2007年04月14日(土)
スマートモテ温野菜スタッフ講座(雑炊編)


 花組さん初見です。


[花組メモ:初見総括]

 構えに構えて行ったせいか、大丈夫でした。そんなに凹みもせず怒りもせず。
 ただね、なんだかすごく気持ち悪いです。後味が違うのともまた違うし、具体的にどこがどうとかいえないんですが、気持ち悪い作品でした。何より明智小五郎が気持ち悪い……っていうのを解明できない自分自身が一番気持ち悪いので、苦情反論その他は私の解明が終わってからにしてくださいませ。
 しかしびっくりするぐらいタカラヅカじゃなかったね、アレ。場面展開とか台詞回しとかいちいち小劇場チックだった。多分これ、宝塚じゃなかったら、大劇場じゃなかったら、そのまんま受け入れられると思うんだけどな……多分、そうするのが一番私が「気持ち悪くなくなる」方法かと。
 ショーはいつものオギー節じゃないけれど、いい意味でさらっと流せる作品だと思いました。ジャズバーで、お酒を飲みつつ会話をしつつ時折目を奪われて耳を傾け、みたいな?そういうものをオペラでがりがり狩りとっている見方の方が間違っているんじゃないか、と思わせるほどに(笑)。でもこういうスタンスで対することができるっていうのも、これもある意味タカラヅカっぽくないなぁと思いました(タカラヅカはオペラで狩ってなんぼというか)(笑)。つうかオギーショーはピン撮りしていると周りで何が起こっているかわからなくなるんだよね……。


 じゃ、その「オペラでピン撮っているところ」の話をします。


[花組・壮一帆]

 これを言うのは多分三回目になるのですが

 壮一帆さんはお芝居で入ると、壮一帆でもない、えりたんでもない、横山でもない何かがその中に入る、というのをまたしても再確認してきました。上手く言えないんですが、今日思った事は「この人、自身を消すのが上手いんだ」ということです。没個性とかそういうのとはまた違うんですが、なんというかその場その場に、自分自身を消しこんでぴたっとハメるというか。役にハメるというより、舞台にハメているような感じ?(伝わらない)(誉め言葉だけど伝わらない)。とにかくそれを強く感じました。気持ち悪い、と感じた中で唯一気持ちよかったというかすっきりしていた場所が「壮一帆さん」でした。でもやっぱり私が普段言うところの「やくしゃ」ではないような……なんだろう、今なら「演者」という言葉が自分的にはしっくりきます。

 で、そんな壮一帆さんですが、花組に来てほんと横山臭消した!タランテラの時にはまだ臭っていたのに!花組・壮一帆はかつて横山であったことを無かったことにしているような気がしてなりません(笑)。かつてなら一杯引っ掛けているようにしか見えなかったであろう、ショーでのゴキゲンでゴヨウキな場面が、全部素面だった。つうか妙に若返っていた、っていうか子供がえり?(真顔)。ほんと「わーい」って感じだったんだよ、素で子供みたいだった、大人がもつ少年のような心、じゃなくて、少年。そんなの見たこと無いよ私(少なくとも私は)。でもそれはそれで新しい壮一帆としておいしくいただいてきました(大好きだね)(ええまあ)。
 白のスーツを着て銀橋をわたるその姿に最初から最後までまったくボケることもツッコむこともできずに「はう!」と思っておりました……いったか(うん)。
 総じて花組・壮一帆に全然違和感がなかったということでまとめておきます。いや、里帰りだから当たり前なんですけれど、私の中の壮一帆デフォルトはあくまでも雪組時代なもんだから……ねえ?

 あ、でもいっこだけツッコミたいところが!
 フィナーレで皆が帽子のツバに手をかけたままのポーズで階段降りするじゃないですか?あそこの壮一帆さんの手、おかしくないですか?なんかツバをつまんでいるっていうより耳の後ろに手を当てている(何?聞こえない?のポーズ)にしか見えなくて、そこから転じて「なんですかマン」にしか見えなくてひとりで悶絶しておりました(ふるふる)……よかったら今度、確認してみてください。


[花組・真飛聖]

 花組に組替えしてきてからの真飛聖さんに感じていた違和感が今日ようやくすべて整理がつきました(長かった)。これを言うと多分怒る人もいるし反論もされると思うんですが、後で言うなら今言っても同じだし、今のイキオイの方が言えそうなので言えます。一言で言えば

