なべて世はこともなし
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2004年12月18日(土) 今年の更新終了

…疲れました。ダブリンの気ぜわしさに。


クリスマス間近のダブリンの忙しさにかなり閉口してます。もっと正直に言えば、年々再々人ごみが嫌いになってきて、出きることならイナカで楽隠居したいもんだと思い始めてます。


疲れたといえば、今日、一体自分がどのくらい残業をしたか計算してみました。


1年の合計:425時間


でした。そりゃ、日本で月に100時間サービス残業してる人とかいるらしいですよ。だけどあたしゃ、アイルランドにいるんですよ。それなのに、425時間の残業。週平均50時間といえば大したことないけど、まあ、アイルランドにいるにしてはよく仕事をしたもんだと思います。


というわけで、人口700人のドイツの某村に2週間半ほど行ってきます。探さないで下さい。


これじゃああんまりなんで、ダブリンのクリスマスデコレーションについて、写真を撮ってきました。詳しくは、特別ページをご覧ください。


それでは皆様、よいお年を。来年もよろしくです。


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2004年12月16日(木) にわか平和主義と中指

土曜日のお話。


この日も休日返上で出勤。土曜日の午前9時前のダブリンは未だ眠りについているらしく、静かで往来もほとんどない。私は目を閉じていても運転できるくらいに慣れた通勤路を快適に会社に向かって車を走らせる。緩やかな右カーブにさしかかったところで目に入ってきた異様な光景。


車が燃えている


…それも5メートルくらいの高さまで炎が上がっている。


幸い…と言っていいのかどうか知らんが、どうもこれ、交通事故とかではなく、アホなガキが車を乗り回してこの公園の脇で乗り捨てて火をつけたらしい。フレームの形からして多分ホンダのシビックは完全に炎に包まれている。なのに、消防車はおろか、野次馬のひとりもいない。見たとこ私が第一発見者の模様。


ちょっと離れたところに車を停めて私はふと悩む。


これって消防署に通報すべきなんだろうか。


非常に残念なことに、このjoy riderと呼ばれる車ドロボーはダブリンでは日常茶飯事。このアホガキども、証拠隠滅のためだか知らんが、車を燃やしてしまう。こうして車が燃え盛っている現場に出くわすのは初めてだけど、燃え尽きた車は忘れたころに見掛ける。で、公園の脇ということもあって、延焼の可能性はなさそう。つまり放っておけば、そのうち燃え尽きそう。消防署に電話して「そんなくだらんことで電話すんじゃねえ」とか怒られたらどうしよう。あ、だいたいここなんていう通りだっけ…などとケータイを手に数秒悩んでいたら、パトカーがやってきた。…あ、それなら通報しなくていいや。というわけで私は会社へ。


それにしてもここ数日の通勤はかなり苦痛です。クリスマスが近くなるに近づいて、道路の渋滞が日に日にひどくなっていきます。それだけならまだしも、こう、みんなが殺気立ってるのが手に取るように分かるわけです。ちなみに私は、数週間前の日記で宣言したように、街には近寄ってませんが、通勤でどうしても通過する必要があるのです。とにもかくにもアイルランドの皆様、クリスマスの瞬間だけにわか平和主義者のような顔をしていても、その前の数週間は、道路で他のドライバーに中指を立てているのはいかがなものかと…。








ケータイのカメラで撮影
もうちょっと画素が多いのにすれば良かった


で、今朝通りがかった時に目撃したダブリンバスとトレーラーの接触事故。「接触」と言っても良く見ると、二階建てバスの左側の窓が一番後ろを残してきれいに割れてしまってます。状況から判断するに、渋滞で止まっているバスの脇をトレーラーが写真手前に向かって無理矢理左折しようとして接触した感じですね。どうも、これにも「クリスマス前のイライラ」が原因なのではないか…という気がしてなりません。


とりあえず、皆様、無事にクリスマスを迎えましょう。

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2004年12月12日(日) 情報求ム!スタバがダブリンにやってくる??

読者さんからこんなメールをいただきました。


(ここから転載)

Snigelさんこんにちは。

ビューリーズがスターバックスになるって本当ですか?
(中略)
「詳しくは知らないけどGrafton streetのビューリーズはスターバックスになるんだよねー。」
と言ってました。掲示板にも日記にもそんな話しは見当たらないけど真相をご存知でしょうか?

(転載ここまで)



ホントですか?私が聞きたい…読者の皆様、この真相を御存知ですか?


