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2004年11月19日(金)  寒い夜、走る
最近、
恋人のことを考えると、とても自分が嫌になる。
その理由がどうのこうのというより、私は何度もこの言葉を呟くたびに、ああ、私は私が一番大事で自分本位の人間なんだなとあらためて感じる。

恋人のことを思うと、私は私が嫌になるのだ。
なにも出来ない自分に嫌気がさして、
上手く出来ないことを上手く割り切って考えることが出来なくて、
それがますます嫌気がさす理由で、
何かの出口を求めるように、恋人とはちがう男性と、たとえば食事に行ったりする。
たとえば遊びに行ったりする。

もうすぐ引っ越しするんだ、と私が言ったら、その人は、彼氏と一緒に住めばいいのに、と答えた。私は、自分が誰かと暮らし始めたとき、それが自分の最後だと思っている。最期だと思っている。

頭が痛くなるほど煙草を吸って、なにもかもが可笑しくなるくらい酔って、家のドアを開けたら洗濯籠に恋人のランニングトレーナーと、玄関脇にランニングシューズがあった。テレビの音がざわめいていて、誰かが「おかえり」と言った。

恋人がせっかく自分の部屋に来てくれたのに、誰がうんざりするだろうか。

雨の降る寒い夜、恋人は、あらゆるところで年末の道路工事が始まった街を走る。恋人の足は規則的にアスファルトを蹴って、私は誰か知らない男の人とお酒を飲み食事をする。

最近、嫌なことはない?
と、私は恋人に聞いた。
別にないよと恋人は答えたけれど、
私が一番嫌なのは、
何でも知りたがろうとする、この自分である。
どこかに行ってしまいたいと思った。
この恋人を、とても好きだから。
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