2007年02月08日(木)
まさしく自腹をきる


 アパートにどろぼうさんが入りました(ギャ)。
 幸い、ウチは無事だったんですが、窓破壊で何軒かやられた模様。
 やっぱり被害有無の分かれ目は雨戸を下ろしていたかどうかなんですよね。わたしは前回の教訓があるから、日々下ろしっぱなしなんですよ。不健康極まりないのですが、今の部屋は幸いに出窓があるので、そんなに気にもならないんです(それが決め手で今の部屋を決めたのもあるんです)。
 今のアパートは、過去に(わたしがいなかった頃)一回入られていて、以来大家さんがすごく気配っていろんな配慮がされているんですよね。二階にあがれそうな場所をとっぱらっちゃったり、庭に玉石敷き詰めたり(足音が立つので泥棒は嫌うそうです)、ライトで死角をなくすようにしたり。各部屋に窓につける警報機とかガラス破壊防止のクレセント(鍵)周りカバー配ってくれたり、でもはいられるときは入られちゃうんですよね。安全なんてどこにもないや(凹)。
 という訳で、皆さんもほんと気をつけてくださいね。ひとごとじゃないですから。はいられちゃうときははいられちゃうけれど、ちょっとしたことで(今回の私みたいに)ふせげるものはふせげますから。


 さっき帰ってきたお隣さん(被害)の捜査が今から始まりました。物理的にも(物音がうるさい)精神的にも(被害がなくてよかったけれどやっぱり怖い)寝付けそうにもないよ……。


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 もうこういうときは甘いものだよね!(反論不要)








[ヘイズコードSS……何本目?(素)]


「君の話はヘンリーの話ばかりだね」
「え?」
 目の前のエドワードがにっこりと微笑みながら言った。
 私はそんなつもりはなかったし、無意識で気づいてなかったから言われて驚いた。でもそんな風に言われたのは初めてだったし、たぶんそんな風にしてしまうのも初めて……たぶん、このひとの前だからそんな風にヘンリーの話ばかりしてしまうのだと、このひとだからそんな話も聞いて欲しいと思っているのだと、うすうす気づいていた。でもそれは言わずに
「そうかしら?」
「うん、僕も弟がいるからわかるよ」
 言われてみれば、エドワードからも弟のレイモンドの話をよく聞いた。その理由がわたしと同じで「このひとの前だから」ならば、嬉しいけれど。
「仲がいいんだね」
「そうかしら?でもあの子わたしを『ねえさん』だなんて思ってないのかも。いつもバカにされてるのよ私」
 それにエドワードが笑った。
「好きなんだよ、君のことが」
「……『僕にも弟がいるからわかる?』」
「まあ、そうかな」
 ふと私は思い出し笑いをした。彼が何?と聞いてきた。
「そういえばヘンリー、あの子初めてあなたに会ったとき、妬いていたわ」
「それは光栄だな」
 と、そこでエドワードがはた、と口をつぐんだ。私が何?と聞くと
「レイも君に妬いただろうか」
 まじめくさって言う。それがいつもはお堅い彼なりのジョークだと気づいて、思わず笑った。彼 の顔がほっとしたように緩む。でもごめんなさいエドワード、あなたが言ったジョークよりあなたが言ったことがおかしかったの。そして、彼もまた弟を愛しているのだとわかるその口振りに、ほんわりと暖かい空気が流れる。
「今度会わせたいわね、二人を」
 私たちの弟たちはまだ面識がないはずだった。
「そうだね、いずれ兄弟になるわけだし」
 ……え?
 私が固まったのに、彼があ、と気づいて慌てた。
「ごめんあの、そういう意味じゃ」
「そういう?」
「つい、うっかり」
「つい?うっかり?」
「いやだからその……」
 そんなの、聞き流せばいいのに、何故か喰らいついてしまった私と、慌てる彼。
「ごめん、でも、僕はそうずっと思っていたから。……ラレイン、僕と結婚して欲しい」
 突然の展開に今度は私が慌てた。
 思わず立ち上がってしまった私の手を握りエドワードが引き留める。
「ごめん、こんな形でなんて。本来ならちゃんと手続きを踏んでしかるべき場所でしかるべき時があると思う。でも今僕が言ったのは、なりゆきじゃない。つい、でもうっかりでもなく、君と結婚したいと……」
 しどろもどろにエドワードが言葉をつづる。きっとエドワード自身も驚いているのだろう、まじめな彼のことだもの、プロポーズには最高の場所と時間で、薔薇の花束を添えるつもりで。私だってプロポーズはそういうものだと思っていた。でも今、目の前の彼はあまりにも真摯でまっすぐで。彼らしくなく頬を紅潮させているのがなんだかとても愛らしくて、何よりそう彼に言われた事がうれしくて……ヘンリーに言われた通り。やっぱりまじめなひとが、まじめな彼がとても好きだと思った。
「返事は急がない。いやむしろやっぱり、こういう話は日を改めて……」
「お受けします」
「うんそうだそれがいい。こういうことはきちんとしなくちゃいけないから」
「プロポーズ、お受けしますわ、エドワード」
「……って……ラレイン」
「わたしも、ずっとそうなったらいいな、て」
「ラレイン」
 私の手を握ったままのエドワードの手の上に、私の手を重ねた。
「……また、ヘンリーに妬かれるかな?」
 キスの後にエドワードが言った。
「妬かせてやりましょう?ヘンリーにもレイモンドにも」
 くすりと彼が笑った。
「そうだね」
「ずっと、いつまでも」
「……もちろん」
 そしてまたキスをした。
 ごめんなさいね、ヘンリー。
 わたしは心の中でつぶやいた。
 もう「弟の話ばかり」はしないわ。これから二人で、二人の明るい未来の話ばかりを、するのだから。


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 わかりやすくゆなひこ君ちのチョコレート工場に触発されました。だって、私の金平糖釜に砂糖いれるんだもん!(責任転嫁)。……オンでもオフでも、ゆなひこ君とはよくSS合戦をやっているんですが(笑)、この間「まるで俺らの行動は雪合戦ならぬ金平糖合戦だよな!(雪玉の変わりに金平糖を投げあう郷土の遊びです)(当たるとちょっと痛い)(そしてなんかべたべたする)」と言ったら「や、俺らMだからむしろその痛いのを喜んでいるんじゃね?」と返されました……そんな日常です(えー)。






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