私がスタバに行ったことがあるのは、人生であとにも先にも一度きりです。NHKから渋谷に向かっていた時に発見したので興味本位で入店。まあ、なんといいますか、カップルばっかりで居心地が悪かったこと(そもそもテーブルが見つからなかった)、コーヒー自体別に取りたててうまくなかったこと(決してまずくはなかったが)そんなわけで私にとっては「特に自分からは行こうとは思わない場所」に分類されたわけです。


まあ、スタバのために弁護しとくと、私、ことコーヒーに関しては完全な味オンチです。ちゅうか、イタリア人よろしくアホのような量の砂糖を入れて飲むので、スタバの味を語る資格はないのかもしれません。


ともあれ、どうもビューリーズがスタバになるというのは話が出来すぎているというか何というか。


こんなご意見も…。


できたらどっと人が押しかけるんでしょうね・・・。
ある意味スタバがないのってすごいなって思ってるのでこのままであって欲しいような。ロンドンとかみるみるスタバだらけになってしまいましたもんね。



私にとってはどーでもいいけど、やっぱりスタバよりはビューリーズがいいかなあ…と思います。


何か情報をお持ちの方はぜひ掲示板(またはメール)にてお寄せくださいませ。あ、「私スタバ大好き」という意見ももちろん歓迎ですよ。


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2004年12月11日(土) 年に1回くらいはいいことを...献血

1週間ほど前に、IBTS(Irish Blood Transfusion Service=アイルランド献血サービス)から、また高飛車な「献血依頼」の手紙が来ました。ごみ箱に直行したのですが、その献血が金曜日でした。金曜日に、移動クリニックがうちの会社の近所にやってきたわけ。あんな高飛車な手紙で人にものを頼むなど論外!…と行かないことを決めてました。


ところが、世の中には優しい人がいますね。私の会社の二つどなりのアイルランド人の女性がそう。献血に行くからと、自分のお昼休みを返上して献血のクリニックに出かけていきました。なんでも「年末にかけて輸血が必要な人がたくさんいるだろうから」って。…いい人だね。彼女は。


ところが、10分もしないで彼女は帰ってきた。


私: 「もう終わったの?」
彼女: 「私、今年タイに旅行したから献血はできないって」



東南アジア=HIV危険地域=献血お断り


という3段論法がどうやらITBSでは成り立つらしい。更に彼女は言うのだ。


彼女:「クリニックはほとんど空だったわ。あれじゃあ血液供給に問題がでてくるかも知れないわ」


…別に彼女はそういうつもりで言ったんじゃあないだろうけど、分かりましたよ。ここはアイルランドのために一針一肌脱いできましょう。

で、何だかんだで忙しかった私は、ようやく午後4時ごろになって仕事を一段落させてようやく移動クリニックへ。


確かに誰もいないわ。


病院の待合室のようにパイプ椅子が15脚程度5列に並べられているがそこには誰も座っていない。奥に見える8つほどの献血用のベッドもひとつしか埋まっていない。


受付のおじさんとすぐに目が合い、おじさんはアイルランドで見たこともないようなスマイルで私に向かいにっこり笑い


「ここに座って」


と彼の向かいのパイプ椅子を勧める。


献血後1年経ってようやく送ってきたドナーカードを見せると、それをスキャン。住所などを確認して、A4サイズの紙にびっしり書かれた問診表を埋めるように言われる。で、家庭医の訪問履歴から、果ては同性愛の経験まで根掘り葉掘り聞かれる問診表を埋める。


その問診表を埋めると今度はその表を元に質問がいろいろ浴びせられる。私の場合引っかかったのが、「過去6ヶ月のうちに外国に行ったことがある」という質問と、「アレルギーの有無」。すなわち、日本に行ったことがあるということと、花粉症があるということ。どうやら日本はITBSの「危険地域」には入っていないらしく、私がロンドン経由で日本に行ったという答えに満足した模様。


それが終わると今度は待ち合いエリアでお茶を勧められる。私はコーラを頼む。ちなみにこの待ち合いエリアには、チョコレートバーやビスケット、お茶・コーヒー・炭酸系飲料がある。なぜか「ダイエット」系の炭酸飲料はない。それを飲んでいるとほどなく献血用のベッドに呼ばれる。


やたらとたくさんネックレスをした、うちの近所のカフェといっしょの名前をした女医さんがさらに血圧を測る。ちなみに私の血圧は「これ以上はない」というくらい正常らしい。


