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2005年04月26日(火)  キーマン
恋人がキャバクラに勤しんでいる最中、あるクライアントのある人と一年ぶりに再会した。

そこのクライアントは私が入社してから、ずっと担当していたクライアントで、私の中でもすごく大切なクライアントなのだ。もちろん、契約をたくさんもらえるからでもあるだろうし、コツコツ時間をかけて築いてきたリレイションがあるクライアントでもあるのだけれど、私がその会社を大切に思う一番の理由は、私がその会社との取引の中でたくさんのことを学んだからだと思う。
社会は学校じゃないと言われるけれど、でも結局、実践でないと知りえないことはたくさんある。初めて気づくことも沢山あって、だからこそいろんな体験が出来たこのクライアントに、私はたぶんきっと思い入れがあるんだと思う。クライアント側からしてみたら、それが私の独りよがりなことでも、私にはとてもとても重要なことなのだ。その思い入れがいろんな意味で動機になったりモチベーションになったりするからだ。

そしてその中でも、実際に対応する相手の人間と、どれだけ上手く関係性を築けるか保てるかにもよるのだと思う。私は運良く、自分が苦労せずとも話しのできる担当者と対応することが出来た。その人とは本当にいろんなことを話した。
2時間もずっと話し続けていてこともあれば、その人に「理解できません」と正面から言ったこともあったし、その人に叱られたこともあったし、様々なことで疲れてしまってその人の前でちょっと泣いたこともあった。かなり恥ずかしいことだらけだけど、よく私を見放さずに一緒に仕事してくれたなあと思う。

私が去年の冬から春にかけて入院したとき、他のクライアントには「別のプロジェクトに関わることになったので」と嘘をついて担当を外れることを話していた。だけど、そのクライアントのその人にはちゃんと入院すると話しをしたこともあった。

その入院のことがあってから、なんだか私とその人は、急激に仕事を超えて近づきそうになったけれど、結局、数年前からの予定通り、その人は海外へ一年間転勤することになってしまった。

そしてこの5月、その人が帰国して本社に戻ることになり、久しぶりに顔をあわせた。
この一年の間には、ちょくちょくメールの交換をしたり、テレビ電話で打ち合わせをしたりしていたのだけれど、やはり一年ぶりだと思うと、なんだか話したいこともたくさんあって、聞いて欲しいことやその人から知りたいこともたくさんあって、話は尽きない。

22時に仕事を終わらせて、駅前で待ち合わせをして、終電の時間を気にしながらお酒を飲んで、いろんな話しをする。
私は誰かと尽きることのない会話をすることが、たぶんとても好きなのだと思う。
私は決して、誰とでも同じように話せるわけでもなく、どちらかというと人見知りで、仕事でないのなら初対面の人と会うのさえ億劫に思うこともある。だけど、仕事やプライベート関係なく、お互いの共通の興味や同じ目標を持った相手と話しをすることが、私はとても満足するし好きなのだと思う。ま、誰でもそうなのだろうけれど。


恋愛感情は、仕事の域を犯してはならない。
私はその人にとても興味があって、その人のことをとても好きで、その人と話しをすることがすごく好きだけれど、それとこれとが恋愛感情で結びつくわけではない。
今思うからこそだけれど、あのときやはり私たちは近づき過ぎなくて良かったと思う。
私は、今のこの満足で充分だし、仕事の延長線上に恋愛があるわけではないと思う。
混同するという意味ではなく、恋愛と仕事の間口は別なのだ。
当たり前のことだろうけれど、そう思った。

彼の会社は私にとって特別に大切なクライアントであり、その人は私の仕事にとってキーマンである。恋愛をするにしては惜しい。仕事の相手であるからこそ、彼は私にとって特別な存在なのだ。
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