| 2006年12月24日(日) | ||
| 弓月 | ||
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今日壊れたPCを修理先に送り出しました。無事に帰ってくるように(できるだけ安価で)祈っていてください。 で、普通に現れてコレを書いているんですが、当社比1.5倍ぐらいは時間かかってます。慣れないキーボード配列と慣れない体勢でも尚、うつべきときうちたいものはうちたいのです。 [スカステメモ〜今日は雪組さん特集だよ!〜] つうか見すぎ。 ・で、昨日は予告どおり「あの日見た夢に」を見たんですが、途中で寝ちゃってふと目が覚めたらもうマイケルが倒れていました。多分一幕を「これはどこで萌えたらいいんだろう?」と必死に見過ぎたんだと思います。とりあえずまーちゃんがかわいかったのと、意外にマイサキ奮闘公演(なんてわかりやすい舞咲りんの使い方なんだ!)だったのがわかっただけでもいいのかもしれません(何気にお茶を濁そうとしているな?)(笑)。壮一帆白衣萌えというより壮一帆「また根拠のない愛情の押し売り」萌えだったと思います(どんな萌えだ)。そんな壮一帆さんが大好きですなんですが、そんなことを言う自分の身がそろそろ危うくなってきたような(真顔)。 ・まーちゃんのミュージックサロンを見ました。で、ワタクシどうしてもわからないところが。 あのハウトゥーサクシードの曲なんですが(公演自体も見たことない)、あれは「仕事から帰ってくる彼をやさしく迎える専業主婦を夢見る」まーちゃんが「職場にいる気になる彼を誘ってしまえ」な場面なんですよね。あそこの壮君の「ちくられたらどうしよう」の前後の文脈が繋がりません。聞き間違い?3回ぐらい見ているんですが、あれ?あれ? それはさておき。ここの場面に続くハマ壮場面なんですが、いつなんどきウッカリ壮一帆さんが「オカマもいいかもしれない」と未知なる扉をあけてしまうんじゃないかと面白がっていや、手に汗を握って見ていました。 ・たまたまリアルでまーちゃんサヨナラ特番を見たんですが……しまった撮っておくべきだった。あの合い間合い間に挟まれるプロモ画像の完成度の高さときたら!(小奇麗なホテルのチャペルにたたずむまーちゃん)(小奇麗なホテルでシャボン玉と戯れるまーちゃん)(小奇麗なホテルの東屋のソファーでうたた寝するまーちゃん)(しかも何気に衣装着替えている!)うう、私ならここだけ集めて一本保存版つくる(このオタクが)。 これはサヨナラ写真集のかわりなのかなぁと思いました。そう言えばふーちゃんの時のサヨナラ特番もこんなプロモがあってうはうはしながら見ていた気が。ちなみに檀ちゃんの時はその写真集メイキング映像だったよなぁと。うう、次からは要チェックだ。 ・「睡れる月」を見ました。カッさんに完敗カッさんに万歳三唱。カッさんの作品としての二番手の在りかたにも、組としての二番手の在りかたにも、心底感服。上手くいえないんだけれど、カッさんは実にいい二番手だったと思うんです。カッさんがあの立ち位置でぎゅっと締めて(あるいは占めて)くれるから、コム蔵さんパートが生きてくるというか……伝わんないなぁ、漠然としていて。そういえば(ここから脱線)、この間コム蔵さんサヨナラ番組で、トップ就任公演の初日挨拶を見たんですね……別人だった、すごい別人だった。シレっと笑いに飛ばす事も、歌唱指導もしてなかった。つうかまだ番長じゃなかった。驚きました。そう思うとコム蔵さんほどトップになって変った人っていうのも珍しいんじゃないのかなぁ。成長とはまた違う変化というか。それは舞風りらという相手役と貴城けいという二番手を得ていた事も大きいのかもしれない。トップとしてのコム蔵さんも、トップ娘役としてのまーちゃんとしても、二番手のカッさんとしても、もっと言うと男役・娘役としてそれぞれにスバラシイ個性だと思うのですが、この三人が組んで作り上げたトライアングルが軌跡のような完成度だと思ったのです。