鬼のかけら。≫イッマムラ
BACKINDEXNEXT
2004年03月09日(火)
春はあけぼの、世は情け。
「ここは、どこだ?」

皆さん、人生でそんな体験をしたことがあるでしょうか。
私はしました。つい昨日。
自称冒険者の私とピオは「お昼食べちゃうゾ★」と可愛い気持ちから
高級店が建ち並ぶ北野へ。
選びに選んだ店に入り、BGMや内装に合格点を出す。
そして選びに選んだ料理だ出てきて、不合格点を出す。
店員の態度も不合格だ。
『バカヤロウ!これが人の食うものか!!』
私に勇気があったらそういえたのに。
『このメガネはダテかコノヤロー!!』
私に根性があればそういえたのに。
白い闘志を燃やし黙々と肉を噛む我々。
フナコにそっくりの店員を一瞥し、席をたつ。
よくブリが行く店行く店をビビンバ倶楽部と比べたがるが、
ビビンバ倶楽部愛好者となりつつある私は
その気持ちが非常にわかるようになっていた。
新たな自分発見!!

店を怒髪天状態で出た我々は、「もう冒険だ、冒険!」と
小道を見つけるたびに見知らぬ土地とて入っていった。
アハハ、なんかRPGみたーい
じゃあアタシゆうしゃ〜!
ずるーい!じゃあ私は賢者もーらい!
キャッキャいいながら小道を歩いていると、
何かの物体が落ちていた。
よくみると頭蓋骨だった。
よくよく見ると、猫の死体だった。
冒険に死はつきものだ。
2人で手をとり、なるべく見ないよう
トップダンサーのような足取りで屍をこえた。
小道がどんどん狭くなり、
有刺鉄線付き金網が私の頬を刺そうとする。
その時、目の前に白い風景が。
クリックで投票、文字変化。
「これ、ほんもんのRPGじゃーーー!!」
いまこの場におかしな生き物が出てきても何も疑わない。
気がつけば我々はかなり山の奥を攻めていたのだ。
わたしたち、木の棒もミスリルも何も装備してませーん!
かばんにチョコパイが入ってるだけでーす!
そそくさと逃げ帰り車道を見て落ち着きを取り戻す。
おや?どこかに通じる階段がある。
疑問を感じたら突き進まずにはいられない。
それがBOUKENSHA!
息苦しくなりながらも階段を上りつめる。
すると公園があらわれた。
子供の遊戯物がたくさん置いてあるが、肝心の子供が居ない。
我々、20歳と23歳は揺れる小さなつり橋を歓声をあげながら渡り、
さらに上に上る階段を発見するはめになる。

古い神社。
取り締まる者は居ない。
お参りをして、お稲荷さんにチョコパイを奉る。
あれ〜『奥の院』って書いてあるよぉ?
あの時の私に言ってやりたい。
『その好奇心、いつか身を滅ぼす!』
そこからはポートタワーが見えた。
遥か、下に。
不思議なアーケードに差し掛かった。
錆びた鉄だけで出来たアーケード。
細い細い道。
絨毯代わりに枯れ葉が敷かれてあり、
その道は終わりを見ない。
何分歩いただろうか。道が二つに分かれている。
一つは自然に出来たトンネルのようなものを通る道。
見るべくは『ようなもの』の部分だ。
もう一つはどこまでも上に伸びる階段。
私はトンネルのようなものに行こうと言ったが
ピオは薄暗くて怖いから階段で行こうと言った。
合点がいかなかったが、そこにある看板に
『動物捕獲のため、罠を仕掛けてあります。
けものみちには入らないで下さい』
と書かれてあった。
ああ、我々はぜったい踏む。
大人しく階段を選んだ。
中高の時の六甲山を思い出した。
死ぬほど辛かった階段を。
この歳になって、同じ目に。
息も絶え絶えに上り切った我々の眼前に広がる風景は
雄大な自然でも、大いなる祝福を与える木でも、
エンディングスタッフロールでもなかった。
大きな駐車場だった。
高級車を乗り付け、軽やかにミニスカートとヒールで降り立つ婦人。
グラサンをかけそのご婦人をリードする男性。
女性はきれいに巻いた髪をフワリとさせ、向こうに歩いてゆく。
私の肩には葉っぱが、そして靴には泥がついていた。
しばらく2人でボーっと駐車場をながめ、
ここが神戸で有名な展望台であることを知った。
そしてこの展望台は車で来るということも。
100万ドルの夜景ならぬ、昼景をみながら
パック入りのジュースを無言で飲み干した。
カップルへの嫌がらせに「このへん幽霊たくさん出るぞ」などの
暗めの会話をチョイスし、景色の中から我が家を探した。
この場所は恋愛祈願にも使われているらしく
柵のあらゆるところに南京錠がかけてあった。
南京錠には『ずっと一緒だよ〜』
『山根さん、がんばってください!』
『絶対幸せにするからな!』と書かれてあった。
我々も次回来た時には、このどれよりも大きな南京錠をハメよう。
そして『勇者見参。冒険はまだまだ続く・・・』と書こう、と
約束をした。

帰途も冒険者らしく、川べりを歩き
ハシゴを登るなどの第三者から見れば
『すこしあたまのおかしいひと』ランクの行動を起こした。
そしてたどりついたところは駅4つほど離れた場所だった。
駄菓子屋を発見し、公道で酢イカをむさぼりつきウマイ棒を
ムシャムシャと食べた。
冒険はいい。子供心を剥き出しに出来る。
またフィールドを変えて旅に出よう。
記念碑が建つほどに!!


BACKINDEXNEXT

My追加
   
Design by shie*DeliEro
    



エンピツ