なべて世はこともなし
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2002年12月21日(土) Snigel完全に怒る。なぜ私は未だにダブリンにいるの?

現在、12/21午後8時です。本来であれば、私は今ごろハノーバーに着いているはずでした。が、実際は、ダブリンの自宅でこうして日記の更新を致しております。何があったのか?はい、説明致します。かなり マニアックな話になることも前もってお詫び致します。


話の背景を分かっていただくために。私はダブリン=ロンドン(ヒースロー)=ハノーバーと飛ぶはずでした。まずはブリティッシュミッドランドの時刻表をおさらいしておきましょう。後の話を理解しやすくするためにも目を通してください。


便名 ダブリン(発) ロンドン(着)
BD120 0635 → 0805
BD122 0835 → 1000
BD124 1055 → 1215
BD126 1255 → 1415
BD464 1410 → 1525(臨時便)
BD128 1515 → 1635
BD130 1710 → 1830
BD132 1930 → 2100

便名 ロンドン(発) ハノーバー(着)
BD 815 0705 → 0935
BD 817 1145 → 1420 (12/21運休)
BD 819 1805 → 2035



…というわけで、ダブリン=ハノーバーは


ダブリン(発) ハノーバー(着)
0835 → 1420
1515 → 2035



…実質一日2便です。


どうせ半分の人も読んでないでしょうが、いいんです。今日の日記は とことんマニアックに行くと勝手に決めたので。いただくメール等から判断する限り、実はこの日記の読者さんにはかなり多くの航空マニアが含まれてます。 私は違いますが。違うんだってば。


過去日記に書いた通り、去年、私はクリスマス前の土曜日に同じ区間を同じ時刻表で飛ぼうとして、見事にドツボにはまりました(過去日記をお読みでない方はこの先を読み進める前にまずはこちらをご覧ください)。


で、去年ひどい目にあったんだから、今年は大丈夫だろうと去年と同じダイヤの切符を買いました。で、どうなったかと言うと…


午後2時15分。私にしては1時間前とかなり早めにダブリン空港着。


で、出発のディスプレイを見ると





真っ赤。


…つまり すべての便が遅れてます(ピンボケ陳謝)。


で、ブリティッシュミッドランドのチェックインカウンターは、去年と違いすかすか。


チェックインカウンターで言われたこと。


係:「悪いけどハノーバーまでスルーでチェックインできないからロンドンで新たに搭乗券をもらって」


私は伊達や酔狂で「フレクエントフライヤーカード」を持っているわけではありません。何も知らなければ「あ、そ」で終わりですが、ここは食い下がります。


私:「なんでチェックインできないの?」
係:「ヒコーキが遅れます」



そう、くされブリティッシュミッドランドのチェックインカウンターの兄ちゃん(正式にはハンドリングエージェントのServisairの兄ちゃん)は面倒くさいもんだから「説明しないでロンドンまで行かせちまえ」と思ったわけ。


で、もらったチケットの裏を見るとこんなことを書いたステッカーを貼ってある。


「乗継不能

乗り継ぎは保証されていません。乗客は自己責任で旅行しブリティッシュミッドランド社はホテルや食事やその他の費用の責任を負いません。」



そう、この兄ちゃんはそんなステッカーを貼ったことを一言も言わないのだ。で、「搭乗券はロンドンでもらってね」なんてほざいているわけ。


私はこの瞬間にキレた。だけどそれを態度には示しません。


私:「どういうこと?」
係:「ロンドンが悪天候のためダイヤが乱れてます」
私:「どのくらい遅れるの?」
係:「1時間30分くらいです」



はい。上の時刻表をおさらいしましょう。BD128→BD819のロンドンヒースローでの乗換え時間は90分。乗換最低所要時間(ミニマムコネクションタイム)はターミナル1→ターミナル2で75分。つまりヒコーキが定刻通りに着いてもかなりぎりぎり。ましてやヒコーキが1時間30分も遅れたら絶対の確率で間に合いません。そういう重要なことを一言も言わずにこのチェックインカウンターの兄ちゃんは私をロンドンに行かせようとしたわけ。私がキレるのも分かるでしょ?


私:「間に合わないじゃん」
係:「発券窓口に行って問い合わせてください」



どう見てもこの兄ちゃんは役立たずだったので私は発券窓口へ。


私:「かくかくしかじかなわけ。どうしたらいい?」
係:「明日のヒコーキに再予約(リブッキング)してあげるよ」
私:「明日何時に着くの?」
係:「今日と同じ時間(BD 819 便2035着)」
私:「遅すぎる!」
係:「でもBD815もBD817も満席」
私:「ハンブルグでもPaderborn(佐賀空港並のドイツのローカル空港)でもいいから今日中に着けない?」
係:「うーん、20時発のハンブルグ行きがあるけど…満席」
私:「16時の(直行のルフトハンサの)フランクフルト行きには行き先変更(リルート)できない?」
係:「その場合は新しいチケットを買わなきゃダメ。ただねえ、ロンドンが悪天候のため全部の便が遅れてるから、うまくすればロンドンで乗り継げるかもよ」
私:「だったら、ロンドン→ハノーバーの搭乗券をくれ」



本当にマニアックな話で恐縮ですが、ロンドンヒースロー空港、ターミナル1→ターミナル2への乗り継ぎ時には「フライトコネクションセンター」を使います。このフライトコネクションセンターへ行くには次の区間、つまりこの場合ロンドン→ハノーバーの搭乗券がないとこのフライトコネクションセンターには行けない。ロンドンヒースローで新たな搭乗券をもらうには最低30分はかかる。そう、この辺まで計算をして「搭乗券をくれ」と言ったわけ。


で、係の兄ちゃんは内線でチェックインカウンターに電話して、何とかならないか交渉。が、どうしても何ともならないらしい。


係:「だめだねえ。じゃ、ロンドンにテレックス打ってあげるよ」
私:「なんて?」
係:「『このPAX(乗客)は走ってハノーバー行きに向かってます』って」



どうせテレックスなんか読んじゃいないと思いつつも、うまくすればハノーバー行きが遅れるかもしれないし、うまくすればハンブルグ行きに乗れるかもしれない…というわけで、私はロンドンまで行ってわずかな可能性に賭けてみることにした。


というわけで、テレックスを打ってもらい、私は暇なので空港内をぶらぶら始める。ふと思いついて、ケータイでブリティッシュミッドランドの予約センターに電話してみる。これ、覚えておきたいテクです。空港がダメでも意外と役に立つ時があります。


私:「ハノーバー行き(BD819)は遅れそう?」
おねえさん:「いえ、定刻通りですね」



わずかな望みも絶たれる。


ついでだから明日の状況も聞いてみた。


おねえさん:「BD815は完全に満席。BD817はビジネスに若干残り。BD819はエコノミーにも若干の空席ありですね」


次に目についたのは「到着便案内」の画面。





…この惨状。折り返し便の到着予定は1時間50分遅れ。…つまり遅れは最低2時間になるわけ。つまり私のロンドン到着は早くて18時30分。こりゃもし飛んだら、ヒースロー空港で一晩明かす羽目になるわ。


と言うわけで、発券窓口に戻り、明日のヒコーキに再予約してもらうことに。


係:「じゃあ0835 発のBD122 に再予約…」
私:「悪いけど信用できないから0635発のBD120 にして」
係:「ええ?大丈夫ですよ」
私:「いいからBD120にして」



そう、私は予約センターにロンドン→ハノーバーの状況が悪いことが分かっているのでできるだけ早くロンドンについて早めに席を確保しようという作戦に出たわけ。口が酸っぱくなるくらい言っているように、アイリッシュの言う「大丈夫」ほど大丈夫でないものはありません。


というわけで、明日のBD122(ダブリン0635発)とBD817(ロンドン1145発) に再予約してもらう。


私:「明日の搭乗券は今もらえる?」
係:「無理」
私:「シートアサインはできる?」
係:「できない」



もうすでにブリティッシュミッドランドも神をも信じない私。某裏ルートを通じて(ひでかすではない)BD817とBD819の本当の空席状況を調べてもらった(午後7時現在)。


BD817 C2 Y0
BD819 C6 Y5



…何のことだかわからんという方、要は両方オーバーブッキング(シートの数以上にチケットを売っている)しているんですよ。特にBD817に関しては絶望的です。だってまず間違いなく、朝一便のBD815便に乗れなかった人間が流れてきますから。ただ、私の手元のチケット、ブッキングステータスはOKなのでまだ救われてますが。