そんなことをぐるぐる考えながら丸一日引きこもっていたのですが(今日はただの日曜日なのでね)(おじさま口調)、そう言えば壮ひろみにかまけすぎて(笑)、コム蔵さんへのコメントを残していないなぁと思いました。でもそれを始めるとまた「さいしょはすきじゃなかったの」というところから始まるのでうっとおしいかなぁと(まったくだ)。ちなみにコム蔵さんに初めてセンサーが動いたのは、お披露目全ツのパイナップルの女王が「また安易に女装でウッカリ美女なんでしょ?」と思っていたら意外に漢で「あら?(目ウロコ)」とだったんじゃないかな、と。あとお披露目の春麗で意外に植田歌舞伎の立役としてすっとカッコよかったこと「あらあら?(目ウロコ)」っていう感じだったのとか。そう思うと私のコム愛歴はコム蔵さんトップ歴と重なっているのかもしれない。平たく言うと大好きって事です。 で、何の話だっけ? 「睡れる月」は志紀さんの退団公演でもあります。つうか二年前の作品なのに、志紀さんだけじゃなく沢音もいないし、まちかぼんもいないし、きんちゃんもいないし、きぶねなお君もいないし、こんどコムりらカシあみたんありさみほおねえさま悠なお輝氏も辞めちゃうし……。でもね、少し前まではこういう「少し前の作品」を見るたびに退団者を数えてがああー、と思っていたのですが、でも見ながらこの「少し前の作品」にちゃんと彼らがいた事が残されているのは、嬉しいことだなぁと思ったんです。今はいないのだけれど、けれども確かにいた、確かにそこにいた。いないことよりもいたことが大事で、いなくなることよりも今いることが大切な訳で……なんというかそういう感じです。 夜、空を見上げたら細い細い弓月がかかっていました。 ご卒業おめでとうございます。 本日も思いっきり脱線しております。 じゃ、軌道修正します。萌えまーす(そっちに修正するのか)。 [堕天使のSS] こうやって君の元へ毎日向かう私を、知らない人は弟子想いの優しい人と思い、知っている人はよくそんなことが出来るなと、私のいないところで言う。 毎日、毎日、変らずに。だからといって何をするわけでもない。 「やあ」 何を語るわけでもない。 早朝の凍てついた空気の中、墓石に刻まれた君の名前を撫でる。うっすらとついていた霜がその動きのままに溶けていく。 何をするわけでも何を語るわけでもない。 詫びるわけでも償うわけでもない。 そう……あえて言うなら、君は毎日私の元へ来ていたのだから、だから毎日私は君の元へと来る。 変らずに。 「使えんな」 ジャン=ポールが机の上に楽譜を放る。そのうちの何枚かは床に落ちた。私は黙ってそれを拾う。 「……変らないな」 その言葉の影に、彼の死を揶揄しているのがわかる。 芸術家は、自分自身の才能と努力と、そして経験。人間としての経験がどれほど芸術に深みを与えるのか君はわかるだろうか?そう言って放蕩という名の経験を繰り返してきたジャン=ポールがそう思うのもそう言うのもわかる。事実、彼は「変った」のだ。それがあのどこからともなく現れ消えた、あの銀髪の彼故であることも、わかる。 けれども私は変らなかった。 「……どうも」 そんな言葉を淡々と返した私に、ジャンポールは大きくため息をついた。 何も変りはしないのだ。 いっそ変ればよかったのか。 けれども変りはしない、変れなどしない。 せんせい 私は、変れはしないのだから。 今日も変らず君の元へ行き、また帰ってゆく。 変らないのだ。こうして変らない事を繰り返してゆくだけだ。 後悔することも懺悔することも許されはしない。 ただ変らずに、この世界にうずくまるだけだ。 「先生」 急に呼ばれて、はっと顔をあげた。マルセルに呼ばれたと思ったのだ。けれどももはや彼はいない。私をそう呼ぶのは、呼んだのは 駆け寄ってきた顔に見覚えがあった。確か、ジャン=ポールのところのダンサー。名前は 「先生、私です、シャルロットです」 そうか、彼女にとっても私は一応「作曲家の先生」ということか。苦笑しようとしたが、頬が上手くあがらない。