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| 2004年06月08日(火) 交換日記 |
| うちのアパートには収納というものがほとんどないために、唯一ある戸棚の中にはありとあらゆるものが詰め込まれている。ひょんなきっかけで一番上の棚(一番上なので普段はあまり使わないものを入れている)を整頓してみようかしら? という気になったので、深夜の部屋でがさごそと戸棚にあるものをすべて引っ張り出してみた。 ここは、本当にいろんなものがはいっている。高校時代の友だちとの写真、卒業のときの寄せ書き、大学に進学してからもらった数々の手紙や年賀状。そして、ノート類が多数。しかも使いかけのもの。このノートを見るといっぺんで私の性格がわかってしまう。だって、ぜんぶ使いかけだから。最後の最後まで使い切ったノートがほとんどない。しかも、そこには何が書かれているかというと、高校生のときに書いた日記なわけです。いやぁ、恥ずかしい。 何かを書き付けたかった衝動なんだろうね、たぶん。もう、そこにはありとあらゆる言葉が書かれています。やっぱり私という人間はいくつであっても、男の子のことばかり考えています。好きな男の子のことが書かれてあるのがまず多い。その次はやっぱり進路のこと。音大に行くか普通の大学に行くかなんて悩んでた時期だったなぁ、そういえば。というか、かなり面白い。この日記は、かなり面白い。馬鹿みたいだもの、考えていることじたいが。何でこんなことに悩んでるんだろう?! って、ちょっとこの当時の自分自身が心配になってきます。 ――1995年6月10日(方言で書かれているので標準語になおす) 人とずっと一緒の部屋にいると疲れる。電池が切れたらしくトモくんと電話がつながらない。なんだアイツ! 放課後、みなちゃんとぶらぶらしてマック行ってご飯食べた。今日、山口くんが急に電話してきた。なんだったんだろう? 意味がわからないことばっかりしゃべって意味がわからない。学校の門で頭を打った。痛い。 ―― 最後の一行はいったいなんだったんだろう? どうして校門で頭を打つ必要があるんだろう。トモ君と電話が繋がらなくてその後どうしたんだろう? そのあと突然みなちゃんが出てきてマックでご飯食べたなんて、なんて不良少女。ちゃんとご飯は米を食べなさい。その後またもや唐突に山口君が出てきたけど、イマイチ山口君がどこの誰だか思い出せない。そして最後の謎の言葉、校門で頭を打ったことを書いてあるが、何の繋がりがあって書いたんだろう。意味がわからない。部屋でひとりで爆笑。 ――1995年7月20日 終業式。だるい。貧血で人が倒れてた。痛そう。○○(英語の先生)に見つかってしまった。やべ、早くプリント出さないとまた呼ばれる。○○はいつも脂ギッシュでデブでキモイ。廊下を歩いてて○○が向こうから歩いて来ていたら、走って逃げることにする。会いたくないもん。トモくんと明日はデートだ! がんばる! みなちゃんが「卒業したら海外制覇する」って言った。私も行く。 ―― 英語の先生にしょっちゅう怒られていたことを思い出しました。だって、課題のプリントを私がまったくしないからです。廊下を歩いて先生を見つけると逃げようという固い意思が見られますが、逃げるならその前にプリントをやってもらいたい。キモイって、キモイって! みなちゃんの言ってる言葉の意味がわからないね。多分海外旅行に行きたいってことかもしれないけど、「海外制覇」っていう言葉の意味がよくわからない。ちなみに、みなちゃんは先日結婚しました。オメデトウ。デートを頑張るらしいですな。頑張りたまえ。 ――1995年7月31日 トモくんの電話をとれなかったらチョー怒られた。自分も寝てたら起きないくせに。もっかい電話したらすごいうるさかった。お酒飲んで酔っ払ってるらしい。何言ってるかわからなかったから切った。やったね! ―― 今とあんまり変わらない恋人とのケンカです。電話に出なかったら怒るんですって。