 あの人、別人だよね。

 っていう事です……少なくとも私の中ではそういう事になりました。劇場で今まで書きとめていた「真飛聖にやらせたいものリスト(一番上には永遠物語)」を綺麗に破り捨ててきました、そんな感じです(はい?)。でも別にそれを寂しいともなんとも思っていないんですね、むしろ私は真飛さんの事は大好きだけどいわば外野のファンだから、そこは無理してつなげなくてもいいんだ、そういう責任(は?)追わなくてもいいんだ、という事に気付いたのです。
 で、花組・真飛聖は一言で言えば「おっさん」だなぁと。これ、実はパレルモの時から思っていたんです。パレルモの時の真飛さんはほんとどうしてもつかめなくて、それがマイ楽の時に「つうかロドリーゴって37歳なんじゃね?」と思ったら割とあの迷走していた(言い切ったなお前)芝居が全て納得できたんですね。で、面白い事にこの「おっさん」は星組・真飛聖が成長してなった果ての「おっさん」ともまた違うんですよ。最初は花組来て一気に年齢設定があがった、と思ったのですが、年齢設定だけじゃなくて基本設定も変わった、というのが私の結論です(ちなみに2003年後半(魂の兄弟を失って以降)からの星組期の真飛さんは文字通り「年齢設定だけがあがった」と言えるかと)。
 基本設定の違いが一番顕著だなぁと思ったのが、あやねちんを前にした時に完全に「格上の男のあしらい」になってた事です。星組・真飛聖の属性にあった「身分違いの高価い女にあこがれる」っていうのが今はもう似合わないだろうなぁと。己の才覚と財力と権力で高価い女を手に入れることができるようになった、って事です。ショーでそれを強く感じたのですが、お芝居でも思い返してみればまんま目の前に「高価い女」をおかれても「身分違いの高価い女にあこがれる」っていうステータスになってなかった、と思います。
 一言で言えば「真飛さんほんっとスターになったんだ」という事です。うん、何もかも伝わってないのは承知です。
 私なりの真飛聖少年神話の中に「真飛聖はリアルに少年の成長過程を歩んでいる」っていうのがあったのですが(マインドの時に言っていた「真飛聖さんの年齢の振り幅は縦方向」と同義)、その成長過程の慣れの果てでは、タカラヅカのスターにはなりえなかった、という事なんだと思っています。そうやってリアルに少年の成長過程をあゆんだ真飛聖さんは、ほんと稀有なタカラジェンヌであったという訳です。少年の成長過程とタカラヅカスターとしての階段を平行して登っていった真飛さんだけれど、最後の最後で、タカラヅカスターとしての階段一本に乗り換えたというか、少年の成長過程を脱ぎ捨てた、というか(だから別人、と感じた訳です)。
 で、そんな風に「おっさん」な真飛聖さんがほんと素敵だった(真顔)。実は私は香寿DNAは真飛さんの中にも確実に流れていると思っています。ちなみに新公主演を多くやったのは涼さんで、実際涼さんの中にもそれは流れていたと思うのですが、涼さんにはそもそも紫苑DNAが入っているのと、その紫苑DNAすら最近は抜けつつあるので(後でちゃんと語りたい)、結果として香寿DNAは残らなかったかな?という解釈です。香寿DNAの流れを真飛聖さんの中に感じるのです。クドイのが素敵!なときめきがそこにあったのです。そのときめきは星組・真飛聖さんの「ケー(嗄)」が素敵!とはまた別の意味での濃くてくどくてぎとぎとなものへの賛美なのですよ……。


 色んな意味ですっきりしました。花組組替当初に感じていた違和感とか、マインドの時に感じていた「男役真飛聖の設定年齢」に対するもやんもやんとか、全てすっきりした気分で自分的には満足です(ヘルメット着用)(も、モノを投げるのはよしておくれ)



 以上を踏まえて。最後にウチ的に外せないところを。


[花組・壮真飛](えそれ個人名じゃないし!)

 まあお芝居は言われたとおり絡みがなく、なんともかけがたい状況(現時点では)(では、って)なのですが、ショーの方でうっかりキてしまいました。あの、すみ花たんが青い服で怪我して出てくるところ。あそこもほんとピン撮っていて全然話が読めてないうえに、プログラムも買ってないので話を理解もしていないのですが、それまで余裕綽々だった真飛さんが、一瞬ぐわっと感情をむき出しにして、それを壮一帆さんがすっと制するところがあったじゃないですか?(伝わるかなぁ)。あそこでかけざんボタンが連打されてしまいました。なんというか壮一帆さんが「あなたはまだそんな面(感情的になる部分)を持っていたのですか」と冷笑するのが聞こえました。転じて、なんらかの組織のトップに君臨する真飛さんとそのお目付け役、という設定です。分かりやすくたとえると極道の若とその教育係というありきたりなBL設定なんですが、この場合、真飛聖さんの設定年齢が前述のようにあがっているんで、もう「若」ではないんですな。
 もはや「そんな面」があったことすら周囲のものは知らないのに、ただひとり「彼」の傍につき従っていた「彼」だけが「彼」のその面を知っている。「そんな面」は周りにはいつもの彼と変わらないように、あるいはなんでもないことのように見えるけれど、「彼」だけにはそうやって眉をひそめる「面」として写る……そういう設定です。やー萌えた……。
 とはいえその萌えはあの場面限定です。最終的な結論として今後ナパームスクエア的壮真飛公式設定は「同期イチの出世頭管理職(真飛)と能力はあっても出世レースに頓着しないお気楽な平社員(壮)」という設定です。なんというか真飛さんのおっさんぶりがほんと妙に貫禄があるのと、花組壮一帆さんがいやに若やいでいるところから、そう感じました。転じて「壮一帆さんは横山やすしじゃなくて植木均(無責任男)」という事に気付いてひとりでやべえ俺今いいこと言った!と思ったのですが多分これも誰にも伝わりません。




 ほんと、伝わらない……が、言いたいことは言えたのでヨシとします。ヨシ!(自分に言い聞かせ)




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