で、採血開始。担当は、私と同い年くらいの看護士さん。この人がまたおしゃべりで、この時は「日本のホラー映画」についていろいろ話した。話しているうちにも、私の血液が体から抜かれ、半透明なパックを満たしてゆく。ちなみに、献血料は一般に1パイント(568ml)と言われているけど正確には450mlだそうな。彼いわく、「ビール一缶(500ml)だね」。私は「北アイルランドのビール一缶(440ml)だね」とツッコミを入れたが。


程なく献血終了。ITBSのステッカーとエンピツ3本をもらって会社に戻り…コドモ扱いだな…会社へ戻り、残業。


ちなみにその日の夜は、メシを作るのが面倒くさかったのでパブへ行きました。で、ビール1杯で酔いました。酔った頭で思い出したこと。


「今晩はアルコールは避けること」

…と言われてたっけ。健康のため、献血とアルコールの摂取には気をつけましょう。


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2004年12月09日(木) 真剣なお願いと君の瞳の中に輝く星

出会い系サイトの迷惑メール。一日数通来て、迷惑な限り。そんな中ひとつ秀逸なものを発見したのでここに晒しあげ。


博美なる人物(pink_hiromi_pink@yahoo.co.jp)より。お題:「お願い」

真剣なお願いがあります。貴方の精子をください!子供が出来なくて困ってます。
絶対迷惑はかけませんので中出ししてください。一回10万円で、妊娠できたら50万円お礼として払います。詳しくはすぐに連絡先を教えます。出来れば本日中に返事をください。

いちよプロフィールも載せておきますね。26歳、160cm-46kg、スリーサイズ《86・60・86》写メ有ります。引き受けて頂けるならここに登録してもらえますか?掲示板で待ってます。名前は博美です。
http://www.19190930.com/(以下略)
お互いの事は知らない方が後々いいと思うし、妊娠した後は連絡を取り合いたくないのでここを利用する事にしました。



…ここまでツッコミ所満載な迷惑メールはそうそうないぞ。思いきり突っ込ませて
もらおう。


子供ができなくて困っている…というカップルは確かに世の中にたくさんいらっしゃいます。そういう人のために「不妊治療」というものがあるわけで。だいたい、相手がいて、その子供が欲しいなら、不特定多数の人間にこんなメールを出すはずもなく...。あ、もしかして、パートナーはいないけど子供が欲しいのかな?


絶対迷惑はかけませんので中出ししてください


私は知らない人と危険な関係を持ちたくありません。子供うんぬん以前に、性病のほうが心配です。ちゅうか、「ならば僕に中出しさせて下さい!」なんて返事をするやつが日本にひとりでもいればそれは十分驚きに値するような気がする。


1919093


…考えることを拒否したドメインですな。ボツ。


ほかにもツッコミ所満載ですが、これだけは突っ込ませて。


妊娠した後は連絡を取り合いたくない


…じゃあ、どうやって50万円を受け取ることができるんですか?


これに騙されるやつが世の中にいるなら、その人は大いに反省すべきだと思うぞ。


「真剣なお願い」=「あなたの精子をください!」って...。これを真剣なお願いと思える人は…。


話は突然変わるようですが、「真剣なお願い」でふと思い出したこと。


Snigel家の新しい同居人のFabian(仮名=フランス人)は目下、彼女、募集中です。勢いあまってすっころびそうなくらいの勢いで彼女を探しています。彼、私と同様非モテ系だからその痛みはよく分かるのですが、彼女って、見つけようとして見つかるもんじゃないんですよね。かくして、彼は、日々のたゆまぬ営業努力にも拘らず、その努力はまったく実を結んでいないわけです。


で、そんな彼と話をしていたら、彼の「必殺の殺し文句」を教えてもらうことに成功しました。彼は、真剣なお願いで女の子を口説く時にこう言うそうな。


君のお父さんは、夜空の星を全部持って行ってしまったんだね。その星は君の瞳の中に見えるよ。









まじですか。私が女なら、その場で笑い転げて少なくとも30分は再起不能な気がする。そういうふうに突っ込むと彼は


「それは日本人がロマンチックじゃないからだ」


ある意味でこの意見には賛成です。逆は知りませんが、日本人の男って、女の子を誉めることをあまりしませんよね。いみじくも「歯の浮くような」という慣用句があらわすように、あまりに嘘っぽいというか、キザなことばというのはお笑いの対象となるわけです。じゃあ、ヨーロッパの人間はこのことばを聞いたらどういう反応を示すのかというのを会社の同僚や友人の女性数人に緊急アンケートを敢行しました。その結果


