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2005年06月18日(土)  天体観測
見えないものを見ようとして望遠鏡をのぞき込んだ。


ラジオのDJがその曲名を言ったとき、私は、聞きたい!と叫んで、彼はラジオだけつけて車のエンジンを止めた。さわさわと海がざわめいていて、たまに暗闇の中に跳ねた白い波が見えた。

私は見えないと思うと、それがすっごく気になって、背伸びしたり飛び跳ねたりして、どうにかして見てやろうと思う。
そこにオバケがいるよ、と言われたって最初は怖がりながらカーテンの影に隠れようとも、恐る恐る足を進めてしまうだろう。森の奥で大きな樹が倒れたよ、と聞いたら、スニーカーをはいて勇んで出かけるだろう。

私はそんな人間になりたい。

気分転換をしに行こうよと恋人が言って、夏の風が耳の下をくすぐった。
私はその感覚が大好きで、周りがアスファルトだらけの海でも、高層マンションに囲まれた狭い浜辺だって、海に行けば気持ちがすっとして夏が訪れたことを嬉しく思う。

ごめんねと伝えるタイミングは難しい。
好きだ好きだとバカの一つ覚えみたいに言うよりも、
これ以上をどんな風に伝えればいいのか私はそればかりをぐるぐると考える。
言葉はもう言い尽くされてしまったのかもしれない。

だけど、もしかしたらまだ誰も使ったことのない言葉があるかもしれない。
気持ちを伝える言葉はまだこの世に残っているのかもしれない。
だから、望遠鏡を担いで私は夜の原っぱに出かけるのだ。


知らないものを知ろうとして望遠鏡をのぞき込んだ。
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