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| 2004年09月16日(木) セックスフレンド |
| 大学生のときはパソコンを持っていなくて、学校の課題のレポートとかはぜんぶ手書きにするか、学校のパソコンを使うか、もしくはバイト友達の家に行ってパソコンを貸してもらったりしながら、レポートを書いていた。 バイトに来ている子達は、ほとんどがそのバイト先の近所に住んでいて、私もすぐ隣の駅に住んでいるし、その人もそのバイト先から自転車で3分くらいのところに住んでいた。 セックスフレンドというのが、どこからどこまでのものを指すのかは知らないけど、その人の家にパソコンを借りに行って、そのあとふたりでご飯を食べてセックスをしていたので、結局、この男の人はパソコンを貸した報酬としてセックスをしたがるのだろうなと私は思うことにしていた。 じゃあ、私は何のためであろうが誰とでもセックスできるのかと考えると、そりゃ、嫌いな人とは出来ないし、油ぎったおじさんとだってしたくない。ただ、好きとか嫌いとか、そういう感情ですっぱり割り切れない曖昧な関係の人は、別にセックスしてもいいかなあと思っていた。だから理屈で言うと、好きな人と好きでも嫌いでもどっちでもない人とだったらセックスしてみてもいいと思っていた。 そのころは。 そのときは丁度、彼氏をつくるのが面倒だなとか、恋人って煩わしいなと思っていたときだったし、バイトの中で働く子たちもほとんどが同年代か少し年上の人が多くて、誰と誰が付き合って別れて、また誰かと付き合って、みたいなことが繰り返されていたこともあったので、男の人って本当にうっとうしいと思ったし、女であることにも少し辟易していたんだと思う。 だから、セックスだけしかしない相手は、恋人という形の末端を切り取っただけの関係でしかなく、需要と供給だけがシンプルに重なっただけの関係で、これは恋愛とは違うし、この人は恋人でも何でもなくただの友達だと思うと、セックスは煩わしい関係から唯一逃げ出せる行為だと思っていた。もっと簡単に言うと、その人と恋人になるのが嫌でセックスフレンドだけで勘弁してもらっていたという感じだった。けれど、もっと本音を言えば、そのころの私は好きな人に受け入れてもらえずにいて、すごく悲しくて淋しかったし、暴挙にも似た無気力を感じていた。 セックスをしながら「恋人になるかならないか」という話しをしてはケンカをしたり、セックスをしながら「そのうち飽きたらもう会わなくなるかもね」という話しをしてはキスを繰り返した。 さらさらとしたセックスだった。虚しいとか無意味とか、あまりそういうことも思わずに、ただ淡々と、学校の話しをしながらバイトの話しをしながら。 たぶん会話の部分だけを切り取れば私達はただの友だちだったのだけど、その姿は、ただの恋人同士にしか見えずに、宙ぶらりんとも言えず中途半端とも言えず、プラスでもマイナスでもない、ただのゼロだった。どちらにも針は触れず、ただの何も無いというゼロだった。 だから、たぶんさらさらとしたセックスだったと思えるのだろう。 今思うと、バイトの子たちが相手をとっかえひっかえ付き合っているのを、私は遠巻きにうんざりして、女であることに辟易しそうだったけれど、でも結局、セックスフレンドとセックスをすることはただそれだけで自分が女であることを自覚する行為だったし、そのバイトの子たちを軽蔑する自分は、結局のところ、いくら遠巻きな立場をとっていたとしても、彼らと少しも変わらないことをしていたのだと思える。 20歳になるかならないかのときだった。 |
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