瀧廉太郎は『花』『荒城の月』という名曲を残している。
このCDはその『荒城の月』にスポットを当てたものであるが、名曲ゆえに、できた背景、内容が豊富に語られることが多い。ここでも何人もの人が文を寄せている。
そのひとり、ジャーナリストでテレビでも人気の筑紫哲也氏の語り。 「大分県竹田市にある瀧 廉太郎記念館の名誉館長を私はつとめている。廉太郎の父がそこで郡長をしていたころの住居が記念館になっているのだが、『荒城の月』の曲想を得たのではないかと言われている岡城址の麓に、それは位置している。私がそういう役をさせられているのは母方の祖母が廉太郎のいちば下の妹だという縁からである。〜」 そして、この曲が名曲なのかどうかを、團伊玖磨氏にたずねたことなどが綴られている。
『荒城の月』には原曲の瀧廉太郎版と山田耕筰編曲版があるのをご存知だろうか。現在一般的に歌われているのは、山田耕筰編曲によるものだ。どこが違うかといえば、「はるこうろうの はなの えん」の部分で、原曲は「え」に臨時記号のシャープがついている。ということは、「の」から「え」に移るとき半音しか下がらない。しかし、山田耕筰はシャープを付けずにふつうの音階で一音下げている。歌いやすく自然である。 専門家によれば、短音階の第4音が半音上がっているのはジプシー音階の特徴だから、ハンガリー民謡を連想してしまうそうだ。瀧 廉太郎はこの部分について、こういう指摘があってもかたくなに断ったようである。
こういったことが20ページ以上にわたって書かれている。なんだか曲を聴くのか、お勉強をするのかわからないようCDだ。 まあ、こういった曲の背景を知って聴くとまた聴き方が変わってくる。変な先入観ということもあるが、それよりも音楽を深く聴くことができると思っている。
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