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2005年01月31日(月)  私がオーナーです
ということで、
以前私の住んでいたマンションを、我が家はどう運用していくか検討した結果、その実権及び権利をうちの異母兄に委ねることしたそうだ。異母兄はあれやこれやと資産の運用を考えた末(というか、賃貸しか使い道はないんだけど)、「地方から上京する可愛い女子大生に貸す!」という結論を導き出し、なぜかなぜか私がその女子大生とその母親の内見に立ちあうことになったわけでございます。

そんなものは、仲介屋がやればよいじゃないかと思うんだけど、皆さんお忙しいようで、女子大生にお目にかかりたがっていた兄でさえ仕事だそうなので、仕方なく私がかりだされたのであーる。

ゆっくり寝てたい休日の朝9時半。
やや寝坊気味に起きて、自転車こいで久しぶりの以前の部屋に到着。
内装もすっかり終わって、とってもきれいになったのだけれど、何にもない部屋はがらんとしすぎてちょっと淋しい。ああ、ここで私は何年住んでたんだっけ。そういや、男の子もいっぱい連れ込んだなぁ。友だちもいっぱい遊びに来たなぁ。と、感慨に耽っていると、ピンポーンとインターホンが鳴って、ドアを開けると、如何にも地方から上京してきました、東京に来るのだから頑張ってお洒落してきましたという風情のおばさんと、その後ろにパンツが見えるんじゃないかと思うほどのミニスカートでブーツとネイルケアに余念のないぴかぴかの女子大生が顔をのぞかせていた。
こっちは、擦り切れそうなジーンズでさあ、髪の毛もちゃんとしてないので帽子かぶってさあ、休日の朝9時半に急いで起きてきた格好だからさあ、明らかに小汚いのね。だからちょっと、彼女たちのオシャレ振り、奮闘振りに引きつつ、
どうも、○○です。どうぞあがってください。
などと、オーナーぶってご案内。

ご案内というほど広くはないので、3人でずいずいと奥にはいったら、女子大生が一言。
「ちょぉーせまぁーい」
ちょぉーとか言うな。狭いなら借りるな。即、帰れ。
なんかムカついたけど、慌てたお母様が苦笑いしながら、「あら、日当たりもいいし、眺めもいいじゃなぁい」などと言ってくださったので、私もムカッと顔に出る一歩前で踏みとどまった。
ええ、ええ、スーパーはこの角を曲がったところにありますし、コンビにはふたつありますし、歯医者とクリーニング屋さんはすぐ目の前ですから、とっても便利ですよ。なんて、ちょっと売り込んでみたり。
女子大生は、ふてくされたような機嫌の悪いような、なんだかイライラしてネイルアートな爪をかちかち噛んでばかり。なんか、汚い。
でもねー、なんかわかるんだよねー。親と部屋を探してにきた地方の子なら、いくら広くって可愛らしい外観でフローリングで立地も最高な部屋に住みたくても、実権は親が握っていて、見てくれよりお値段と実用性と安全性の高い部屋を望む親に勝手に部屋を決められちゃったりするんだよね。それに、田舎くさい親と一緒に東京を歩くよりももっと原宿とか渋谷とか表参道とか遊びに行きたいよねぇ。
彼女は、4月から私大に通うことが決まっているそうな。東北だかどこからか上京してくるらしい。

ふたりの様子を見ていても、明らかに娘はこの部屋が気に入ってないらしい。
せまーい。収納がなーい。ロフトがあったほうがいいしぃー。もっと池袋の駅に近いほうがいいじゃァーん。みたいなことをコソコソしゃべっている。
でも、母親は、家賃が安いほうがいいでしょ。あんまり街のほうに住んでも危ないんだから、それにここは前見た部屋より広いじゃないの。

なんて、こそこそと親子喧嘩をしたりしている。

にしても、この女子大生は本当に感じが悪い。
オーナーの妹を前にして、よくもそんな文句が言えたもんだ。
なら、借りないでよろしい。
他の人に貸すからよろしい。


内見が終わって、駅までふたりをお見送りして(なんて、優しいの!)、すぐ兄に電話。
あ「終わったよー」
兄「どうだった?」
あ「さあね、借りないんじゃない?」
兄「じゃなくって、女子大生はどんなんだった?」
兄は、女子大生が可愛かったかそうでなかったかを知りたいらしい。可愛い女子大生が部屋を借りたからといって、君と付き合ってくれるわけではないのだよ。遊んでくれるわけないのだよ。なにを期待しているのやら、30過ぎのおっさんのくせに。
あ「んっとねー、ぶさいくだった。直視できないくらいぶさいくだった。なんか感じ悪かったの。せまいとか収納ないとか、散々文句言ってたし」
兄「ふぅーん」
あ「たぶんアノ人たちは借りないと思うから、次の内見は自分でやってね。休みの日にこんな早起きするのやだよ」
兄「はいはいはい」


で、結局どうなったかというと、あの女子大生は部屋を借りることになりそうらしい。
結局かよ、と思ったけど、まぁ兄がウキウキしていたのは言うまでもあるまい。
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