と言うわけで私は果たして明日ドイツにたどり着けるのか。続く。


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2002年12月20日(金) 今年一年ありがとうございました

今年の更新は今日が最後です。…ちゅうかこんなことしてないでさっさと空港に行かねばならないのだが。


12/14以降にいただいたメールに関しては申し訳ありませんがお返事ができてません。年内にお返事ができそうにありませんのでご質問の合った事項の要点のみここに書かせていただきます。


質問(1)アイルランドの結婚式、プレゼントにあげてはいけないものはあるのでしょうか。


いろんな人に聞いてみましたが、どうやらないようです。そりゃ常識で考えておかしいものはダメでしょうが、とくに「これはタブー」というものはないようです。あげたいものを上げて大丈夫です。


なお、結婚式はふつう教会で身内のみで済ませて、あとはホテル等の会場で大々的にパーティをするようです。正直に白状すると私は一度しか結婚式に招待されておらず、しかも行かなかったのでよく分かりません。ご存知の方、掲示板でフォローお願いします。


質問(2)アイルランドのケータイ事情について


日本の5年前に酷似しています。ほんのつい最近、「カメラ付ケータイ」が発売され、クールだと話題になってます…ちゅうことはまだ全然普及していません。


こちらのケータイは日本の「情報端末」という考え方ではなく、「電話」としての機能を重視しています。一時期Wapというインターネットにも接続できるケータイがありました(今もあります)がまったくハズレでした。というのも、白黒の画面に遅い通信速度。さらにはコンテンツなし。私のケータイもいちおうこの機能がついていますが、未だに使ったことはありません。


半面、着メロをダウンロードする人は多いようです。ただしインターネットからではなく有料ダイヤル(日本的にいえばQ2)から。


ケータイのメール機能、こちらでも使われています。SMSという方式で基本的に450文字まで。一回10セント程度。海外に送る場合は20セントかかります。


さてさて。今年もいよいよ終わりという段階になって鳴かず飛ばずのアイルランド真実紀行、ひとつの目標を達成しました。


その目標とは、ここをクリック


…というわけで来年もよろしくお願いします。次回更新は、たぶん元日です。少し早いですが、皆様良いお年を。



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2002年12月19日(木) Walkersのポテトチップス、大ボケ味付け忘れ事件

今年も残すところ後わずかです。来週はクリスマスの週ということで、会社は半分以上の人間が休みです…かく言う私も休みの中のひとりなのですが。気の早い人間は明日、金曜日も年休を取ってどこかに行ってしまうようです。


というわけで、課内のメンツが揃っているのは今日が最後ということで、業務をちょっと早く午後4時に切り上げて、社内で部長がワインを持ち込んでちょっとしたパーティーをしました。さすがアイルランド。社内に部長自らワインのボトルを持ち込んでます。


で、たった2杯飲んだだけで私はなぜか酔ってしまいました。


まずい。


とってもよくない。



ご存知の通り、私はかなりいい加減な性格をしています。が、ゆいいつ、飲酒運転だけは誓ってしないようにしています。これ、私のコドモ期の体験によるものです。


あれは忘れもしない…ええと、小学4年生か5年生だった頃。私の当時の友人の父が「海に連れていってやろう」ということで海に行ったのです。で、私を含めコドモ3人は、海を満喫しました。


その間、くだんの友人の父は何をしていたかというと…飲んでました。今にして思えばとんでもないやつです。


さあ帰ろうという段になって私たち3人は友人の父がぐでんぐでんに酔っていることに気がつきました。が、イナカのこと、バスも列車もありません。選択の余地なくその友人の父の乗る車に乗ったのですが、ちょっとした修羅場体験になりました。


この道、私が数週間前の日記に書いた「水上路上教習事件」と同じ道。リアス式海岸のため、海岸部をつづり折れのカーブが連続していたり、トンネルがあったりとなかなか変化があって楽しい道です。天気が良ければいいドライブコースです。ただしヨッパーの運転には最悪の道ですが。


で、出発してすぐこの国道に合流するのですが、まず左右確認をせずに丁字路から飛び出し、さらにヨッパーのやることは意味不明です。トンネルの出口でウィンカーを出したかと思うと、突如スピードダウン。さらには蛇行運転。そう、後続の車から見ればあからさまに飲酒運転。


で、いろいろ恐い思いをしたのですが、一番恐かったのは直線で突如スピードを上げて対向車線にはみ出して、そこに対向車のトラックが来た時。…を予感しました。あの時は。何とかぶつからなかったので、今こうやって日記を書いているわけですが。


で、30分ほどの崖っぷちの旅行ののちようやく友人宅に到着。友人はたぶん本気で恐かったのでしょう、出てきた友人の母に


「ママー」


と言って泣き出してしまいました。小学校5年にもなってそれはないだろうと思われますが、それくらい恐かったのでしょう。私にとってもその光景が妙に印象強く残っています。そののち友人の母が父に食いつかんばかりで怒鳴り散らしてましたが、本人はほろ酔いで気にしてない模様。まあこんな人でも地元ではけっこう社会的地位の高い仕事をしているのですから驚きですが。


もっともこれだけではありません。私の家族はスピード違反・一時停止義務違反など「違反の総合商社」(免停のハクつき)でしたが、飲酒運転だけは絶対にしませんでした。子供心に、飲酒運転はいけないんだなと教わったわけです。


閑話休題。かくして飲酒運転が大嫌いな私。まあワイン2杯なら…などとは言わずに徒歩でジムに向かいました。で、酔った状態で泳いで、ついでにサウナに入ったらすっかり酔いは冷めました。


それにしてもなぜワイン2杯程度で酔ったのか謎です。結構体調とかに左右されるのは分かるのですが。昼間飲む酒の方がまわるのが早いのはなぜなんでしょうね。


さて。話は例によってあさっての方向にぶっ飛ぶのですが、最近、とんとポテトチップスというものを食べなくなりました。昔は湖池屋のポテトチップスが大好きで、アイルランドに来てからも結構食べていたのですが、最近はほとんど買いませんし食べません。特にこっちでいちばん一般的な「チーズアンドオニオン」とか「サワークリームオニオン」とかそういうのがあまり好きではないのです。やはりポテトチップスといえば「塩味」でしょう。なのに。アイルランド人はあまり塩味がお好きでないようで。私が買うとすれば、Walkers社の塩味のポテトチップスです。


で、そのWalkersのポテトチップス。日本に行く直前に珍しく「Prawn Cocktail味」(何と訳すべきなのか私には皆目見当がつきません)を会社の近所のSparで買い、会社で袋を開けました。最初の一口


ん?


味がない。



もう一口食べてみましたが、やはり味がしません。そう、何を間違ったかWalkers社はポテトチップスの味付けを忘れた模様。ポテトチップスって味付けを忘れるとただの油の固まりです。はい。


袋を何気なく見てみると「製品にご不満の際は外袋と中身を弊社宛てにご返送ください」と書いてある。日本と同じ。考えてみると、日本でも「弊社宛てにご返送」などしたことないから、ちょっと茶目っ気を出して「弊社宛てにご返送」してみることにした。


私のとなりの席に座るプロサッカー選手Andrewと「もしかしたらポテトチップス1年分とかくれるかなあ」などと調子のいいことをほざきつつ、私はわずか2分でさっと手紙を書き、ポテトチップスの中身ごと社用封筒に詰めてイギリスのWalkers社に送ってみた。


Walkersの対応は迅速だった。私が日本から帰ってくると、さっそく返事が来ていた。「ポテトチップス1年分」を期待していた私の前には薄っぺらい封筒が一枚。


中には「教えてくれてありがとうね」という感謝の手紙と、その裏には5ユーロノートがホッチキスで留めてあった。


現金をいくら少額でも普通郵便で送るなよ。しかも現金をホッチキスで留めるなよ。


まあ迅速に対応してくれたのでいいとしよう。


さあ、今年も更新は多くて後2回でおしまいです。最後までよろしくです。



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2002年12月18日(水) AIBのクリスマスパーティーに潜入した男の話

クリスマスパーティーシーズンもたけなわです。今日もあっちのホテルで、明日もそっちのパブでパーティーが催されています。日本でも「忘年会」シーズンなことを考えると、人間の中には一年の終わりにパーティを開きたくなるDNAが組み込まれているのかな…なんて思いますが。


で、私の友人のアイリッシュのPaddy(仮名)も御多分に漏れず、毎日パブで飲み歩く毎日。私にはキリストの誕生日と毎日飲みに行く必然性とがどうしても繋がらないのだが、アイリッシュはそういうふうに考えないらしい。


