2013年09月27日(金)
びよんどメモその1



 そんなこんなで、先日おこなわれましたびよんどなんとかのメモを残しにきました。
 夏希さんが辞めて三年。身をもって悟ったことは外部はめったにDVDでない、ルサンクもない!って事です。だったら自分で書き留めるしかないんだなぁと痛いほど痛感(真飛語録)(いまだに使うな)(笑)。
 特に今回はついったーじゃ書ききれない事が多くてね……。


 で、扉を開ける前に経緯など。
 「Beyond the Door」。夏希さんが初めての構成演出を手がけるという事で聞いた瞬間には正直引いた(笑)えー?時期尚早でしょー?今のあなたに何がつくれるのー?てかアナタはイジられて輝くひとでしょー?友達の言葉を借りると「パフォーマーでクリエーター」なナツキミズさんが一から何かを作り上げることに不安で不安でしょうがなかったですよ。なんかこう、「オフセルフメイクはやりすぎて失敗している」ナツキミズさんが全面に出てくるような予感しかしなかった(笑)。
 あと発表の時期、今後の仕事の予定が入っていなくって、ああ、暇だから自主興業やるんだ、にしか思えなかったんだよ……(ぶっちゃけるなぁ)(マシンガンですから)(笑)
 まあ、ファンですから?担ですから成功したら拍手喝采、失敗したら指さして笑ってネタにしてやる、ぐらいに思っていたのですが(え?それファンなの?担なの?)(笑)7月にやったTATTOO14を見て少し考え変わりました。ああ、この夏希さんならいけるかも、と(TATTOO14再演がいかによかったか、そして初演がいかにアレだったかの話はついったを参照してください)(投げた)。
 とにかくこの三年目の節目を前に夏希さんが「変わった」んですよね。落ち着いたというか落ち着くべきところに落ち着いたというか。迷走っぷりMAX(こっちが勝手に思っていただけかもしれないけれど)だった頃に仕事なさっぷりMAXだったので、その他諸々すごく心配していた時期があったのですが、それがすとんと落ち着いたのが2013年の夏、だった訳です。

 前置き長くなった(笑)久しぶりだからね!(笑)

(ところでこの公演の話を周りの非ナツキ担にした時に、みんな「夏希さんがつくるもの、楽しみだね!」と言ってくれたんですよね。お世辞かもしれませんが、ああ、ファンだから心配しすぎるてらいはあるのかなぁと)

 そんな思いを経ての「Beyond the Door」、わくわくしながら扉の前に立った訳です。
 以下、私が3公演3連戦でみてきたものです。個人の感想個人の妄想個人の幻覚(じゅもん)ですがおつきあいください。






【びよんどめも】

 「Beyond the Door」、水夏希初構成演出。9/14,15の二日間、あくあこん方式の「初日・中日・千秋楽」、場所は品川ステラボール。
 夏希さんは退団後、毎年退団日の912にイベントをやっていたんですね。一年目はユミコ氏とのトークショー+がいずミニコン、二年目はナツキミズトークライヴ(ライブなんだけどマシンガン夏希さんなので自然とトークが目玉になった)(笑)。
 そして三年目の今年は、日付も912にこだわらず、新しいことをいうことで「ショー」を構成演出というチャレンジに出たわけです。

(そいえば去年の912(ここ数年はずっと平日のターン)で「来年は912じゃなくて土日に……」て言ってたね。その頃から「ショーをやる」とまではいかなくても、何か新しい事をやろうとしてたのかなあ……夏希さんならありえそう(笑))


 感想を一言でいうと
「結果としてすっごくおもしろかった!!」

 結果として、て(笑)。
 でもほんとそのひとことだったなぁと思うのです。その辺もうちょっとくわしくうっとおしく語ってみます。



[びよんどめも:最初の扉らへん]

 「Beyond the Door」2時間弱のステージでしたが、内訳はショー「Beyond the Door」で一時間弱、残りがゲストも交えてのトーク&ライヴという構成。
 で、そのショー「Beyond the Door」はダークなほうのオギー寄りで、客席がんがん盛り上がる系でもなく、ただひたすら息をつめて見るような舞台でした(抜きどころもあったけれどね)。そしてなんとなく予感はしていたけれど、つ・め・こ・み・す・ぎ(笑)。初見の時はほんとぐったりした。

