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2004年05月30日(日)  悲しみと幸せ
私は台所に立って、自分が飲むためのカンパリオレンジを作っている。ステアするとカランカランと氷の音が心地よい。冷蔵庫から缶ビールと冷やしたグラスも取り出してテーブルの上に置いた。彼はテレビに合わせて佐野元春の「サムデイ」を口ずさんでいる。孤高のロッカー佐野元春のスタイルに歌声に歴史に彼は憧れる。

足で彼の体を羽交い絞めにして背中を強く抱きしめた。
背中に耳をあてて彼の心臓の音を探した。
そうやって甘えてみたくなる。
向かい合って抱きしめ合うとどうして胸が熱くなるんだろう。
どうして、悲しくなるんだろう。
幸せだと思う気持ちと、涙が出てしまいそうな悲しい気持ちが隣り合っている。
彼がどこかへ行ってしまいそうな、ふたりが壊れてしまいそうな
そんな悲しい思いがこみ上げてくる。
きっと私は、彼とどんなに抱きしめ合っても
悲しみや淋しさや恐ろしさは深くなってしまうだけなのかもしれない。

どうして悲しくなるんだろう。
いま、目の前に彼はいて幸せはあるのに、
それがどこかへ行ってしまう幻想に私は苛まれている。
それが杞憂で終わればいいのだけど、
理由はわからない。
悲しくて涙が出る理由がわからない。

私は、おかしいのかもしれない。
どこかが間違っているのかもしれない。
大きな誤りが私の中にあるのかもしれない。
どこをどう間違ってしまったのか、誰か教えてくれるのなら私はどんな犠牲も払いたい。


永遠の幸せを願うほど欲張っているつもりはない。
それはたった一瞬でいいのに。
一瞬の幸せさえ、私は自分の中で悲しみに変えてしまっている。
私は幸せを幸せと思えないような人間なのかもしれない。
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