で、彼が飲んでいたパブ。階上では貸切パーティーが開かれていた。こそっと潜入すると、食べ物はあるし、みんな元気良く踊っているしなかなかいい感じ。で、中にいる人に聞いてみた。


Paddy:「これはどこの主催のパーティ?」
参加者:「AIBだよ」



AIBはBank of Irelandと肩をならべるアイルランドでもっとも大きい銀行の一つ。それはそれはということでPaddyは彼の友人とそのパーティーに潜入することにした。


中に入ると、おお、結構かわいい子が踊っているではないか。


彼は何気なくいかにも自分がAIBで働いているような顔をして食べ物に手をつけ、ついでに踊る。


するとAIBの従業員と思われる人が話しかけてきた。


社員:「君はどこの部署に勤めているの?」


Paddy、一瞬答えに詰まるが…


Paddy:「ああ、ボク、Ballsbridgeのオフィスにいるんだけど…(作者注:Ballsbridgeには何をしてるかは知らんがAIBの巨大なオフィスがある)」


社員は怪訝な顔


「ええ?IIBはBallsbridgeになんかオフィスはないよ」


…そう、彼がAIB主催と思っていたパーティーは実はIIBという全く別の会社主催だったのです(IIBがどんな会社か私に突っ込まないように)。


ちなみに、彼は嘘がばれた後も平気な顔してパーティーに潜り込んでいたそうな。こんなすばらしいアイルランド人の友人を持って私はシアワセです(なぜか涙目)。



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2002年12月17日(火) 書きたいことがなかったのでただだらだらと書いた意味のない日記

ドイツ語のレッスンで、ベルリンについて話をしています。ベルリン…ドイツに10回、いや20回か下手をしたらそれ以上行ったことがあるのに行ったことがないんですよね。かねがね行きたいとは思っているのですが。


で、独訳の問題で、「ベルリンにはXXで行きます」という文を作った。バスでとか電車でとか。そこで私はふと思った。


「ん?ベルリンはEUの首都の中で唯一ダブリンから直接ヒコーキで飛べない首都ではないか」


ロンドン、当然行けます。ローマ、エアリンガスが飛んでる。オスロ・ストックホルム・コペンハーゲンはSASでカバーされているし、ルクセンブルグですらLuxairが飛んでいる。ヘルシンキにも(ストックホルムで1ストップながら)フィンエアが飛んでいたはず(確認してませんので間違ってたらつっこんでください)


私は別にお得意のヒコーキネタに持ち込むつもりはありません。言いたいことはベルリンはちょっと例外的な街だといいたいのです。下手をするとうっかり「フランクフルトはドイツの首都である」と言ってしまいそうになるのはきっと私だけではないと思う。


その理由は誰もが知っている。冷戦と東西ドイツの分断。ベルリンは実に長い間壁によって洋の東西を分断されていた街。その壁を越えようとして多くの人がなくなったことも周知の事実。たった13年前の話なのだ。ベルリンの壁がなくなったのは。


高校の歴史の授業でカメラのフィルムケースにはいったコンクリート片を歴史の教員に「これがベルリンの壁の一部だ」と見せられ、まだ見ぬ外国に思いを寄せたのがたった12年前。まさか自分がドイツ人の彼女を持つことになるとは夢にも思わずいつもドイツ語の授業で居眠りをしていたのが9年前。そう


人生何がどうなるか分かったもんじゃない。


ホントですよ。もし今自分がドイツ語で悪戦苦闘する羽目になることを知っていたら大学のドイツ語の授業で居眠りなどしているはずはなかった。ましてやC(単位が認定される最低評価)など取るはずもなかった。


Mausi(彼女の名前=仮名)には口が裂けても言えない事実です。私が大学の時に第二外国語としてドイツ語を選択していたこと。きっと信じてくれないだろうなあ。まったく勉強をしない大学生など。


こう考えると、自分の10年後がどうなってるか、まったく想像もつきません。自分がどこにいるかすら想像もつきません。それでも案外このホームページはだらだらと続いていたりして。



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2002年12月16日(月) 恐怖。仮免許で一生運転できるアイルランド

アイルランドの交通規則を語る上でどうしても外せないもの。それはProvisional Licence(仮免許)。


日本で言う仮免許は、教習所で一定の教習を終え、ある一定の技能を持った者が路上で運転の練習をするために発行されるもの…だと思います。まあこういう書き方をするとアイルランドの仮免許も同じといえば同じです。


ところがアイルランドの仮免許は、なぜか有効期間が2年。この間、(例えば乗用車なら乗用車のカテゴリーの)免許を持った人が同伴していれば、路上を走ることが出来ます。で、この「2年間」という期間が実にクセモノでして。だって2年ですよ。2年。そんなに長い期間運転できるなら、別に本免許を急いで取る必要はないじゃないですか。


で、2年以内に本免許の試験に落っこちるなどして本免許が取れなかった場合どうなるか。これがミソ。


さらに2年間の仮免許期間が延長されます。


で、その2年間でもさらに免許が取れなかった場合。テストに受からなかったことを証明すればさらに2年間延長できます。


…本免許を取る必然性がないじゃん。


まあ不便な点を強いて上げれば誰かが同伴していなければいけないという点。ところが、最初の2年間を除けばひとりで運転してもいいのです。


…本免許を取る必然性が全然ないじゃん。


…と言うわけで、言い方は悪いですが、本免許を取れないのに路上をひとりで運転しているという狂暴な運転手がアイルランドには多数存在します。そんな運転手がイナカ道を100キロ以上のスピードでぶっ飛ばすのですから事故が多くて当たり前です。自動車保険が高くて当たり前です。


そんなLドライバー(仮免許保持者をこう呼びます。LはビックのLではなくLearnerのL)を横に乗せていた時の話。彼女は左の標識を見てひとこと。


なんでここでピクニックをしちゃいけないのかしら。


アイルランドにお住まいでない方のために解説すると、これは「高速道路(としての規制区間)の終わり」です。この標識は私が知る限りヨーロッパ内共通のようですが。ですが、決して、テーブルとベンチではないのです。


…ちゅうかあんた一生免許取らない方がいいよ。マジで。


そう言いたいのを必死でこらえました。


こういうマジボケって、どう対応していいのか困りますよね。笑い飛ばせれば楽なのですがそうすると彼女が傷つくし。


そういえば私がまだ純情なイナカの少年だった中学生の頃。場所は社会見学の途中の貸切バスの中。郡部に住む私たちは同じQ州の片田舎にしてはちょっとは発展している某市にやってきました。ちなみにあちこちうろうろするのがその頃から趣味だった私はその某市もよく知っていましたが、中にはイノシシが出没するとんでもない山奥に住んでいる女の子も同じクラスにおりまして(いったいSnigelはどんなとこに住んでいたんだろう…)。彼女、通路を挟んで私の反対側の席に座っておりました。


で、彼女の側にででーんと現れたのは


白亜のお城。


別名ラブホテル


ほら、イナカの方に行くと、高速のインター界隈にラブホテル街があるじゃないですか。それもなぜだか自由の女神がでーんと建っていたりとかやたらとメルヘンチックな建物だったりとか。で、そのラブホテルも例外でなく、(たぶんハリボテなんだろうけど)国道から見ると白亜のお城。なんだか意味もなく目立ちます。


で、彼女、とっても明るい性格をしておりまして、ついでに良く通る声を持っておりました。で、バスの中に響き渡る大声で(本人は隣りに座っている女の子に話しかけているつもり)


彼女:「ねえねえユウコー、あの建物なーに?」


隣りに座るユウコは小声で…


ユウコ:「ホテルよ。ホテル」


すると彼女は心底感心した声で


彼女:「ええ?あれがホテルー。私あそこに泊まりたーい」


バスの中の空気が凍りつきました。その後誰かが彼女に真実を教えてあげたのか(まあ、ユウコの言うとおり「ホテル」というのが真実なんだけどさ)、それは私の記憶には残っておりません。そんな彼女も風の噂では、親方日の丸の官公庁に就職、結婚後もバリバリのキャリアウーマンとして働いているそうな。



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2002年12月15日(日) あの「良品計画」がダブリンに進出

