馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2006年05月12日(金) 歩く雑誌男

『100人のバカ』っていう深夜の番組で紹介されてましたけれど、中沢健ってご存知ですか?

自分を「歩く雑誌」として町に出没している男。
自ら作ったページを全身に貼り付けているの。
サンドイッチマンとはまた少し違って。
週刊だか月刊だか知らないけれど、ちゃんと連載形式になってるらしいです。

その彼と新宿TSUTAYAで遭遇。
邦画の新作のパッケージを一つ一つ丁寧に見ていました。
稲葉も何かしら探しに来たはずなのに、もう彼に夢中。

数ある名画そっちのけで彼に見入ってしまいました。

頭には「史上初(たぶん)、動く待ち合わせ場所」とあります。
腰あたりには「今月のMVP」として男性の写真が貼られてました。

   ◆

ヘンなヤツ、なんだけどね、1つ感心したんですよ。
それはね、彼は自分が雑誌であることに徹しているということ。

普通さ、人にジロジロ見られたら気になっちゃうじゃないですか。
でも彼は人の視線なんか気にならないんだね。
稲葉がじぃ〜っと見てても彼は熱心にパッケージを眺めてるだけ。
あんなに他人を眺め続けたことなんて無いよ。

ああ、確かにコイツは読み物だ、と思いましたね。
プロ意識と言うべきかどうかは微妙なところだけど。

   ◆

でもね、雑誌としてはちょっと読みづらいんだよね。
仕方がないことではあるんだけど、動くんですよ。

稲葉が1つ読み始めるでしょ。
すると彼は手にしたパッケージを棚に戻して下段のパッケージに手を伸ばすわけです。
じっと読みたいページがゆらゆら動くんですよ。
これはちょっと読みづらいね。

さすがに「じっとしてろ」って言うのは酷だけれども。

あとね。
もう少し、ほんの気持ちだけで良いからさ。
字がもうちょい綺麗だと良いなあ。

とまあ、稲葉は彼でお腹がいっぱいになりました。
結局何も借りずに帰ってきてしまいました。


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稲葉 馨

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