床で笑う 100%
そのほかの意見 なし



…彼がなぜ非モテ系がなんとなく分かった気がしました。


いや、そんなことはない。そんな甘いことばを一生に一度くらいは耳元で囁かれてみたい…という奇特な女性は作者までメールを。よろこんでFabianを紹介させてもらいます。


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2004年12月07日(火) アイルランドじゃ高嶺の花。スパークリングワイン

ごぶさたしてます。どーもです。いやー、毎日忙しい忙しい。朝の8時から夜の7時まで仕事して、土曜日も日曜日も仕事。今週の土曜日も日曜日も仕事(違法という噂もあるけどまあ働く本人がやむを得ないと思ってるんだからいいよね)。まあ、17日間もクリスマスホリデーを取ってるんだから文句は言えませんが。…というか、会社でも誰からも同情されません。今、自分で休みの日数を指折り数えて気がつきましたが、私、人生ナメてますね。


ともあれ、話は先週の木曜日にさかのぼります。


お昼の弁当のサンドイッチを前日作る気にならず、お昼ご飯がなかった私。やむなく、会社からさほど遠くないところにあるLiffey Valley Shopping Centre(前回「傘ぽん」の撮影をしたショッピングセンター)にお昼を手に入れに行きました。で、Marks and Spencer側に車を停めようとしたものの、駐車場は満車。おいおい、いくら12月になったからって、そんなに木曜日の昼間まで買い物に繰り出す必然性はあるのかよ。


Liffey Valley Shopping Centreの核テナント、Marks and Spencer(イギリス系のお高くとまったスーパー)の中も信じられない人ごみ。そんな中、私は数日前に通りがかって気になっていたスパークリングワインを買うことにする。数日前からセールが行われていて、1本12ユーロのところ2本で15ユーロ。まだドイツとかに比べると高いけど、アイルランドの常識からすれば、スパークリングワインが1本7.5ユーロ(1000円)は安いぞ。しかも試飲もやっている。おねえさんが他のお客さんに接客していたので私は勝手にお盆からスパークリングワインの入ったプラスチック製の容器を取り飲む。うん、悪くない。これが1本7.5ユーロなら何の文句もない。






ところが、ふと気がついたことに、このスパークリングワイン、どっかのインスタント麺ではないが、赤いラベル緑のラベルがある。おねえさんに違いを聞いてみた。


おねえさん:「赤がマイルドで、緑がドライね」
私:「じゃあ、両方試していい?」


と、いくら試飲用の小さい容器とはいえ3杯も飲むと、グラス1杯分くらいになったのではないかな。これだけ飲んで買わずに帰るようなずうずうしさを持ち合わせておらず、しかも、会社から訳ありで数週間前にもらった商品券もあまっているから6本買うことに。6本買うとさらに5%引きだったというのも大きい。しかも、なぜか「本日限り」で、すべてのワインは2割引だそうな。買いです。


で、レジに並ぶこと15分、ようやく私の番がやってきた。サンドイッチ等も買ったけどここでは話しを単純化するために、スパークリングワインを6本だけ買ったことにします。


私の計算では45x0.8x0.95=34.2ユーロのはず。むろんここまで正確に計算してないけど、おおよそ34ユーロくらいと暗算したわけ。ところがレジで請求された金額は27ユーロ。なぜかおおよそ7.2ユーロも安い。感覚的にはさらに1本がタダになった感じ。


うちに帰ってレシートを確認してみた。


スパークリングワイン 72ユーロ
(1本@12ユーロ)
6本まとめ買い-5% -3.6ユーロ
20%特別割引 –14.4ユーロ
2本で15ユーロセール –27ユーロ
お支払額:27ユーロ



…意味不明です。


しばらく考えていたら、ようやくひでかすが答えをくれた。


これ、45ユーロからじゃなくて、72ユーロから20%+5%引きしてくれてるね。で、さらに、27ユーロ引いてるね。だから割引額が多くなるんだよ。


あ、なるほど。ようやく謎が解けた。


ちゅうかさあ、Marks and Spencerさん。安いことに異議はありませんが、フツー、値引きって「他の値引きとは併用できません」っていう但し書きがつくのが当たり前じゃない?そりゃ消費者として何の文句もありませんが、知ってか知らずかだいぶ損してますよ。


