管理人トシの日記

2004年07月25日(日) 沖縄その4

那覇空港の天気は晴れ。
着陸態勢に入ると、あのさんご礁に彩られた青い沖縄の海が目に飛び込んできた。ああ、やはり沖縄は本土とは違う、何か異国の雰囲気がある。

着陸は飛行の中で最も緊張する時でもある。パイロットは全神経を集中させて着陸のチェックをリストどおりこなしていく。その手の書物でもよく読んだが、『魔の3分間』とまでいわれているように、事故の多くは着陸で発生しているのだ。

巨大な物体が出力を落としながら、ふらふらと地上に近づいていくわけだから、危険このうえない。
どういうわけかそれまで安定していたのに、滑走路間際になると期待が左右にぐらぐらと揺れだす。パイロットが進路を補正していることもあろうが、どうやら地上からの気流の影響が原因しているようだ。そのようにかつて書物で読んだことがある。地上近くでは「エアー・バースト」という気圧が急に下がる現象が起こり、事故に至ることもある。

ドスンと車輪が滑走路についてしばらくすると、エンジンの噴出口にカバーがかかってエンジン出力が上げられる。ゴーッという轟音とともに身体が前につんのめるようなGがかかってくる。エンジンからの噴出ガスがカバーにはねかえって前側に放出されるのでブレーキがかかるわけだ。だから逆に出力を上げるほどブレーキが強くかかることになる。

スーッと速度が落ちてくると同時にエンジンの轟音も静かになった。
そして無事到着のアナウンスとともにゆっくりとエプロンに向かってタキシング。
例の空港ターミナルに横付けかと思ったら、そこまで行かなかった。そのうちタラップが走ってきて、私たちは降りた後、空港内のバスでターミナルまで移動することになった。

じつはその前、飛行機が着陸すると近くの御婦人がひそかに手をたたくのを目撃した。内心ほっとしたという感じで誰にも気づかれないようにそっと自分だけで手をたたいていたようだ。
ほんとはみんな少なからずそういう気持ちは持っていたのだと思う。

〜つづく〜


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管理人トシ