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2005年05月03日(火)  爪先を追いかける
朝の飛行機に乗って昼間の空港に降り立って、電車に乗って街に出た。

ホテルに荷物を置いてタバコを吸いながら部屋を眺め回し、テレビをつけっぱなしで観光ガイドを読んでいたけれど、特に目ぼしいものも見つからなかったので、散歩に出ることにした。

ホテルを出て角を右に曲がって、ずっとずっと真っ直ぐの道を歩く。
どこまで行けばこの道は途切れるのか、どこまで行けばこの道はカーブするのか。
地理もよくわからない場所をただひたすら歩いてみた。
立ち並ぶ店やビルをただ見上げるだけでただひたすら歩いてみた。
聞き覚えのない言葉が耳をかすめ、少し冷たい風が耳の下をくすぐった。
かつかつとヒールを鳴らしてただひたすら歩いてみた。

お腹がすいたので立ち止まってみた。
何か食べようかと辺りを見回してみた。

そこは広い広い公園で、つやつやした緑の芝と、真ん中に大きな噴水が水しぶきを飛ばしていた。眩しいくらいの緑と白の世界で、小道を歩く人もベンチに腰掛ける人も、犬を散歩させる人もジョギングする人も絵を描く人もフリスビーを投げる人も、誰も誰も居ない。ただ殺風景だけれど眩しい世界にたどり着いた。

私は芝の目に沿ってただただ歩いてみた。
右足は左足を越え、左足は右足の前に進む。
歩くことは楽しい。歩くことは面白い。歩くことは無心で、歩いて世界に没頭する。

芝の目に沿ってくるくる回りながら、時々真っ直ぐ進みながら、たまにターンしながら、私は歩いてみた。無意識に動く自分の足を見つめて歩いていたら、誰かの爪先にぶつかった。

ふと見上げると、知った顔がそこにあった。
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