で、この話を別の友人にしたら、


「今日、某スーパーで12ユーロの買い物をして50ユーロだしたら41ユーロお釣をくれた」


とのこと。…これまた意味不明。


これらは得をしているパターンですからいいものの、くされTescoのように逆に損をしていることもありますから、スーパーでのお会計は十分ご注意を。


昼休みが終わる直前になんとか会社に帰って、同僚に言われたこと。


「あんた、酒くさいよ」


………確かに顔も心なしか赤い


酔うほど試飲をした覚えはないのですが。でもその後の仕事はなぜかはかどった。


で、このあと、Marks and Spencerで買った新聞を読んで気がついたこと。






Marks and Spencer、本日限りの大セール


…それであんなに混んでたのね。納得。

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2004年12月01日(水) ひでかす、交通事故に遭う

師も走る、師走です。今日のラジオでクリスマスソングを聴いて、なんだか今年も大したことをしないまま終わってしまう気配でちょっと鬱です。


そんな中、ひでかすからSMS(ケータイへのショットメッセージサービス)が入りました。原文のまま紹介します。


Had an traffic accident. I’m not injured. More news later.(原文ママ)


交通事故?…まったく穏やかではありません。こういうことを聞くと、頭の中で勝手に妄想が膨らんで、しまいにゃ、Beaumont Hospitalの救急病棟でギプスで固められたひでかすの姿を想像してしまうのですが、よく考えたらひでかすは「怪我をしていない」と言っていた。


で、夜になり家に帰ってきて、ことの顛末を聞きました。


ひでかす、会社に行くためにミニバス(日本的にいえば「マイクロバス」)の一番後ろ左の席に乗っていたそうな。で、ミニバスは細い道からT字路を右折するために、左右の交通が途切れるのを待っていたそうな。ちなみにこの左右の道は、片側1車線ながら結構な速度で途切れなく車が流れている忙しい道です。


つまり、バイクなんかと違って、出足の悪いミニバスは、誰かが道を譲ってくれることでもない限り、左右両方の往来が運良く途切れるまで延々待つ羽目になることもあります。


で、ひでかすが乗ったこのミニバス、ちょうど右からの交通がほんの数秒途切れます。ただし、ちょっと向こうにはすでにトラックが来ているのでほんの数秒の隙間。そこに、左から来た別のトラックはパッシングをして道を譲るという合図。当然このチャンスをミニバスの運転手さんは逃すはずもなく、さっと右折しようとします。


ところが、左からのパッシングをして道を譲るはずのトラックがなぜか減速せずに突っ込んできます。すでにミニバスは右折を開始しており、衝突は不可避。しかも、このままだと、ひでかすが乗ったバスの左後ろから衝突することになりそう。


さすがに人生が走馬灯のごとく流れるということはなかったそうだが、それでもそのほんのコンマ数秒は本当にゆっくりゆっくり流れたそうな。まず、ひでかすが思ったことは、「このままだと、顔面に割れたバス後面のガラスが直撃する」。で、その認知に対して彼が取った判断は、「頭を下げろ!」で、その結果の行動として、とっさに隣りの乗客の膝の上に頭を手で抱えて乗せたそうな。その一瞬にひでかすは思ったそうな。


この膝がいけてる女の子のだったらよかったのに。


そう、隣りの席にいたのは、いけてる女の子などではなく、むさ苦しい男だったそうな。ひでかす、人生ってそんなもん…ってそういう問題じゃないだろうに。


そして、ひでかすが万全の準備を整えて、激突の瞬間に備えたその刹那、果たしてミニバスとトラックはぶつかった。ただし、「激突」などではなく、バスの車内に軽い衝撃が走った程度。ガラスが割れることもなかった。


火災を恐れて、ひでかすは他の乗客と避難。車外から事故現場を見ると、思いがけず小さな事故だったそうな。仕方がないから、ひでかすは歩いて会社に行った。


その日の夕方、ひでかすは事故の真相を聞いて脱力をする羽目になる。ひとつ疑問が残りませんか。なぜ、左から来たトラックの運転手は、道を譲る気などないくせにバスに向かってパッシングをしたのか。


その答え。


トラックの運転手は対向車の同僚のトラックの運転手にあいさつをしただけだった。


…ありがちな事故、なんですかねえ。


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