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| 2005年08月01日(月) もしもし? |
| 「もしもし?」と聞いたら、「ん?」と答えてくれる。 いつ、どこにいたって、もしもし?と聞くと、ん?と返ってくる。 だから、私はいつだって、何をしていたって、もしもし?と彼に問う。 きっと彼は、ん?と答えてくれると信じながらも確かめたくなる。 誰が我侭で、誰が自己中心的なのか。 それはあまりにもわかりきった問いで、訊ねる気にもならない。 体はくたくたで、心はざらざらで、体の末端が私のものではないような感覚がする。 早く帰ってきてと言ったら、まだ仕事中だよと言った。 それでも早く帰ってきてと言っても、いつになるかわからないよと言った。 早くと言ったのに、もう寝なさいと言って電話は切れた。 ぐずぐずと私は泣きながら、ベッドに横になる。 眠っているのか、泣いているのか、その時間の区別さえつかなくなってきた。 台所の電気だけが眩しく光り、ソファーの足を長く映している。 自分だって、忙しいときは余裕がなくなるくせに、自分だって、早く帰れない時だってあるのに、それはそれは、言う間でもなく馬鹿馬鹿しいただの我侭なだけだ。 私は繰り返している。 未だ、同じところを繰り返している。 ぐるぐると繰り返し同じところを回っているだけなんだ。 これまでの恋愛はどうしてこれほど、白々しいのだろう。 これまでの恋愛はどうしてこれほど、薄っぺらなのだろう。 だけど、今の恋愛だって、白々しく薄っぺらだ。 だから、私はたぶん一生結婚しないし、出来ないと思う。 どれくらい深い時間になったのだろう。 ドアが開く音がして、靴を脱ぐ音がして、バッグを床に置く音がして、ソファーの足の長い陰がゆらりと遮られた。枕が濡れていて、恋人が私に寄り添ってベッドに横になる。男の人の匂いがして、ああこの匂いはぜったいに私にはないものなんだと思うと、それがとても淋しく悲しく思えた。 |
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