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2002年06月14日(金)→→→芳香族

山田詠美「マグネット」を読んでいる。
ゲイの人々を目の当たりにしたアメリカ人の主人公(男)が、どうしてこの人たちはこうも正確なのだろうか、と思う場面がある。
山田詠美の文章こそ、どうしてこうも正確なのか、といつもわたしは思うのだけれど。
これは短編集だけど、その中でも表題の「マグネット」。
なんて正確に文章を紡ぐのだろうか、と久々に感心してしまった。

「彼女は、たぶん、男の気をそそらない。体の奥底にあるずれた瓶の蓋の隙間から流れ出るものの存在を知らない。そこから香るものは、皮膚の内側にひっそりと塗られ、特定の男によって抽出される。外側に塗られ、万人の鼻を刺激する香水など、それに比べれば健康的すぎる。」

わたしはかわいい系の男の人が好きだ。
日本代表だったら稲本や中田浩二が好きだ。
ジャイアンツの二岡はとてもかわいいから大好きだ。
それを言うとみんなにナナは面食いじゃない、と言われる(思いっきり面食いだと思うんだけど…違うかしら)。
でも、かわいいだけじゃだめなのだ。
体の奥底から流れ出る、色気、のようなものがないとだめなのだ。
アイドルとしては稲本や二岡はとても好きだ。
でもドキドキはしない。
いたいけなものを見るような気持ちでせつなくはなっても、ドキドキはしない。
彼らはわたしからアウトは奪っていかない。何も奪ってはいかない。
中田浩二は奪っていく系だと思う。
“彼ら”もまた、中田浩二と同じようにわたしから奪っていった。
だからわたしは“彼ら”とつきあっていたのだろう。
皮膚の内側に塗られたものを香らせるひと。
端的に言えばフェロモンってやつなのかもしれないけれど、それは特定の人間にしか抽出できない化合物だ。
わたしもその、おそらく芳香族系であるその化合物の入った瓶を持っているだろうか。

わたしはいつも、Benzen環に恋をしている。

「好きな男に権利を奪われるのは心地良い。ひとりの人間のために降伏したと感じる瞬間は、心にオーガズムを与える。俊介に合鍵を渡した時に、私は、何かを甘く諦めたような気がする。」




ナナ

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