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2006年02月20日(月)  濡れた道路に滲む
だまって車に揺られていると、運転席に誰かが座っていることを忘れてしまう。
自分だけの世界に没頭してしまいがちになる。
窓を振り向くと、ぼんやりと自分の顔が見えた。もっと顔を近づけてみると、濡れた道路に赤信号の点滅が滲んでいるのが見えた。

シートに体をもたれさせて、じっと目を閉じると、誰かが私の耳元で囁く。
「もっと真剣になれよ」と私の耳元で声がする。
私は目を開いて今どのあたりを走っているのか確かめた。

誰かと誰かがわかりあうということは、一生の時間をかけてもまだ足らない。
それが面白いということだし、それが難しいということだろう。

あともう少しで自宅に到着する。
だけど疲れきっていたので、瞼が重く自然と目が閉じてしまう。
また誰かが私の耳元で囁いた。
「もっと人と向き合いなよ」と聞こえたような気がした。

私の乗った車はゆっくりと私のマンションの前で止まった。
運転手はサイドブレーキをひいた。
エンジンは止めない。
私は車をおりた。
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