 全体は三つで構成されていて。最初が扉を開けるまでの逡巡の物語、二つ目が扉を開けたらショーの始まり(中詰め的な)、そして最後が扉をあけての最初の一歩、新しい世界のはじまりって感じかと。

 舞台上には吊り大道具でいろんな形のドア(全部夏希さんがデザインしたそうな)が下がっていて、舞台中央に三段ぐらいの階段の上に開閉式のドアがあって可動式(伝われ)。あとミロワールの鏡の場面みたいに可動式のパーティション的な扉がいくつかあって、これらが効果的にステージングされてたのはおもしろかった。総勢五名だけのステージだったけれど、すごく見ごたえあってね。ステラボールは演劇ホールというよりライブ会場なので、ライティングも素敵だったなぁ。

 共演者は女子2男子2の構成。
 歌ってよし踊ってよしのキュートなゴム鞠みたいだった田中志乃ちゃん。トークの時も後ろでぴょこぴょこしてた反応具合にちょっとおもしろい子なんじゃないかとにらんでいる(笑)。身体能力がすごかった三井聡君。長身のさわやかイケメンで夏希さんやらほかの共演者をガンガンリフトしてた。 この二人は私は今回が初めましてでした。
 でichiこと鳳樹いち君、あの「スーパーほーじゅいちタイム」のいち君ですよ!そのいち君退団後初の舞台。なんでも夏希さんがNYで偶然会って「え?この夏なにしてるの?」で今回参加の運びとなったのだとか。その再会もダンススタジオでレッスン受けていて、最初は気づかなかったのに、ダンス振り付けで教室のこっちから向こうにだーっと踊り流れていくところで「……あれ?」ってなって再会だったんだとか(ほんとにリアルレッスン中だったのね)(笑)
 で、こーちゃん。上口耕平君。客家で夏希さんと共演していて、その演劇センスに惚れ込んで以来密かに(でもない)夢中になっております(笑)。うちのサイトのお客さんになら通じると思いますがもうね「ジャンクション(所属事務所名)の大真みらん」なんですよ……いろいろ、察してください(笑)。

 また前置き長い!(笑)ざっくりスペックの説明したとこで、やっと最初の扉の話。

 一部はダークファンタジーなイメージで、と思っていたらなんかしょっぱなは聞いたことあるJ−POP(MisaのEscapeだそうです)だったよ!(失笑)まあそれはそれでよしとして、なかなか魅せてくれるステージングだったんだけど、初日の夏希さんのレベルがひどくて、歌、初期化されてて……(笑)二日目からはちゃんと戻っていたので、相当テンパってたんだなあと(笑)。
 で、私は初日の時、最初に夏希さんがひとさし踊った時に演出家の目をしてるなぁとぼんやり思ったんですね。全体を率いるというより、全体を見ていた。あ、じゃあ夏希さんがどんなものを作ったか楽しもう、と思って見ていたので夏希さん自身のレベルは気にするのを放棄したのですが、周囲の反応は。「お金かかった発表会」と芳しくなかったです。うんまあそれは否定しない(笑)。
 まあ私が初見時にはこーちゃんに夢中になっていたからその辺あまり気にならなかったというのもあるんだけどね!(笑)

(まめちしき:前述通り最初はまったく期待していなかったので、全公演観なくてもいいかなー、と思ってたんですが、こーちゃん出ると聞いて全戦参加を決めたらしいよ?(笑))

