2009年05月14日(木)
内訳:MとドMとドM


 仕事が定時であがれたので、サバキで新公参戦したら、ナツキさんが舞台にでてきてちょうびっくりしたうれしかったです(消し線入れるのそっちかよ)。

 ええっと、懺悔室の教会にガルシア達が追ってくるところで、いきなりベルばら衛兵隊士×3が現れて、あれー?そんな衣装変えなくちゃいけないほど体格差ある人いたっけと思ったらアクア123で(!)。ゾロは一人じゃないよな、俺が見たのは○かった!いや俺が見たのは□かった!と2と3が言いあいしているところに、1さんが「違う!本物はアゴが長いんだよ!」と(身振り手ぶりつ)(爆笑)。そのまま「ガルシア軍曹に怒られる!」と銀橋かけぬけていって、最後にナツキさんが振り返って2階に投げキス……(あ、今むっさんキモイ)。しかしこの去っていく三人が妙にコミカルでとっさに上から順にドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーと配役……ごめんいつものごとく話がそれた。

 しかしびっくりした。昔の歌劇とか見るとそういうのがあったって紹介されていたけれど、実際に観るのはもちろん初めてでございます。


 以上、前段。
 本題!


[雪組メモ:S(しずる)とM(みなこ)の新公メモ]

 しずるもみなこも普通に好きで、本公演を見るだけでやくしゃだなぁと思わせる二人なので、すごく楽しみにしていたのですが……、あ、あれ?期待しすぎたって奴?なんかしっくりこなかったんですよね、最初は。みなこ嬢は芝居がリアルすぎて浮いちゃってたし、しずるもなんかから回っている感じがして、とにかく空気がちっとも落ち着かない感じ。個々の技量としては決して悪くはないんだけど、ものすごく居心地悪かったな、と。ちなみにその中でしずるでよかったな、と思ったのは実は優男です。本当は新公学年なら、あの三役(笑)のうち、やりやすいのはディエゴ(若さを行かせる)→ゾロ(今もっている男役芸を精一杯出します)→優男(やっぱりコメディは難しいよね)、だと思うのですが、実はその優男が私的には一番しっくりしました。みなこは台詞を言って芝居をしているときより、台詞が無いときの細かい所作がすごく「やくしゃ」で。あと、一人だと浮かないから、「愛は引き潮」がみなこらしい味付けでなんだか変に面白かったです。そのリアルさが裏返しで笑える、的な感じかなぁ。
 そんな感じに居心地悪く観ていたんですが、そんな空気がアクア123の登場でがらりと変わって。や、そんなの変わるの当たり前ですよ?でもそこでえらかったのは、その後のまなはると君たちがその変わった空気を自分達のものにしていったんですよね。「のみをつぶして」も本公と何が違うってわけじゃないんだけど、すごくウケてて。あの好機をのがさなかったのはほんとエライ(っていうか特出を差し込んだ場所もドンピシャだったんだと思う)。まあもちろん、新公の主役は彼らなんだから場をさらった、っていうのは確かに否めないんだけど、私的にはそこから盛り返したんでよしとします。
 空気が変わってからは俄然みやすくなって、みなこの(私的には)しっくりこなかった台詞がちゃんと舞台に刺さるようになった。ワカンタンカの洞窟での「言葉を捨てるわ」はやっぱり彼女らしいリアルさと重さを含んでいるんだけど、それが浮いていなかったんですよね。ちょうど話の流れ的にシリアスになっていくところなせいかもしれないけれど、とにかくそこ以降のみなこはすごくよかった。最後に銃殺に科せられる場面の凛としたたたずまいとか。
 後半のしずるでよかったのは、銀山でのワカンタンカのとこ。あの嘆きの歌にすごく打たれた。なんかそこで急に、この新公がゾロがヒーローになる為の物語に思えてきて。そしてその後の「ビバゾロ」で称えられる場面とかも、なんかそういう印象でした。もちろんゾロは最初からヒーローでなくちゃこの話はなりたたないんだけどね。でも最後にそうやってすとんと落ちた感はありました。ディエゴでもゾロでも優男でもなく、その三つがひとつになった最後のディエゴが一番、香綾しずるとして素敵だったというか。そう思うと、前半は割と分散されちゃっていたのかなと思った次第。

 ちょっと辛口ですみません。でも舞台のナマモノ感を味わえて面白かったです。新人公演ってもちろんそれぞれの技術の研鑽であるとは思うのですが、やっぱりあの空間をどこまでモノにできるか、という場な気がしてきました。私的判断だと、空気さえ掴んでしまえば、技術が多少不安定でもなんとかなるもんかと。それが舞台の面白さかなと。


[雪組メモ:SM以外の新公メモ]

・そんな風に(私的に)居心地悪い空気を終始すくってくれたのが、凛城君のメンドーサでした。いや、役的が端的に出していきやすいせいかもしれないけれど、彼の芝居とか台詞回しとかがこの舞台にぴったりと収まっていた感じです。う、うまい、よ、ね?正直「もっさりしてんなぁ、なんで二番手?」と思っていたのですが(こら)、意外な発見でした。あいつ痩せたら世界を革命するぜ?(こらこら)

・噂のさゆちゅわんのカタリーナは確かにすごかった。が、みなこ同様「舞台あらし」だなぁと思いました。誉め言葉でもあります。さゆちゃんは、もうちょっと周りに合わせると(あるいは周りがさゆちゃんのレベルに(技術点と言う意味ではなく次元的階層として)合わせると)、もっと面白くなると思います。でも詩風君との夫婦漫才はおもしろかったです。普通に脚本としてアリでした。そんなプリド農園コーラス隊で、さゆちゅわんが歌い始めたときも相当おもしろかったのですが、詩風君がマラカス揺すりながら歩き始めたときには「ちょ!二人同時に攻撃しないで!」とガタガタ震えました(笑)。

・そういえば今回、ハルキ=アズサの話をしていないのですが、あんなに騒いでいたのに今回本公で全然センサーにかかってこないんですよ……が、新公は違いました。インディアンでまたしても「前髪あるだけで男前と当社比20パーセント増」を披露した後、スペイン農園主でつるっとオールバックでくどい小芝居を繰り広げておりました(笑)。ちょうどさゆちゅわんと一緒にオペラでピン取れたので、くどいくどい(笑)。やっぱり俺、ハルキ=アズサの事好きだなぁと思いました。

・舞羽美海ちゃん(雪組の最終兵器)のとこに透水さらさちゃんが入っていたのがツボでした。わかってる!




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