土曜日。ダブリンバスのおかげですっかり書き忘れてましたが、新しい店を見物に行きました。その名は


無印良品


西武グループのおなじみの「無印良品」という名のブランド。ロンドンにあるのは知ってましたが、何を血迷ったかダブリンにまで出店。


問題の店はダブリン一の繁華街、Grafton Streetからわずかに入ったところ。店自体は推定50平方メーターのフロアがふたつ。平たく言って狭い。日本の平均的な無印良品の店舗の売場面積の半分くらいと推定される。


中に入ると不思議な感じがした。自分がどこにいるのか分からない。中には小柄な日本人女性店員がおり(たぶんバイヤーさんではないだろうか)、しかも商品はすべて日本語で表記されている。なんとなく自分が西武百貨店かどこかにいるような錯覚を覚える。


で、品揃えは、なんとなく雑貨が並んでいるが、売場面積の制約のせいもあってか少し物足りない感がある。とはいえ、無印がダブリンにもあるというのは驚きとしか言いようがない。


もしかしたら土曜日に無印で働いていらした女性がこの日記をお読みなのではないか…ということをちょっと恐れつつ、一言だけ言わせてくださいませ。


高い。


高すぎる。


陳列線の話じゃありません。値段の話です。


そもそも日本の無印もそんなに大きな値ごろ感はない。「無印」という名のブランドゆえ、値段は決して安くはないものの、高くはない。そういう微妙な価格設定。


たとえば「押入収納ケース」


日本のスーパーの特売なら980円程度で同等品が買える。無印では1200円。スーパーの特売の方が安いがとはいえ無印はいつ行ってもその商品がその値段で売られているという安心感がある。で、ある意味日本の文化といっていい押入収納ケースをダブリンで売りはじめたその事実には敬意を表する。


だけどさあ、日本語で思い切り1200円と書いてある商品を39.95ユーロ(4800円程度)で売るのはちょっと…。そりゃ、関税に輸送費その他がかかるのはよく分かる。だけど日本で1200円で売っているとわかっているものを40ユーロで売られても…残念ながら買う気にはならないです。


この価格設定はほぼすべての商品にあてはまり、だいたい日本での価格の2−4倍の値段が設定されている。これじゃあダブリンの人たちもものめずらしさはあっても買う気にはならないような気がする。


そもそもこの店は誰をターゲットにしているのだろう。ダブリン在住の日本人とすると客数が(ロンドンなどに比べると)あまりに少なすぎる気がするし、地元の人間となると、たぶん値段が高すぎて手が出ないような気がするのだが。


無論天下の西武はちゃんと考えて出店したのだろうから私などの心配は全く的外れなのでしょうが、さあ、どうなりますやら。まあ、うちのビジネスパークの何も考えずに出店したとしか思えない家具屋もまだ続いているから案外うまくいったりして。

無印さん、セールのときは掲示板に告知入れてくださいね(はあと)。



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2002年12月14日(土) アイルランド人のいい加減さを象徴するダブリンバス値上げ騒動

土曜日。いやいや町に行ってきました。だって混んでいるのは火を見るより明らかだし、天気だっていつ雨が降り出すか分からない心もとないもの。それでも行かなければならない理由とは…髪。


私がお世話になっているヘアドレッサーの女性、どうも12月という季節がら(みんなパーティーに行ったりでファッションにとりわけ気を使う季節)のせいか、予約が取れない取れない。「お前はいつからカリスマ美容師になったんだ?」とか嫌味を言いたくなるのを必死にこらえつつ、ようやく取れた予約が土曜日だったというわけ。


まず行く前に悩んだ。車で行くべきかバスで行くべきか。車で行くと混んでいるので駐車場が見つからないだろうし、駐車料金だって馬鹿にならない(1時間2.5ユーロ程度)。だけどいつ雨が降り出すか分からないような天気(いつものことだけど)…。


悩んだ挙げ句に結局バスに乗ることにした。


久しぶりに行くバス停。程なくバスはやってきた。運転手はお金を払おうとする私にひとこと…


「今日は80セントだよ」


ほう。最近1.2ユーロに値上げしたばかりのはずの運賃。そっかー、今日は町が混むから少しでも自家用車の利用を減らそうと、バスの運賃を下げたわけか。ダブリンバスもたまに心憎いことをするじゃん。


…そんなふうに一瞬でも思った私は大タワケでした。


調べてみたところこの「特別運賃」にはとんでもない裏がありまして。


ことは11月の半ばにさかのぼります。アイルランドの政府がC.I.E(アイルランドの公共交通機関の元締め)に対し、10%ちょい(正確には覚えてないけど13.5%とかだった気がする)の運賃値上げを許可したわけ。で、バスエーランやアイリッシュレールとともどもダブリンバス社も運賃を12/2に改訂(値上げ)。具体的には下のようになった。


今までの運賃→新運賃
0.75→0.9
1.05→1.2
1.3→1.6
(以下省略)



ところが、この値上げ幅、上の例だと1.05ユーロが1.2ユーロになったのを除き、値上げ幅が政府の認可しが幅を上回っていたのだ。


ほとんどコントの世界です。経営会議か何かで


社員A:「政府から値上げが認可されたぞ」
社員B:「なら75セントの運賃は85にすべえか」
社員A:「んにゃ、この際だからキリのいい90まで上げちまえ」
社員B:「そうだねこの際」



…などという会話があったかどうかは定かではないが、とにかくどうも何も考えずに運賃を改定したらしい。ところがその運賃は政府に認可された幅を大きく上回っており問題化。


で、運賃値上げが実行されたたった1週間後の12/9。ダブリンバスは運賃値下げに踏切った。


今までの運賃→新運賃→新・新運賃
0.75→0.9→0.8
1.05→1.2→1.2(変化なし)
1.3→1.6→1.4
(以下省略)



75セントの運賃、実は85セントでも認可された値上げ幅を上回っていたらしく、80セントまで値下げ。15セント値上げの予定が5セントの値上げと17%の値上げが6%までに圧縮化。


現場がいかに混乱したかは想像に難くない。ある日突然75セントから90セントに値上がりした運賃が、わずか1週間で80セントに値下げ


アイルランド人のいい加減さを証明するこの上ない好例です。


…ちゅうわけで、乗客の不満を少しでも逸らすべく、クリスマス前の2度の土曜日、ダブリンバスは運賃を一律80セントにする「お詫びセール」を行ったわけ。


ダブリンバスの運賃の話が出たついでに書いておきますが、現在、空港からダブリン市内までのアクセス、バスの種類が増えた半面、とんでもない暴利な運賃をむさぼっております。


現在、空港からのローカルバス以外では昔からある市内への急行バスAirlink、ブルーの観光バス型の車両でBallsbridgeあたりまで運行されるAircorch、DARTのHowth Junction駅まで運行されるAerDARTの3種類が主にあるのですが、なぜかこれらの運賃はどれに乗っても片道5ユーロ。これこそ日本で言えば「公正取引委員会」あたりがカルテルだなんだと怒ってしかるべき横並び運賃。この5ユーロでBrayまで行けるのですが、半面、町まで行っても5ユーロ。数年前に比べほぼ運賃は4割増になってます。


ダブリンに数日滞在される皆様、ダブリンバスに乗り放題のRambler Ticketをオススメします。これ、空港内のC.I.Eのオフィスで(オフィスが開いていれば)買えます。一番いいのは5枚綴りの一日券が一枚づつにばらせる(つまり友人なんかとも使える)Rambler Handy Pack。これ14ユーロです。Airlinkにも乗れます。


…そういえば土曜日に街に出かけた話をしてたんでしたね。すっかり話がそれたけど。で、まあ、町は…混んでました。疲れ果てただけでネタになるようなことはありませんので省略。



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2002年12月13日(金) 下手なマンガよりおもしろいぞ。アイルランド版、交通の教則

寒い日が続いていますが、皆様お元気でしょうか。Snigel@アイルランド真実紀行管理人です。


いつも寝る時に思うのですが、冬場のベッドって冷たいですよね。せっかくのダブルベッドなんだからだれかかわいい女の子がベッドを暖めてくれないか…とめぞん一刻の五代君並みの妄想(懐かしいネタですね)に浸るわけですが、まあそんな女の子なんていませんね。


私の数少ない経験から断言してしまうと、私より女の子の方が体温が低いです。つまり女の子の方が冷たい。私だけでなく、私の周りの男が口を揃えて言うことだからたぶん間違いないと思うのですが。


まあ「冷え性」などを訴える人は圧倒的に女性の方が多いことを考えるとたぶん医学的な見地からもこれは正しいのでしょうが、それにしてもなんでなんでしょうね。そういう状況で、男が「お前のからだ冷たいからどっか行け」というのと、「冷たいからこっちにおいで(はぁと)」というのではっきり言って二人の関係のすべてが分かりますね。


少年少女にも安心して読んでいただけるサイトを目指すアイルランド真実紀行ですのでこれ以上は話をそっち方向に進展させませんが、「私の体温は彼のより高い」という方、「僕のニョーボの方が暖かい」という方、掲示板で報告してください。たぶんいないと思うので。


日本に戻っていったとある方が私にたくさんの本を置いていってくれました。で、そんな中に混ざっていたのは…


アイルランド版、交通の教則


ご存知の通り、アイルランドは日本やイギリス同様左側通行をする珍しい国。というわけで「アイルランドは日本人にとって運転しやすい国」なんてガイドブックにしたり顔で書いてますが、考えてみると、日本とアイルランドは1万キロも離れているのだから交通ルールは違って当然。かくして、なかなかアイルランド版の「交通の教則」は日本のそれと違って笑えます。.

