2007年01月10日(水)
そういうものは比例する


 昨日、電車で隣に立っていたおじさんが東亰異聞読んでてすごい声かけたくなりました(かけられても)。あと電車の中で隣の人が読んでいるものが時代物だとわかると、どの時代か誰の作品かを当てに行ってしまうのですがお行儀悪いですか悪いですね。





 本日の甘いものレベル=金平糖に生クリーム(そりゃ甘いわ!)。

 ほんと、甘いんで、お気をつけください。






[ヘイズコードSSその2]



「そういう、事か」
 フェリックスから「彼女はお酒が好きなんですよ」と聞かされていたから、初めて二人きりで食事をした後にバーに誘った。その時、そう言っていたフェリックスが意味ありげな笑いを漏らしたのが気になっていたけれど。
「くぉらー!おんなのこなら誰でも口説くんだろー、ん?」
 僕にしなだれかかるリンダを受け止めながら、そういう事かと理解する。
「ねえ、あたしきゅーと?きゅうと?」
 すっかり酔っぱらって前後の脈絡がない。
「はいはい、きゅーとですから、もうその辺で」
「何がその辺だー?それはどの辺だー?」
 きゃらきゃら笑い転げる。まったくもってたちが悪い。酒癖が悪い。
「あたしのこと、よっぱらいてゆったー!」
 今度は泣きだした。ほんとにひどい酔っぱらいだ。僕は慌てて言った。
「ゆってないよ」
 思っただけで。
 ああだけどおかしな事に、ほんとおかしなことなんだけど

 かわいい

 酔っぱらう彼女がいちいちかわいく見えて仕方がない。なんだ、僕も酔っぱらって?いやそうじゃない、そうじゃないんだ。
「さー!もういっぱーい!」
 だから僕は彼女を腕をぐいっと掴み引き寄せた。顔を間近に寄せて。
「お酒にばかり酔ってないで」
「へ?」
「今度は僕に酔ってくれる?」
 眼鏡を外してあげたのは、キスをするのにじゃまだから。
「……」
 押しつけた唇に唇がきゅっと結ばれる。突然のことに身体をこわばらせたその背中に手を添えて、優しく唇を開かせて舌を差し入れる。されるがままの彼女の舌をとらえる。
「酔った?」
 唇をはなすと目をぱちくりとさせ、やがて瞬時に頬が染まる。
「あ、あの、わたし……」
 逃げようとする彼女は眼鏡がないせいか、ぐらりとよろけた。僕はそれをとらえて、しっかりと抱き寄せる。
「……ごめんなさい」
「いいよ、酔っぱらっているんだから」
「いい、の?」
 彼女がおそるおそる僕を見つめる。もうお酒には酔ってない。
「いいよ、酔っぱらって。もっと」
「もっと?」
「もっと」
 もう一度、と口づけた。今度は、彼女が自然と僕の首に腕を回した。
「酔った?」
 彼女がこくん、とうなずいた。
「じゃあ、酔いさましに少し歩こうか」
「さましちゃうの?」
 名残惜しそうにひどく甘えた声をだして、それに自分でも驚いていた。あわててうつむく。

 かわいい

 僕は言った。
「愛を語るのは素面じゃなくちゃ」



++++++++++
 でも実際女の子ダイスキで享楽的なヘンリー・リッチさんはこんなキャラじゃないかもしれないと思いつつ、私にはどうしてもこうしか見えなかったんですよ、なんと言われようと。なんだ、涼さんだからこう見えたのか、ひかちゃんがかわいすぎるるからこう見えたのか、つうか単なる俺のドリームか?(三番目の選択肢に5000ヘイズコード)。……だ、大丈夫!甘いの嫌いな人はうちなんか見てないよ!な!




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