 そのこーちゃんがこの第一部の「扉をあけるまでの物語」の世界にぴったりはまっていたんだよねぇ。扉をあけるまでの逡巡とか内面の葛藤とか、そういうものを描き出そうとして、自然とダークな雰囲気になるんだけど、その中でこーちゃんが他の共演者よりクローズアップされているというか、完全に夏希さんの対比として扱われていてすごく見ごたえあってね。もう開始10分ぐらいで「なんて俺得!!!!!」て震えが止まらなかったよ(笑)。
 デュエットとかで、わかりやすく対比だったんだけれど、よくよく見るとそれ以外にも細かく「対比」は描かれていてね。
 夏希さんの立ち位置の対にあるドアにこーちゃんのシルエットが写されていたり。
 ダンスの中で共演者が入れ替わり立ち替わったりする中、最後に夏希さんの手をとる(絡む)のがこーちゃんだったり。
 セットのドアは枠に布はってあって、その布をはがすと一転鏡に変わって、まるで鏡の中から飛び出るように志乃ちゃんやいち君が「鏡」の前にいる夏希さんを襲う場面があって(なんてわかりにくい説明)(笑)そこの布(あっちとこっちの境界線)をひっぺがす役がこーちゃんだったりとかね……深読みするのは仕様です(笑)
 でも一部でこーちゃんが夏希さんの「影/半身」であったのは間違いないと思うわけです。
 で、そのデュエットをした「凡才肌」、最初椎名林檎の曲と知らずに「え?夏希さんがこの歌詞書いたの?(萌)」とざわめいたのですがそんなことはなかった(笑)。
 ここはまさに「半身」だったなぁ。白いマスカレイド仮面を被ったこーちゃんが、夏希さんを翻弄するようで翻弄されるようで。夏希さんの真後ろにぴたりと立ったこーちゃん、歌い出す夏希さん、途中からこーちゃんの声が重なってきて、まるで夏希さんの声がこーちゃんにとって変わられたようで、ビクッとおびえる夏希さん(萌)。ほんと夏希さん歌う→口パクに重なるこーちゃんの声、で夏希さんからこーちゃんの声が聞こえたように思えたもの。それで後ろから夏希さんの首脇に手をすうっとさしいれて……ひいい!(大喜び)
 この場面を言語化するのは難しいのだけれど、とにかく翻弄してされて、なぶってなぶられて、突き放して放されて、自分のうちなるものであり、自分を外からみる客観的な存在であり……言葉で表すとすごく中二っぽいんですが(笑)すごくおもしろかった。能動と受動が一方方向じゃないというか、二人がくるくる入れ替わるような感じでもあり。その中で夏希さんがこーちゃんの仮面をとって自分でかぶるところがありまして、素顔になって不安で不穏な面もちで歌うこーちゃんをマスク・ド・夏希がひややかに見下ろす……いやあ、あの顔、たまらん。いや顔半分隠れているんだけど、冷たくて、乾いていて、たまらなかったです。
 そうやって最後には二人が一緒になるというか、夏希さんが右腕をすっと横に差し出して、まるでそこからこーちゃんが吸い込まれるようにしゅるんと、夏希さんの後ろにぴたりと収まって曲が終わる。じゃん、と。あの動きはほんとすごかった。なんかほんとぴったり収まって。
 背格好が近いからこーちゃんを選んだ、って訳じゃないと思う。こーちゃんのあの表現力があってこその選抜(笑)だったんじゃないかなあと。

 最初の扉の最後は、夏希さん作詞のオリジナル曲でタイトルロールの「Beyond the Door」。これが実に今の夏希さんだなぁと思うのですが、ちょっとこの考察は後にまわすとして、曲の中で「いつからか君がそこにいて、いつでも君は鍵を持ってた」と何度も出てくる「君」が、こーちゃんを指し示していてね。後ろの階段から見守るようにこーちゃんが歌う夏希さんを見ていて。そしてお互い顔を見合わせて、こーちゃんが何かふっきれたようにリラックスした顔で、舞台袖にはけていく。
 やっぱり「対比/半身」として徹頭徹尾描かれていたなぁと。
 主題歌を歌いあげて「鍵は今わたしの手の中に」と扉をあけるまでの逡巡を乗り越えたかのように、舞台中央の扉の奥に夏希さんが消えて、第一部終了。
 あ、もちろん休憩とかわかりやすい明示があるわけじゃないけれど、ここまでが最初の扉だったなと。

 しかし夏希さんはほんと翻弄されるのが似合うわー(笑)。こーちゃんだけでなく、いち君や志乃ちゃん、三井君にもガンガン翻弄されている第一部でした。


 ……って、やばい、こーちゃんの話しかしてない(笑)
 いや、場面数はもっとあったし、それぞれにも見せ場もあったんですが、何度も言っているようにこーちゃんとの対比がすごくよくてね……いや、わたしがこーちゃんに夢中すぎてこの文章ってわけでは、では、ない、と思う……(笑)


 そんな感じで、今回も字数制限にひっかかる前に、二つ目の扉の話に続きます。




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