ツッコミどころ満載のこの交通の法則、私がいちばん我が目を疑ったのは「踏切」の項。



なんでもアイルランドでは3種類の踏切があるそうな。左から「遮断機・ゲートのない踏切」「遮断機・ゲートで仕切られた踏切」「遮断機・警報機付踏切」


ふむふむ。左は日本でもイナカでたまに見る。右は日本中どこにでもある踏切に近いかも。問題は真ん中。「ゲート付き踏切」


そもそもゲートって何よ?ゲートって?たまに見る、文字どおりの「ゲート」??見た感じは標識に出ているゲートそのまんまです。


そう思ってこの項を読み進めていくと、あまりに信じられないことが書いてあったので唖然とする。この項、なるべく忠実に訳してみます。


ゲート付の監視者のいない右のような標識のある(上の3つの踏切の標識のうちの真ん中のやつ)踏切では渡る前にとまること。

・車から降りる
・両方向を良く見て聞き、列車が近づいていないことを確認する
・進行方向手前および奥のゲートが開いていることを渡り始める前に確認する
・渡り終わったら両方のゲートを閉める



ウソでしょ?ネタでしょ?という方のために、そのページをそっくりコピーしてますので興味のある方は画像をクリックして見てください。




私はアイルランドの踏切は止まらなくていいものだと信じていました。なのに、こんなとんでもない規則があったとは。


止まる

車から降りる

両方向の安全を確認する

ゲートを開ける

渡る

ゲートを閉める



日本の踏切で一時停止しなくてはならないことに怒っている日本のドライバー諸氏。こんな国もあるのですから、踏切の手前で一時停止することに文句を言わないでください。もしこれを東京の環八かどこかの踏切でやってたらすごい大渋滞になるだろうなあ。まあアイルランドがのどかなことの証拠になるかもしれない。


そのほかにも驚愕の規則があるようなので、評判が良かったら続きを書きますね。


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2002年12月12日(木) クリスマスシーズン。飲みすぎには御用心

昨夜自宅で日記を書いて、その日記をフロッピーに保存して会社に持ってきた…つもりだったのですが、見事に忘れてきました。で、会社に来てみると、さすがアイルランド、ネタはどこにでも転がっております。


本日。13日の金曜日。…ということとは一切無関係に社内には遅刻者が出ております。クリスマスパーティーのシーズン。盛り上がっているようです。


12月になるやいなや、社内の人間のケータイの呼出音が一斉に変わる。例の小学生が指一本で弾いたような単調なメロディーで、みんなそろってジングルベル。アイルランド人が本当にクリスマスを楽しみにしているのが分かります。


で、クリスマスといえばなぜか飲み会…というわけで、昨夜は木曜日にもかかわらず、たくさんの人が飲みに出かけたようです。


…どうやら私の主任さん(女性)も例外ではないらしい。


まず、電話がかかってきて「30分遅れる」とのこと。9時ちょっと前に出勤してきた彼女はまさに仮死状態。「おはよう」と言ったきり、机に突っ伏してしまった。


その10分後、ようやく顔を上げたものの、完全に目はうつろ、頬杖を突いたままあからさまに何もしていない。仕事にならない様子。


うちの主任さん、きわめて温厚な方で、仕事も丁寧だし、私は非常に評価しているのですが、こんなひとでもこの状態。クリスマスの時期は本当に人を狂わせますね。うん。


ちゅうわけでつなぎ更新でした。今日持ってくるのを忘れた日記は12時間以内にあぷするように努力します。はい。



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2002年12月10日(火) ダブの英語とインド人と間違えられる英語

今週は、コールセンターからオーバーフローしてきたコールをピックアップしつつノーマルなタスクもこなしています。ああ、カタカナばかりだとなんでこんなに反感を買うんだろう。


この日記を書きつつ、いつも上のような必要以上にカタカナを使わないよう心がけています。実際、英語圏に住んでいる、あるいはガイコクに住んでいるものの日記としてはカタカナを使った方が楽な時が多いのですが、そこをなんとか頑張って日本語で表記するようにしています。はい。それでもカタカナ交じりの表現が多いことは承知しておりますが。


いつだったか日本で政治家の討論番組を見ていました。すると誰だか忘れましたが参加者のひとりがこんなことを言ったのです。


「この問題についてはアズスーンアズポッシブルに対応しなければならない」


…うーん、ここまで来たか。と正直思いました。未だにカタカナを使った方が賢く見えると思っている人がいるのでしょうか。そういう目で見ると話題になっていた「道路民営化推進委員会」の最終報告「アライアンス」だの「インハウス」だのよーわからんカタカナ英語が並んでいます。


…最初から話がそれましたが、そうそう、私、今週は通常業務兼電話番(と漢字ばかりでもあまり良くないなあ)という役割分担です。前にも書いたとおり、電話はスーパーのレジと同様に波があり、ある瞬間にどっとまとまった数の電話が来てその後しばらく来なくなる…ということの繰り返しです。どっと来た電話に私が対応しているわけです。


それにしても世の中にはPA(パーキングエリアではなくパーソナルアシスタント=つまりは秘書ね)というお仕事がありますが、このPAもピンからキリまでです。たった今も、「このPAを雇っている人はさぞ大変だろうなあ」ととことん同情してしまいました。何せ話が通じない。人が何回同じことを言っても同じことを聞いてくる。私も同じことを別の角度で何度も説明したのにまだわかってくれない。具体的に書くのもあほらしいので省略しますが、まあ、一を聞いて十を知る人と十を聞いて一を知る人の両方がいますね。かく言う私もたぶん後者なのですが。


で、私のはす向かいに座る女性。年齢不祥ながら推定30代前半。地元、このオフィスのすぐ近所の出身、生っ粋のダブです。…つまりどういうことかというと、


彼女の言っていること、私、未だに半分もわかりません。


とりあえず、ふたこと目にはf**king・f**kingと言っているわけですが、それ以外の話のポイントをつかむのに私は未だに相当苦労しています。で、電話に出ても超強いダブリンアクセントでなんだかああだこうだ言ってます。


そんな彼女が電話を取りました。しばらくして…


彼女:「Snigel、OOがXXして##だというお客さんが電話してきてる。電話代わってもらっていい?」

「OOがXXして##」と表現していますが、実はこれ、内容を書くのが面倒くさいのみならず、いまいち何を言っているのか分からない…というのも実は隠された意味に含まれていたりします。で、私が電話に出るというと


彼女:「彼、英語をあまりよく話さないから気をつけてね」


ほいほい。英語がネィティブではない人もしょっちゅう電話をかけてくる。それ自体驚くには値しないし、彼女もいちいちそんなこと言わなくてもいいのにと思いつつ電話に出ると…


電話の向こうのお客さん:「あー、もしもし、OOがXXして##なんだけど…」


ん?なんじゃい?実にきれいな英語を話すじゃん。確かにドイツ訛りがあるけど、私の英語なんかより100倍はきれい。


この事実から推察できること。この電話の向こうの彼、同僚の彼女の英語に四苦八苦してたんだろうなあ。日本以外で生活されている人、はたまたしたことのある人なら同意してもらえると思うけど、相手の英語を理解することに力を入れると、自分のいいたいことをまとめる暇がなくなったりしませんか?聞くのに手いっぱいになって、話せない。きっと彼にとってもそういう状況だったんだろうなあと思う。


で、この状況を自分に置き換えてみると、よくあるんだよね。ダブリンでも何か言われてよくわからない時。そういう時、相手はややもすると「これだからガイジンは…」といった感じの目で、いわば見下した目で見たりするけど、そういう人は自分がいかにひどい英語を話しているか気がついていない。そう、ネィティブでない私たちがいつでも悪いのです。彼らにとって。


「じゃあ、お前の英語はどうなんだ?」という方。今日、インドネシア人の兄ちゃんから言われた次の一言がすべてを物語ります。


「ん?キミ、インド人?」


フランス人だドイツ人だ言われたことはありますが、インド人は初めてです。


最後に追伸。昨日の世界石油ネタの中で写真のスタンドが3-4セント安いと書きましたが、実際は2-3セント程度です。個人的には「世界石油」という受ける人には大受けするネタだと思ったのですが…無反応のとこを見るとたぶんマニアックすぎたのでしょうね。



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2002年12月09日(月) 「世界石油」をダブリンにて発見?

