞き取れないくらいだ。
 海老蔵さんは、こみあげるものをこらえつつ口上をのべられたようで、
 その後、はらはらと涙をこぼしていた。
 ぬぐうこともせずに、こぼれた涙がまた、たまらぬ。
 先月の初日は、
 ご両親や先輩方、周りの方へのありがたい気持ちや嬉しい気持ちの涙に思えたが、
 今日の涙は、団パパの事を思っての涙なのかも。
 にらみはさすがに素晴らしく、気迫のこもった美しいにらみだった。
 これまた私も涙なみだ。

 鏡獅子
 どんななの?と心配していた小姓弥生。
 やっぱり大きいし、肩のあたり、顎のあたりがガッシリしているんだけれども、
 きれい。
 扇の扱いを、ひっきりなしに練習している様子をテレビで見ていたが、
 随分頑張ったのだろうな、という感じのできばえ。
 弥生ちゃんの右の人差し指が真っ赤になっており、
 ああ〜・・・と思う。
 獅子の精になってからは、すごい気迫で踊っていた。
 あんな迫力のある獅子ははじめて。
 真っ白な長い毛を、ぐるんぐるん回す勢いに、息をするのも忘れるくらい。
 連獅子を幼い頃から練習してきた様子もテレビでみたので、
 獅子の舞いを観ていても、団十郎さんのこと思わずにはいられない。
 

 傾城反魂香
 雀右衛門さんがお元気そうで嬉しくなる。
 吉右衛門さんとの、深い夫婦愛。

 吉野山
 菊ちゃんきれいだなあ。
 この人の頬のあたりの色っぽい愛らしさがたまらなく好き。
 菊五郎さんが扇を持って踊るところ、つい弥生ちゃんと比べてしまった。
 体の一部といった感じで、さくっと踊るあたりさすが。

 助六 
 いよいよ待ちに待った助六だ。
 お弁当も腹八分。お手洗いもすませて、準備万端。

 すっげーーー!
 桜満開の吉原。
 居並ぶ傾城たち。
 そこへ現れる玉三郎の揚巻の道中!
 もう歌舞伎座が狭〜く感じられるほどの豪華絢爛ぶり!
 玉さんの揚巻は、女の中の女というか、女も惚れる女というか、
 ともかくきれいで品があって、気っ風がよくて格好いいのだ!
 くう〜!

 助六の出。
 ああ、これが語りなのだな!と身をもって体験できた。
 若くてむこう気の強い、男助六ここにあり!という感じ。
 何十回とビデオで観ても味わえなかった何かが、そこにはあった。
 
 初役の頃よりも、ずっと色っぽく渋み凄みのある助六に思える。
 もう目がはなせないまま、ともかく舞台に見入る。
 俺の名前を聞いておけー!のあたり、
 本当に待ってました!という気持ち。
 これはキセルの雨も降ろうものだ。

 通人さんのお遊びのところ。
 ネタバレありでもいいっすか?
 反転させておくんなさい。
 白酒売の股くぐりのところ、今回は冬ソナのヨン様でくぐってた。
 その後、松助さんが花道にさしかかると、NEWSのバレーボールの応援の歌が。
 新海老蔵さんのことも、皆さん応援してやってくださいね!と通人さん。
 嬉しかったなあ。


 意休と再びまみえるも、紙衣の衣装の助六。
 それをかばう揚巻との、目と目で交わす会話がまたなんとも。
 色っぽくてくう〜っとなる。

 海老蔵の助六が観られて、日本人でよかったなあーとつくづく思う。
 
 1つだけ、ちょっと残念だったことは、
 助六が白いタイツ?みたいなのを履いていたこと。
 それって、色っぽくないよ海老ちゃん!と思ったのは私だけ?



 ともかく興奮と、心地よい疲れのまま、
 走り書きで書いてしまったけれど、
 いい足りないことばかり。

 今月も、大変なことになりそうだわい。
 
 
 


しま |てがみもくじを見てみるひとつ前

いわゆる投票ボタンです。ぽちっ?

My追加
「エンピツ」な方々用、新鮮お届け。