留学先での独り言

2004年10月29日(金) 高校フットボールお涙頂戴物語

10月も最後だと言うのに、夜になっても全然半袖短パンで
全く問題なくすごせる陽気。確か2年前に高校のフットボ
−ルを担当していた時は寒くて上着を着ていたことを思い
だす。今年はやはり暖かい。

試合はと言うとTDの数は同じ、TDの後のトライフォーポイ
ントの正確さで敗れた。負けたためプレーオフレースから
脱落。2勝8敗でPurvis高校の2004年度のシーズンは幕を
閉じた。弱かったけど今日はそれなりにいい試合をした。
最初で最後だったが戦う姿勢が見られた。審判が異常なま
でにフラッグを投げてくれたのは余計だけど。

試合後、この試合で引退となる3年生と握手をしてねぎら
いの言葉をかけた。高校の場合、フットボールが終わって
もまだバスケや野球をプレーする子が多いので、また次
のスポーツで会おう、というのが多かった。

その中で一人、試合がロッカールームに戻っても最後まで
着替えない子がいた。ヘルメットもショルダーパッドもつけ
たままテーピングすらとろないで座っていた。彼以外みんな
が帰ってしまったので「テーピングはずそうか。」と言うと
「切らないで、切っちゃうと(自分のフットボールシーズンが)
終わっちゃうから」と言う。正直ジーンときてしまった。

彼は3年生だった。身体は大きくなく、かと言って特別アス
レティックでもない。以前話をしたとき、自分は小さいから
フットボールをやるのは高校が最後と言っていた。他のスポ
−ツをやるつもりもないらしい。従って今日が彼にとって
高校での本当に最後の試合になってしまったようだ。

彼は決してチームの中心選手ではなかったがムードメーカー
であった。練習中からいつも何か叫んではチームを鼓舞し
続けた。何を言ってるかよくわからなかったことが多かった
けど。主に守備を担当していたが、自分がタックルしても
チームメイトがタックルしても同様に喜んでいた。とにかく
明るい子だった。一方で人の言うことをよく聞く子でこっち
としては非常に扱い易い子でもあった。

そんな彼を知っていたので最後まで着替えようとしなかった
彼の気持ちは察するに余った。次にどういう言葉をかけて
いいかわからなかった。それでも彼は逆にぼくがテープを
切らないと帰れないのを察してか「切っていいよ。」と声
をかけてくれた。彼のテープを切っている間、自分にとって
は彼の断髪式をしているような気がしてならなかった。そ
の時の彼の寂しげな顔は長い間忘れることが出来ないだろう。

彼は来年看護かアスレティックトレーナー学科に進学して
将来スポーツ選手をサポートしていける職業につきたいと
いう。彼の性格からしてそれはまさに適職に違いない。

彼の実りある将来に大いに期待したい。


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