ユナイテッド潰れてしまいました。そういう噂は確かに9・11のあとからちらほらと聞こえていましたが。私が勝手に日記「潰れます」と予告したエアリンガスは今日も元気で私の予想大ハズレ。まさかと思っていたユナイテッドは倒産。


まあ、9・11が原因には違いないんでしょうが、そのほかにもミョーに組合が強い会社組織、そして何よりもサウスウェストをはじめとした格安の航空会社の台頭も挙げられるんでしょうねえ。そう、価格破壊は世界中で起こっていることなのかもしれません。


価格破壊といえば(はい、ここから今日のネタに入ってます)、町中のDorset Streetにちょっと不思議なガソリンスタンドがあります。



…写真で見る限り小汚いことを除けばきわめてフツーです。このガソリンスタンドをロングでとればよかったのですが、この界隈、ちょっと夜は歩きたくないガラの悪そうなエリアです。向かいには近寄りがたいオーラを漂わせたダブリン県営住宅があります。


で、このガソリンスタンド、そういう立地の悪さにもかかわらず、いつもお客でにぎわってます。まあ、ガラが悪いというのを除けば、実はN1(国道1号線)の延長というのは好立地でしょうし、なにより町中には他にあまりガソリンスタンドがない。そういう利点もあります。


で、私がしばしばこのガソリンスタンドの前を通りながらナゾに思っていたのです。


なんでここ、こんなにガソリンが安いの?





このガソリンスタンド、他のスタンドに比べ、実に3-4セント安い。日本でも地域のほかのガソリンスタンドに比べて3-4セント安ければ十分話題になるでしょ。


いきなり神奈川(および首都圏)のローカルネタになりますが、「世界石油」というガソリンスタンドをご存知でしょうか。ガソリンがリッター100円以上した頃、他よりもはるかに安い値段を引っさげて売っていたガソリンスタンド。個人的には相模原市は古淵の駅界隈にあった世界石油が印象に残ってますが。


ここのアヤシサと安さは他のどのガソリンスタンドとも比べようがありませんでした。まず聞いたことのないブランド「世界石油」。で、スタンド自体も営業しているかどうかよくわからないような小汚さ。とはいえ営業していることは良く分かります。なにせ当時行列ができてましたから。そう、値段を正確には覚えていませんが、確か他に比べてリッター5円とか安かったような気がします。


で、ここに入ると初めての人はまず言葉を失います。


なぜか店員アラブ系の人


なぜアラブ系か良く分かりません。「生産者直売」がコンセプトだったのか(野菜じゃないっつうの)。で、ガソリンを入れるとフツー伝票をもらえますが、ここは違う。そのアラブ系のおじさんが計算機を持ってきて「4200円ね」というわけ。


信じてないでしょ?ホントなんだって。証拠にこんなサイト(このリンクを開いてますは読んで見てください)。


で、これはちょっと行ってみたいという奇特な方。世界石油は現状こうなってます(このリンクもぜひ開いてください)。


…と結局ナゾがナゾを呼んで良く分からないままの世界石油ですが(調べたところ某アングラ系掲示板によれば古淵の世界石油の跡地には一時右系の方の車が駐車してあり、そのあとコンビニになったとのこと)、気を取り直して話は戻ってダブリン。


さすがに世界石油ほどのオーラを漂わせてはいませんが、怪しさ満点。というわけでSnigel、勇気を出して行ってみました。このガソリンスタンドに。


午後7時。4時過ぎには暗くなるアイルランドではもはや当然真っ暗。そんな中このスタンドは薄暗く目立ってません。日本のように煌煌と輝いていません。しかしタクシーはじめ客多数。私の車の給油口の反対側にポンプがある一か所しか空いていなかったので、そこに無理矢理止め車を降りる。


後悔しました。


なんだか知りませんが、ガキがうじゃうじゃいます。ガキだけならいいですが、何ともいえない怪しげ、危険なオーラを感じます。とりあえずドアをしっかりロックして、給油のホースを無理矢理伸ばして反対側へ。


給油完了。


で、お金を払おうと店へ向かいましたが、店はおそらく万引対策で閉まっています。その代わりに小さい窓が開いておりそこで金を払う模様。


たむろしている子供をかき分けその窓へ。


私はいつもエッソでガソリンを入れます。せこい話で恐縮ですが、エッソでTesco(スーパー)のポイントカードを提示すると、1%のポイントバックが受けれます。


さらにせこい話で恐縮ですが、私はいつもアメックスでガソリン代を払います。アメックスで払うと1%のポイントバックが受けれるのです。そう、つまり2%のポイントバック。というわけで、アメックス+Tescoのカードはエッソでのガソリン代の支払いの王道です。


で窓の向こうの店員は定石通り中国人。彼にアメックスを渡そうとすると


「^#$RT@!(^$53)」


何を言っているのかわかりません。どうやらアメックスは受け付けないといっている模様。これが英語だったかそれとも私を中国人と勘違いしての中国語だったかはなぞ。


で、仕方ないので、マスターカードで払い、Tescoのカードを出そうとすると


「^#$RT@!(^$53)」


と再び言われ、受け取ろうとしない。背後になにやら待っている人もいれば、ガキどもも暇そうにこっちを見てるので、小心者の私はまあいいやと思いそのまま退散。


いえ、オチはないんです。すいません。


数日前にタバコ他の税金が上がるというニュースを紹介しましたが、どうやらトラックの運ちゃん等がディーゼルの値上げに反対して、近々幹線道路をトラックで封鎖してストをやるとのこと。運転手さん、できたらうちの前の道でやって私が会社にいけないようにしてくださると嬉しいのですが…。


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2002年12月08日(日) ConnollyまでのつもりがなぜかDundalkまで...

ここ数日日記の更新がおろそかになってます。


忙しかったんです!


…と書いてしまえば一行で話が片付くのですが、それではあんまりなので詳細をレポートさせていただきます。


まず、水曜日。ドイツ語のコースがありました。これはいつものこと。


木曜日。この日記に何度か登場しているアイリッシュのプロサッカー選手Andrewが私に聞くのです。


Andrew:「今日会社終わったらすぐ帰る?」
私:「んにゃ、ジムに行くつもりだけど」
Andrew:(とことん落ち込んだ顔で)「じゃあいい…」
私:「どうしたの?」



何でも聞けば、この日の夜、Dublinから北に80キロほど行った北アイルランドとの国境の町Dundalkにて試合があるそうで、その試合に間に合うためにはConnolly駅から出る列車に乗らねば間に合わない。列車に乗るにはバスでは到底間に合わない。で、誰かそこまで行く人を探しているんだそうな。


彼の話、聞けば聞くほど気の毒です。先日キルケニーまでタクシーをつかった話をしたと思いますが、先週末は先週末で、Sligoで試合があったそうな。で、時間を有効に使うためにSligoまでヒコーキで行くことにしたAndrew。


(土曜日の朝。ダブリン空港の某社のカウンターにて)


Andrew:「Sligo行きにチェックインしたいんだけどここでいいの?」
おねえさん:「Sligo行きはキャンセルになりました」
Andrew:「なんで?」
おねえさん:「機長が病欠です」



…んなことでヒコーキをキャンセルするんじゃない。全日空みたいに自分のとこのホーム空港ではないタイで機長(副機長だっけ?)が酔っ払って他の乗員がいないから出発が遅れた…というのはまだわかる。だけど、あんたダブリンはあんたのとこのホーム空港でしょう?代わりの乗務員くらい用意できんのか


Andrewいわく「いや、あれはきっと客があまりに少なかったから機長が急病ということでキャンセルしたんだよ」とのこと。確かに説得力がありますが。


で、かわいそうなAndrew、駅までタクシーで行ったところ次のSligo行きは午後1時30分。Sligo到着は午後5時前。試合前に疲れ果ててしまったかわいそうなAndrew。「二足のわらじ」を履くのはそうそう簡単ではありません。


