2007年10月28日(日)
クリストファー・ロビン


 私はIKEAが好きでけっこうひとりで遊びに行っているんですが、「そろそろ家族連れとカップルだらけの中ひとりでまぎれこむのがしんどくなりました」と言ったら(苦笑)オトモダチがつきあってくれました(ありがとう!)。と言うわけで今日はいちいち感じたこととか「これウチにあります」とか「これこのあいだはなかったです」とか「これ狙っているんです」とか「ぴんくでかわいーの」とか諸々漏れた金平糖とか(え?)を全部口に出していたら、IKEAを出てきたときには喉が痛くなってました(笑)。あー、やっぱり私しゃべってなんぼだ。でも割と何度行っても楽しいです。結構マメにマイナーチェンジされているし、ラインナップも色々変わるし、無駄に自分のワンルームに夢が開きます(笑)。



 で、昨日は雪組さん行ってきました。



[雪組メモ:銀薔薇年代記全体メモ]

 タイトルを見たときから、設定を読んだときから、ポスターを見たときから駄作の香りがしているのが否めなかったのですが(ばっさり)、いい感じに裏切られました。たのしかったー!
 正直、脚本のヌルさとか、ベタさとか、カユさとか(多分これが一番大きいかも)もあるんですが、それを越えて楽しかったです。なんだろー、なんでこんなに楽しかったんだろー。特別にご贔屓さんがいるわけでもないし、下級生なんか全然わかんないし、ツッコみどころもたくさんあったし、それじゃあ作品的に優れているのかと問われれば、ちょっと口ごもる(笑)。よかった、上手だった、感動した、というのではなくてなんかすごく楽しかった。出演者も、客席も、一緒になっていたような感じもあるのかなぁ。あの日あの時あの場所でしか味わえない楽しさ。「タカラヅカって楽しい」そんな風に胸いっぱいになりました。
 そんな気持ちを抱きつつ、いつものように作品的な話をすると、やっぱりあのラストシーン必要だったのかなぁというのがまず一番に出てきます。でもこの「必要だったのかなぁ」は「いらないでしょ?」っていう意味じゃなくて、文字通り「?」になります。無くてもよかったし、あってもよかった、私の中で賛否両論なのですよ(笑)。
 ただ思ったのは、小柳先生が抱く「ヴァンパイア」のイメージが両極端に出ちゃったのかなぁと。ポスターの雰囲気にみられるような「ヴァンパイア」というゴシック的な暗黒的な猟奇的なという外見的なイメージ(オープニングとか最後にヴァンパイアコスで出てくるとことか)、と「ヴァンパイア」という永遠を生きるものの孤独という内面的なイメージ(本編はこれがベースになっているんだと思う)、それが両方極端にでちゃったかなぁと。まあ、どっちもやりたかったのが小柳先生のやりたかった事なんだろうけれど、本編があんな感じに明るく楽しく盛り上がってしまった為に、なんとなくそういうヴァンパイアの外見的なイメージがエキシビジョン、ちょととってつけた風に見えたかな、とぼんやりと思いました。
 最初に「シルバー・ローズ・クロニクル」というタイトルを聞いたとき「またご丁寧に萌えそうな単語ばかり集めて」って思ってしまったのですが、確かにクロニクル(年代記)だったなぁと。想いが繋がり想いが重なり想いが続くクロニクル。


[雪組メモ:銀薔薇年代記個別メモ]

・とりあえず力いっぱい言いたいことは「みんなもっとユミコ男爵を称えるべきだ」という事です。やー、ユミコ男爵素敵だったなぁ。一番印象に残ったのが、実は本編ではなくてフィナーレの男役タンゴの後のソロダンス。……す、すごくカッコよかった(素)。ひゃあってなったひゃあって(素)。ごめん今までユミコ先輩踊れる人だって思ってなかったから(芝居の人とか歌の人って認識だったから)。芝居してヨシ、歌ってヨシ、踊ってヨシ……なんか今更ながらリスペクトして帰ってきました。
 余談ながらエリオットのオタク的行動で一番リアルだったのは「怪奇映画がすきなんでしょ」と問われ一旦「それほどでも」と否定するところと、「みんなは馬鹿にするけれど」という具合に自虐的なところだと思いました。なんというか身につまされた(笑)

