カウントシープ
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2006年03月12日(日) 若緑色の使者

ここのところ雨が多い。

一度は暖かくなった気温もぐっとさがり、また冬が戻ってきたみたい。せっかく出てきた小さな木々の芽も、ビックリして引っ込んじゃったりしないかしら、と心配しながら小さな若緑の粒つぶを励ましている。
木香薔薇にいたっては、沢山の葉がつき始め、一足先に茂り始めている。その新芽は赤い色をしていて、これがやがて緑に変化していくのだが、先っぽだけ赤く染まっている様子は、遠めにはまるで赤い花が咲いているように見える。美しい、とは思わないけれど、そうと知っていればそれはそれで可愛らしい。(そうと知らないときには、正直少し不気味に見えたものだ)

赤い葉に染まる季節や、白い薔薇が散る季節があるならと思うと、とても楽しみだ。

こうして、庭にまた幾つかの花が咲き始め、まだ貧相な木の枝にも、新しい芽が膨らんできて、春が近いのだと感じられる。こんなとき、ささやかながら庭があって良かったと思う。春の雨が庭の植物に命を吹き込むならば、雨もまた歓迎の気持ちで迎えられる。

植物が心に与える恩恵に、人は報いることなどできないけれど、そうしてなお側に咲き乱れるその存在こそは、神様に近いものなのだろう。


ロビン