で、話は木曜日に戻ります。上のようなかわいそうな事情をよく知る私、彼はなによりいいやつですし放置はできません。というわけでマンネリ化しているジムは延期することにし、彼を送っていくことにしました。で、どうせジムをサボるならということで


Dundalkまで行ってきました。


行きはM50経由で2時間。帰りはうちまで1時間15分。Dundalkくんだりまで行ったんだからそのまま北アイルランドに突入して、Newryでビールを買って帰る(ビールは北アイルランドの方がはるかに安い)のもいい考えと思いましたが、7時にうちの住人(ひでかす含む)をLidlにお連れ申す約束になっていたためDundalk滞在2分でそのままとんぼ返り。


ちなみに、Dublin=DundalkのN1(国道1号線)はアイルランドにしては最高にいい道です。というのもドロヘダの近辺とダブリン郊外のSword近辺を除いてほぼ全線が高速道路になってます。残りの区間も高速道路開通まであとわずかです。


で、この道、オービス(速度自動取締機)が道中数箇所に仕掛けられてあります。私もNewryにたまに行くのでオービスの位置をだいたいうる覚えに覚えています。


帰り道の高速で、「ん?確かこの辺にオービスがあったべえ」と思いスピードを緩めると(名誉のために言っておきますが、そんなに飛ばしてませんよ)後ろから北アイルランドナンバーの車が私をすかさず抜いていきます。次の瞬間


閃光


あ、やっぱりあった。オービス。


今更スピードを落としても遅いのに北アイルランドナンバーの車はスピードを落とし、その横を私は抜いていきましたとさ。嫌なタイプの人間だと自分で思います。ははは。



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2002年12月06日(金) ヨーロッパでは食器用洗剤はすすぐのか??

このホムペ初めていらい初の「インタビューもの」を書いてみました。私の名誉のために言っておきますが、これホントにちゃんとインタビューしたものをまとめたんですよ。結構大変な作業でした。いつもと毛色の違う日記になりましたが、ま、いっか。


「素朴などうでもいい疑問なんですけど、アイリッシュは未だに食器を洗った後の泡流さないでいるのでしょうか?ほんとどうでもよいことですね(汗)アイリッシュの家庭にホームステイしてた時(6ヶ月)病気に
ならないかと心配でした。泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう
んですよ!?」



掲示板でのラファさんの発言。確かに、アイルランドでお茶を飲むと、しばしば洗剤が浮いていることがあるような気がする。体に入るものだけに、本当に大丈夫なのかに気になるところ。


「これ、アイルランドだけじゃなく、イギリスもそうみたいですね〜私も最初なれなくて、皿が鈍い輝きを放ってるとき、たべものがつがれる前に、こっそり袖でぬぐってました。。(これも考えると汚い。。)人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている、と口をそろえますが、どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」


こちらはEmikoさんの発言。そう言われてみると、知り合いのドイツ人も食器は洗剤につけおき洗いをしてすすがない。では果たしてヨーロッパでは食器用洗いの洗剤で洗ってすすがないのが常識なのだろうか?そんな素朴な疑問を会社で同じフロアーにいる30人弱に思い切りぶつけてみた。


案の定といえば案の定、「冷たい水に浸けといて、さっと全体に水をかけておしまい。でももし洗剤が食器に残ってたら気になるかな」と言うアイルランド人女性のLaora。イギリス人のSuzyも「コップとかのガラス製品はすすぐけど後はすすがないわ。でも洗剤をそんなに使わないから洗剤はそんなに残らないわ」と証言。アイルランド人の男3人とアパートをシェアしているというスペイン人のBegona は…「アイリッシュの男のフラットメイトが3人いるけどすすがなかったわ。私が文句を言ったので変わったけど」


ただし、これらの発言で気をつけたいことは、「洗剤が残っていたら気になる」という趣旨の発言をしていること。同じくアイルランド人女性のMoraは「最近は大多数のアイリッシュは食器洗い機を使っていると思うわ。私?もちろん手洗いの時はすすぐわよ。洗剤ってガンの原因になるんでしょ?」と言う。アイルランド人も洗剤が残っていると良くない、ということに気がついているのだと思う。


「私がパリで働いていた頃ある店では洗剤で鍋などを洗って・・そのまま拭いていました。洗い場担当の人がいるわけですが・・。もうそれを見てビックリ仰天。その店はすぐに辞めました。それ以外のパリのレストランはちゃんとすすいでいましたよ。」(掲示板シェフさんの発言)に見られるように、実はフランスでも洗剤をすすがない店・家というものがあるようだ。


ただ、現在自分の店を持ちばりばり仕事をされているシェフさんの見習い時代はけっこう昔のことかもしれないので、現在はこの状況は結構変わっているかもしれない。その証拠に、この日記に数度登場しているプロサッカー選手Andrewは、「すすぐに決まってんじゃん。レストランとかプロは間違いなくみんなすすいでるさ。すすいでなかったら下痢の原因になるじゃん」と言います。


ただ、私の記憶が正しければ一部のB&Bなどでは洗剤の残ったマグにお茶をいれてくれた気がするのですが。これは私の記憶違いか、それとも一部のB&Bは彼の言う「プロ」の範疇に入らないのか。


ちなみに私の知る限り、どこのパブもコーヒーショップも食器洗い機を使っています。パブのカウンターでバーマンの動きを見ているとよく分かりますが、プロ用の食器洗い機は強力です。わずか数分でお湯と洗剤を使い汚れを一気に落としてしまいます。


食器洗い機は一般家庭にも結構普及しています。ちなみにうちにもあります。Derekは「食器洗い機を使うよ。手洗いの時はすすぐかな」と言い、私の直属の上司Christineは「食器洗い機を使ってるわ。手洗いの時は冷たい水ですすぐわ」と言います。食器洗い機の方が楽ですし、何より手洗いに比べて洗剤や水の使用料が少ないらしく、「ドイツでは日本のように流し洗いするのは環境汚染に貢献するようなものだとか」(掲示板H.Tさん)という考え方をしているようです。


じゃあいつも食器洗い機を使えばいい…と言うことになるわけですが、やはりそれだけと言うわけにもいかず結局実生活では食器洗い機と手洗いの併用と言うことになることが多いようです。つまり水を無駄にしないために食器洗い機を使い、手洗いをしなければいけない時は水を無駄にしないようにすすがないというわけ。


そうなるとすすがなかった時の洗剤の残りが気になるわけですが、これに対してはドイツ人のTaniaが答えをくれました。「食器洗い機を使うわ。手洗いの時は洗った後すぐに拭くわ。これで洗剤も拭い取れるでしょ」


…なるほど、言われてみるとドイツ人は食器を洗うとすぐに拭きます。確かに拭き取れば流水ですすぐほどではないにせよ、ある程度の洗剤は拭き取れそうです。


「泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう」(前出ラファさん)ようなことをされるとお茶の表面に洗剤がぷかぷか浮かぶ事態になると思われますが、こうしてふいてもらったりする限りはたぶん気になるほどの洗剤は残らないのではないかと。


が、量に関わらず「ハッキリ言って体にいい訳がない。」(前出シェフさん)と思います。そこで私は知り合いの看護婦、Emmaに聞いてみました。Emmaは「ちゃんとすすいでいるわ。洗剤は確かに発癌性物質(Carcinogen)を含むからすすぐべきよ。」とのこと。


「人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている」(前出掲示板Emikoさん)というヨーロッパの一部の人間が言っていることは間違いで、「日本の洗剤でも(すすがないで放置することは)可能なのかしら?」(掲示板Rommyさんの発言)というのは実は「ヨーロッパの洗剤でも放置してはいけない」というのが答えになるようです。


さらに「日本の洗剤と外国の洗剤と大して違いはない」(前出シェフさん)。ちなみに日本では洗剤の代表的メーカーが「洗剤はすすぐように」とはっきりホームページで公表しています。


Emmaは続けます。「アイルランドでは未だにヨーロッパ大陸で発癌性を疑われて禁止されたMr Muscleという洗剤の使用を認めているわね。」


え?私先週末その洗剤を使って思いきりオーブンをごしごし磨きましたが…。確かにあの洗剤はそりゃもう強力で、オーブンの中の油汚れがおもしろいくらい良く取れること。考えてみると、それだけ強力ってことはその分の副作用もあるわけで。そういえば日本にもありますよね。そういう強力な洗剤。あれも私たちの体や環境に思わぬ負担をかけている可能性は否定できないわけで。


「どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」(前出掲示板emikoさん)そういえば「洗剤は口から入るより皮膚から浸透するほうがより危険」(前出掲示板H.Tさん)という疑問もあります。この点をEmmaに聞いてみました。


「口に入ると消化器官から吸収されるし、手からは血管を通じて血液中に入る恐れがあるわ。でもどのくらいの量をどのくらいの期間使ったら影響が出るかは分からないわ。」


結局行き着くところ、洗剤の毒性は、私たちの体に今すぐ直接の影響があるほどの毒性はないものの、長い目で見た時に何らかの影響があるようです。


まあ、このページははしがない「アイルランド真実紀行」の日記で、決して「買ってはいけない」ではありませんのでこれ以上はツッコミませんが、たしかにこういう問題もたまには考えたいです。


身近なところでひでかす。頼むから洗剤、ちゃんとすすいでくれ…と大いなる環境問題を自分の家の問題にまで矮小してしまうのは、某ワイドショーの司会から降ろされた前田なんとかさんに近いものがあるような気が…。


以上です。編集長。



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2002年12月04日(水) アイルランドの来年度予算発表される...タバコ増税の行方は?

