馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2006年07月17日(月) 空に心に尾を引いて

海の日です。
横浜の港では打ち上げ花火のイベントがありました。

電車の中は浴衣美人がいっぱい。
華やかだなあ。
なんだ、ここですでに花火は満開じゃないか。

夏の風情、ばんさい。

   ◆

帰宅途中にどぉーんという音をイヤホン越しに聞きました。
笑顔で歌う宇多田ヒカルを休ませて、花火の音に聞き入ります。

駅近くの歩道橋、ここが港がばっちり見えるベストポジション。
いつもはさっさと家路に着くところ、今日は手すりに身を預けて中空を見つめます。
こうして帰路のさなかに花火が拝めるってのは横浜に住んでる者の特権ですな。
わざわざ浴衣着て遠出しなくても、もうそこに花火がある。

どぉーーん。
たまやぁー。

   ◆

見ているのは稲葉だけじゃありません。
ご近所の皆様で歩道橋の上はびっしり。

純粋に花火を見ている家族連れがある一方で、揃って空に携帯を向けている一団もありました。
携帯が普及し尽くした今では何てことない光景かもしれません。
でもちょっと冷静になると、機械を斜め上に必死に皆で掲げているって妙な画に思えます。

そんな小っちゃい画面に見入ってないで、もっと目の前のでっかい花火を満喫すればよいのに。
あっという間に終わっちゃうよ、もったいない。

   ◆

さて花火大会ってやつは終わりがなんとも曖昧なイベントです。

最後に派手な固め打ちがあって、なんとなく終わりは察せるんですが、それでも映画や芝居のようなハッキリとした終わりは存在しない。

終わったかな? と周りがそわそわしだします。
こういう時は女性の方が切り替えが早いんですね。
「あたしはもう終わったと見たね」と、なかなかお尻の上がらない旦那さんの腕をぐいぐい引っ張ってる。

稲葉なんかは未練たらしく次の1発を待ってたりします。
でも人だかりはどんどん減っていきます。
さみしい。
最後の1人になるのは嫌だから、稲葉もそろりそろりと退散。
聴覚を後方に残しつつ…。

花火って切ないなあ儚いなあ、でも綺麗だなあ。


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稲葉 馨

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