しかも、トモくんは高校生の癖して酒なんか飲んでます。どうしたことでしょうね。しかも、電話口でトモくんの声が聞き取りづらく何を言っているのかわからなかったらしいので、私は一方的に電話を切ったらしいです。トモくんが話してる最中に、プチっと「切」ボタンを押したんでしょうね。なんと言うかかなりな女王様です。しかも「やったね!」って、私は本当にあのころトモくんのことが好きだったんでしょうか。いささか心配。ていうか、笑える。 ―― ということで、日記は日にちもとびとびで2日連続書いたことがない。しかも1ヶ月も続かず終わっています。なんたることや。 しかも、このときの恋人、トモくんと私はなぜか交換日記をしています。もうすさまじい内容でした。しょっちゅう会っていたのに、なぜ交換日記をする必要があったんでしょう。たぶん私のほうがピカンと交換日記を思いついて面白そうだからやってみようと、トモくんに強要させたのだと思います。トモくんもやはりNOと言えずにやってしまったんでしょうね。 ア「もしアイが風邪ひいたら看病してくれる? トモくんちに体温計ある? 貸してくれる?」 ト「うん。貸すよ、大事なアイのためだもん。アイは風邪ひきそうなの?」 ア「うちに体温計なかったからちょっと聞いてみただけ。」 なんだこれ。 私は自分のアパートに(高校生からひとり暮らしをしていたので)体温計がないことに気づいて、トモくんは貸してくれるだろうかと打診をしてるんですね。しかし、トモくんはとても純情少年だったので、大事な彼女のためならそれくらいやるさと、男の威信をかけているのでしょうか。たぶん、このときの私はトモくんが看病してくれるかどうかの問題よりも体温計のほうがずっと大事な問題だったのでしょうけど。 ア「今日トモくんが、食堂で○○さんと話してたの見ちゃった。うーわーきー。うーわぁーきぃぃー。」 ト「何言ってんだよ! あれは○○のほうから話しかけてきたから、俺も無視できなかったんだよ! 違うよ! 誤解だよ! 俺がアイのこと裏切るわけないでしょ! 別にそんなんじゃないって!」 馬鹿じゃないのか。 トモくんの狼狽っぷり。しかしね、ちょっと彼氏が他の女の子と話しているのを見て、「浮気」だなんて、まぁ可愛らしいこと。しかもトモくんも「裏切るわけない!」って言ってますが、あなたがた、「浮気」だの「裏切り」だの本当の意味をわかって言ってるのかしら。青二才のくせに。恋に刺激を求めてるんだねぇ。意味もなく三角関係を期待していた私。悪魔。 ア「トモくんは進路決めた? アイは東京の大学行くの。」 ト「じゃぁ、俺も東京の大学うける。アイと一緒に東京行って一緒に暮らそう。」 ア「トモくんの偏差値いくつだっけ? ちゃんと真面目に考えなきゃだめだよ。」 ああ、トモくんかわいそう。 トモくんも安易な考えがすぎますが、私も遠まわしにトモくんの偏差値の心配をしています。トモくんの偏差値で東京の大学にいけるだろうか……と、かなりのリアリスト。私たちの高校は早くから受験の準備をしていたので、進路だの、国立だの私立だのとそういう話題は3年間ずっとしゃべってましたね。あぁ、なんだか懐かしいです。 交換日記は途中でノートを使い切ったらしく終わっています。2冊目を探そうと棚から全てのものを出しましたが、結局見つかりませんでした。捨てたのかしら? もしや、トモくんが持っているのでは!? 読みたい! ぜひこの「全然かみ合っていない彼氏と彼女」の会話が見たい! 馬鹿みたいに笑える! 夜中にひとりで笑う自分も悲しいけど! ちなみにですが、結局トモくんは東京の大学へは行けず、九州方面の大学へ行ってしまいました。私たちが住んでいた四国からしたら、お互いまったくの逆方向ですね。 あぁ、トモくんは交換日記2のノートを持っているのかしら。読みたい。読みたいぞ。自分が面白い。馬鹿みたいに自分という人間が面白くて仕方ないです。トモくんかわいそうだけど。 |
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