川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2004年06月13日(日) 助六付近。(みーはー炸裂)

 どうしても一度は助六を、舞台に近い席で観たかった。
 今日がその日だ。
 今月、最も助六に近い距離にいられるひとときと思うと、舞い上がる。

 けれど、今朝あたりから咳と鼻水が出る。
 多分熱を計れば微熱はありそう。
 でもせっかくのチケットだもの、風邪なんかひいてる場合ではない。

 夜の部。
 今夜はテレビの収録が入っているらしく、場内アナウンスがある。
 
 先月入院しつつ、病院から歌舞伎座に通い、
 休演の団十郎の分まで頑張ったジャッキー(雀右衛門さん)。
 世話女房のなんと情の深いこと!
 又平の手をすりすりさすってやる仕種にぐっときて、
 ありがたくて泣けてしまう。

 菊ちゃんの静御前が、あんまり美しくて品があって、
 あれはなんというのだろう。
 こうして近くで菊五郎の狐忠信を見ると、やっぱり凄い役者さんだなーと実感。
 人ではない、狐の化身ぶりが、怪しく素敵で、びっくり。
 瞳の色が違うような気がする。
 狐っぽい、琥珀色というのか、ガラス玉っぽいというのか。

 幕間に助六のポスターの前で、ほおえ〜と眺めていると、
 後ろから話し声が、
 「この化粧が、また上手い」
 「いい顔してるよな」
 「実になんともいえない助六だ」
 振り向くと、スーツをお洒落に着こなしたおじさまが二人、
 私とそうは違わない、ほええ〜っとした嬉しそうな顔して、ポスターを眺めてた。
 ちょっと笑ってしまう。

 本日の河東節は男性がずらり。
 ムルギランチであまりにも有名な「ナイルレストラン」のナイルさんのお名前発見。
 今月4回観た中では、今夜の河東節が好きだった。
 (日によっては、???な夜もあるにはあった。さすがシロウト衆)
 助六は、もう、ひたすら満足。
 だって、出端がこんなに近くで見られるなんて。
 ぱっ!と傘を開いた助六に、場内から「おお〜〜っ!」とどよめきが起きた。
 けど海老蔵は第一声、鼻声であらら〜と思う。
 この不安定な気候では無理もない。
 気のせいか玉三郎も勘九郎も風邪っぽいような。
 幕内は風邪がはやってるのか?
 
 小さく咳き込みつつ、鼻水たらしつつ、
 それでも江戸一番の男前っぷり!
 その咳の仕方がまた、拍手に紛れるように、コンコンッとするのがね。
 いじらしいぜ。
 
 兄の十郎役の勘九郎に叱られて、言い訳するくだり、
 「口をとんがらかして言い訳する可愛い弟」の図があまりにもよく似合って、
 どうしてくれよう!

 何度も、助六と目があったような気がして、ひえ〜!と思っていたら、
 お隣の方も、終演後に、
 何度か海老蔵がこっち見ましたよね?と興奮気味に話しかけてきて、
 そうか、やっぱり私だけの思いこみじゃなかったのだな、とほっとした。

 テレビの収録には
 あの鼻水助六が残るのかな?と思う。

 電車で脱力し、ボーっと余韻に浸っていると、
 隣のダンディなおじさんが、助六は良かったかい?と話しかけてきた。
 昼の部は観たんだけど、夜の部はチケットがとれなくてねえとのこと。
 本当に今月はねえー!と盛り上がる。

 助六をキーワードに、見知らぬ人と今日は随分話した。
 

 助六で頭はいっぱいなのに、来月の大阪、松竹座の事を考えねばならぬ。
 どうか後援会のチケットがとれていますように!
 自分でも電話かけてみたが、三階席しかなかったのだ。
 祈るしかない。

 葛根湯飲んで、寝なくちゃ。


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