・で、力いっぱい萌えてしまったことは「てるさゆで兄妹萌え!」って事なんですが。いやもう冒頭の「まってよ〜」にはじまる兄妹コント(コント違う)でドカンときました(輝彦さんがさゆちゃんの頭ぽんぽんしたところで沸点マックス)。更にこの兄妹は「この世で二人きりのハーフヴァンパイア」という萌え設定も装備しております。なんかその迫害されてふたりきりで生きてきた50年間を思うだけで釜が回ります(止めて!)。この二人の設定はもうちょっとツッコんだら面白いなぁと思うのですが。ぐっと来たのが「何故迫害されるの」みたいな事をアナベルが聞いて「人間が弱いからだ」と答えるクリストファー。そうやって永遠を過ごしてきたこの兄と妹は一番近い存在でありながら、「ハーフヴァンパイア」ということに全く違う見解を持っていて、その運命を受け入れつつも尚も太陽を求めるアナベルと、その運命を受け入れて闇に沈むクリストファー。でも二幕最初の御伽噺風に語られた二人の物語の時(ここ音楽もよかったよね)、運命に立ち向かう風情のアナベルに対して、クリストファーがものすごく弱いはかない顔をしていた。そんなクリストファーが長い時を経て冷徹で冷酷で、終わらない人生に飽いて運命を諦めている……ほらね、いくらでもエピソードが差し込めるじゃないですか!(聞かれても)。という訳で今回の輝彦さんは良かったと思います(いきなりまとめ)。

・さゆちゅわんは力いっぱいかわいくて、そして力いっぱいヒロインで非常に好感が持てます。息を呑んだ時の表情がいつも同じだなぁと、ちょっと思ったりもしたんですが(素)、冒頭で舞台に出てきたときに「うわあああああ」ってオペラで見ちゃう華……というか凄味?(笑)。しっかし力いっぱいかわいかった、胸の下で切り替えたワンピが死ぬほど似合う……。

・うっかり圏外だった北輝萌えをしかけたのですが(しかけた、て)。あーのーねー!一幕の最後かどっかでクリストファーが「永遠の無為な人生、スリルがなければ」と人生への虚無感を歌って、その後に「他人の執着に乗っている」ヴァン・ヘルシングもなんか人生なんて無意味だみたいなことをいっていて、ヴァンパイアと人間という異なるいきものでありながら、クリストファーとヴァン・ヘルシングはとても似ている、同じ虚無感を抱いている「お前も獣か、俺も獣だ」的な展開を想定して釜に砂糖をいれたんですが、ヴァン・ヘルシングもきゅーけつきだったなんて。うわもう(私の萌え的に)ダイナシじゃないか。砂糖返して!(同じヴァンパイア同士、だとこの萌えは半減するのですよ、違う時間軸を生きているのに同じ、というのが私的に萌えなんですよ)

・とはいえ物語的に見るとヴァン・ヘルシングもヴァンパイアになった、というのはすごい面白かった、「おお!」と思って盛り上がったんですが……うん、これは単に自分の萌えテンプレートに当てはまらなかったからって勝手に騒いでいるだけです。すみませんすみません。

・そんなおっくんの後ろにいた男子二人が結構好み、しかも左側の顔の丸い子、好きだなぁと思ったら香稜しずる君(気になるアイツ)だった……。あああああほんと個体認識能力がなくてすみません。でもその認識(気になるアイツ)を取り除いた状態で見ても好きだって思ったんだからほんものなんだと思うよ?(何が)引き続き見守っていきたいです(かわいそう)。

 
 ※でもその後ラストシーンはやました先輩のところ読んで「ああ!」と膝ウチで納得しました。


 ほんといつもながらバカな感想ですみません。






[おまけ:しょーとえすえすー](ショートコントー、と同じ文脈で)


 わたしがハーフヴァンパイアに生まれた運命を、
 呪ったり抗ったりしてきたけれど、
 ようやくその理由がわかったの。
 
 あなたという、ベターハーフに出会うために。



(みじか!)(わかりにく!)


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