カウントシープ
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2006年04月17日(月) ナルシス




少し前、人からもらった小さな球根には、ラテン語でナルシス・・・と描いてあったから、おそらく水仙だろうと思いながら植えたら、春先に咲いた花はやっぱり水仙の形をしていた。

形、というのは、ボクの知っている水仙の色合いや大きさとは違ったからだ。ボクの知っていた水仙は、花びらが白く、中央が山吹色のものだったのだが、咲いたのは、それよりもう少し小ぶりで、花びらが鮮やかな黄色のものだった。(調べたら、全部真っ白の花も見かけた)

水の中の自分の姿に恋をしてしまったナルシスの話はあまりに有名で、ギリシャ神話を知らない人でもこの言い伝えだけは知っているものだが、それだけ、ナルシストという存在が普遍的なものだからだろう。誰でもちょっぴりナルシストであるし、そういう自分をも抱きしめて生きていけるならきっと幸いなわけで、ボク達みんなの心にナルシスは住んでいるわけだ。

心の鏡に映った自分だけを愛していけたなら、もう他者は誰も要らないし、生きている意味もなくなるから、あとはもう溺れて死ぬだけ―――神話って本当によくできているね。


ロビン