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2004年10月20日(水)  濡れる東京
ジェット機が、旋回する、ゆっくりと、頭上200メートルのところを。

台風の夜、ホームレスたちは、一体どこで眠るのだろう。

室戸岬の防波堤が
気象庁によると
500ミリの
しけと大雨に
現在近畿地方で
行方不明者が相次ぎ
明るいうちに避難を
在来線の運転休止
980ヘクトパスカル
警戒するように呼びかけています

今日の世間話は、台風のことばかり。
遠くで消防車と救急車が走る。
にわかに病院が騒がしくなり、
灰色の空がゴウゴウと音をたてる。

ニュースから台風の被害者たちの声がする。
子供が雨合羽を着て、大変、大変だ、とウンザリしたように言った。
誰かの「助けて」という声が聞こえたと、男が息を整えながら証言した。
浸水で家の二階に取り残された老人が、カメラを見つけて無気力そうに手を振る。

どこかで山が崩れたようだ。
どこかで火事が起こって、
どこかで誰かが海に連れて行かれて、
どこかで電車に閉じ込められる。
雨に降られて風に吹かれて傘を折られて
東京の蟻んこたちは、それでも今日も仕事をする。


私の頭の中でジェット機が轟音をたてる。
東京タワーの上空200メートルを飛んだあのジェット機からは、
一体どんな風景が見えたことだろう。
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