洗剤ネタ、まだ書いてません。陳謝。書くまでは掲示板にお返事ができない...。


訂正です。


数日前にアップしたタバコについてのエッセイのコーナー。タバコの値段が「2ユーロ上がるらしい」と書きましたが、本日政府の正式な発表がありました。「50セントの値上げ」だそうです。現状アイルランドのタバコは5ユーロ(600円)程度なので5.5ユーロとして660円程度になるということですね。エッセイのコーナーにも追記しますが取り急ぎご報告まで。まあ、3ユーロのドイツに比べるとほぼ倍の値段なんですが。


ちなみにタバコ以外の増減税の詳細(予算)も発表されました。詳細は以下の通りです。


• 20 cigarettes to increase by 50 cents
• Measure of spirits to increase by 20 cents
• Stamp duty on credit cards doubles to €40
• €10 stamp duty on Laser and ATM cards
• Alcopops to increase by 35 cents
• Diesel is go up by 3 cents a litre
• Old age pension up €10 to €157.30 per week
• VAT rate to increase from 12.5% to 13.5%
• Road spending up by €209 million to €1.25bn
• GDP growth in 2003 predicted at 3.5%
• Spending will increase by 5.7%


(ネタ元www.ireland.com


酒やタバコを増税してそのぶん福祉に回すというのはどっかの国と全くおんなじ構図です。ただし、道路整備の遅れているアイルランド、道路の予算は一気に5倍になってます。これでダブリン=ダンドークの高速道路も一気に完成するかもなあと期待したりします。


ただ、ひとつものすごく引っかかるのがあるんですよね。


• Stamp duty on credit cards doubles to €40


これ、クレジットカードを持っていると年に一回20ユーロ取られるんですよね。それが一気に倍。40ユーロ。クレジットカード3枚持っている私には痛い。


数ヶ月前の日記で書いたとおり、私、Amexのカード、「1%のキャッシュバック」といううたい文句に乗せられて作ってしまいました。が、考えてみると、1%のキャッシュバックで手数料分の40ユーロを稼ぎ出すためには4000ユーロ、使わなきゃ元は取れないんですよね。うーん、見事にしてやられたという気がします。


それにしてもクレジットカードにレーザーカード(日本で言うデビットカード)の税金だけで130ユーロはあんまりじゃあないですか。アイルランド政府さん。



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2002年12月03日(火) アイルランドでは日本で培った運転の常識は通用しない...ご存知の通り

洗剤の問題。書きかけてますが未完成です(民主党のダジャレ王の議員さんの名前ではない)。明日こそは。


会社の帰りにBlanchardstownにあるLidlにビールを買いに行きました。Lidlは私のお気に入りのドイツ系のスーパー。ドイツ系だからいいのではなくひたすらに安いから好きなのです。ただ売っているものが少ないのですぐにマンネリになりますが。昨日行った理由は単純。週末のBlanchardstown Shopping Centreは混みすぎて近寄れないから。


で、ラッシュアワーのダブリンの割り込む車をよけながらBlanchardstownに向けて進む。途中踏切が1か所あるのですがこの前後も例外なく渋滞。私のいる下り線も上り線も進んでいない。


アイルランド(あるいは私の知る限り日本以外の全部の国)では踏切の手前でいったん停止する義務はありません。が、踏切の向こうも混んでますので私は踏切の手前で止まりました。踏切の中で止まるのは自殺行為です。いくら一日に上り下り10-15本づつくらいしか列車が通過しない踏切としても。


次の瞬間私は自分の目を疑いました。


対向車線の運転手(若い男)、踏切の中に堂々と止まっている。


だれかアイルランドで免許を取得したつわものはいませんか? いったいどういう教習を受けているのか興味があります。


「踏切ではエンストして止まったりしないようにローで一気に抜けろ」


とか習った常識はどうやらアイルランドでは通用しない…のか。


で、話は今朝(実はこの日記水曜日の朝書いてます)に飛ぶ。


暗い中いつもの通勤路をいつも通り走り、ようやくLiffey川を横断する交差点に。ここ一方通行で2車線あり私は右側の車線にいた。信号が青になりゆっくり進みはじめる。目の前には先行車、そしてその車と私の間にはチャリンコに乗った私くらいの男性一名。前の車が混んでいるのかスピードを緩める。次の瞬間…


チャリンコ橋の欄干付近で前の車の後ろに激突。

チャリンコ、私の目の前で思い切り大の字になってコケる。

私の車線見事にブロック。私、行き場なし。



そこそこの車間距離を取っていた私は手前で止まる。私が止まったのは思い切り交差点のど真ん中だがこれは緊急避難。チャリンコを踏み潰すよりははるかにマシ。後ろの車もなんとか私にダイブせずに停まってくれる。


で、私は考えた。後ろからバイクが私の車の脇を摺り抜けたりしたら(バイクのすり抜けは日本同様よくある話)チャリンコは間違いなく轢かれるからここはとりあえずハザードをだそう。


と、ハザードを出して気がついた。


…前の車、逃げちゃったよ。


ええ、そりゃ、チャリンコが一方的に突っ込んだだけですよ。前の車は悪くない。でも事故の当事者が逃げるか…フツー。


幸いといえば幸いチャリンコの兄ちゃんはかすり傷程度だったようでほどなくして起き上がりチャリンコを歩道によけてくれました。あれ、平気そうな顔してたけど疑う余地なくやせ我慢してた。


…というわけでダブリンの車通勤のレポートでした。ね、日本で培った常識って通用しないでしょ。この国では(涙)。



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2002年12月02日(月) じゅるじゅるじゅる

週末にやたら張り切って日記を3連続更新したのであまり書く気がしません。はっきり言って単なるつなぎ更新です。


12月です。師も走る、師走です。


ラジオをつけるとすでに「クリスマスソング特集」なんてやってますね。町も買い物客ですんごいこと…になっている模様。行こうとも思わないので知りませんが。


と同時に、寒いので風邪も流行っていますね。会社内でも

じゅる

じゅる

じゅる

とハナをすする音があちこちから聞こえてきます。日本のようにティッシュが5箱298円ではなくこちらではとっても高いです。というわけかどうかみんなハナをすする(ちがう)。ね、ゴキブリを殺してティッシュ10枚重ねでつまむ…なんてことはまさに究極の贅沢です。きっとそういう訳でアイルランドにはゴキブリがいないんだろうなあ(ちがう)。


風邪といえば昨日ドイツ語のコースにいったのですが、先生が風邪を引いていた。


「ぐーてんあーべーん」

じゅる

「今日は、私…

じゅる

風邪を引いています。

じゅる

ちょっと声が変ですが…」

じゅる

(ここからドイツ語)

「では89ページを

じゅる

開いてください」



で、みんなが89ページを開くと


じゅる

「89ページを開いて…

じゅる

と言ったんですよ」


…そう、何を言っているのかもわかっていない模様でした。自分では98ページと言っているつもりなのに実際は89ページといい自分でこんがらがっている。

風邪には気をつけましょう。

…というわけで明日こそは洗剤の問題を取り上げよう。



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2002年12月01日(日) フォトエッセイ更新

予告してましたタバコの話、エッセイのコーナーに載せましたので、こちらからどうぞ。

ご感想お待ち致しております。



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