シャルロットが慌ててその手を添える。そのぬくもりに、私は笑えないほどに凍り付いていた事に気づいた。 この寒空にそんな格好で……とシャルロットは言った。気がつくと雪が降っていた、いや雪がふってきたことにも気づかずにいたのだ。 「……よかったら暖まっていきませんか?」 気がつけばそこは教会の前。彼女はここで慈善活動の手伝いをしているのだという。聖堂と呼ぶには小さな部屋に招かれる。セバスチャンもここによく来るんですよ、彼はいつもオルガンを弾いてくれるんです、と。セバスチャン……ああ、あのレッスンピアノ弾きの彼か。そう、思い出したことに、というよりそう思い出せなかった自分にまた苦笑したが、やはり笑えなかった。 「どうぞ」 シャルロットが差し出したのは、温かいショコラだった。子供の飲み物だと思ったら、傍らを小さな影が笑い声と共に駆け抜けた。 「こら!静かにしなさい!」 子供達はふざけ合いながらじゃれあいながら、シャルロットに怒られたと肩を竦め、また笑う。足音も賑やかにまた走った。 「ごめんなさい、うるさくて。今日はノエルの飾りつけをしているんです」 見ればその先に青々としたクリスマスツリーがあった。そうかもうそんな時期か、と気づいた自分に笑おうとしたが、やめた。 手のひらから伝わる温もり。カップの中のショコラに口をつけた。 シャルロットはゆっくりしていってくださいね、と言い残すと子供達の方へ近づき、飾り付けを始めた。なんとはなしにその動きを追う。子供達はしきりにシャルロットに話し掛け、床に散らばったきらきらひかる飾りをああでもないこうでもないと吟味して、ふざけあい、笑いあい……マルセルが私の元に来たのは、ちょうどあれぐらいの歳だっただろうか。 暖炉の側には古びたオルガンがあった。そこに子供達のひとりが駆け寄ってきた。椅子によじ登り、ピアノの蓋を開ける。片手だけで、何かを弾きはじめる。何を弾いているかはわからない。辛抱強くそれに耳を傾けていたら、それが調子外れの聖歌だと気づく。音は合っているが、調子が外れている。 壁には大天使カブリエルの肖像があった。ここには電気は引かれていないが、暖炉とろうそくの明かりと、天井からほのかに差し込む昼間の雪空のあかりから、その肖像画ははっきりと見ることができた。 子供は片手で調子はずれな聖歌を弾き続けた。床にとどかない足がぶらぶらとオルガンを蹴る音、空いた方の手で、一端にぽすぽすと椅子を叩き拍子をとる。なんとも言えない不協和音。別の子供が寄ってきて、へたくそと言うのにも気にもとめず、見かねたシャルロットが、今度ちゃんとセバスチャンに教えてもらいなさいと笑った。それでもその不協和音は続いた。子供の横顔は真剣でその眼差しはきらきらと鍵盤を見つめていた。 そこに音が生まれ、光が生まれる。 はっとして、ガブリエルの肖像画を見上げた。 神はそこにいた。 ああ、そうか、 神が彼を愛したのではない、 彼が神を愛していたのだ。 先生 また笑おうとしたのだ。気づいていなかったことに。なのに。 「……」 手からカップが落ちた。私の目から涙が落ちた。滂沱と流れる涙が落ちた。 『私』もまた彼を愛していた。 気がつくとそこにシャルロットがいた。ひざまづき、私の膝に手を置いた。 彼女は何も言わずに黙ってその腕を広げたから、私はその胸に顔を埋めて声をあげて泣いた。嗚咽を押し殺すこともせず、まるで子供のように泣きじゃくった。 その時、私の耳に音楽が聞こえた。 私の中に音楽が鳴り響いている。私はそれを知っている。聞こえていなかった音楽が鳴り響く。 けれどもマルセル、お前は変らずにかわらずに、『神』を愛していたのだね。 変らずにかわらずにお前自身が、私の中の音楽だ。 「……ありがとう」 そう言って、私はようやく笑うことができた。私の笑顔をみて、シャルロットも涙を浮かべた目で笑った。 ふと顔をあげると、ピアノを弾いていた子供が私をじいっと不安げに見つめていた。私は、おどろかせてすまなかったね、と子供に言い、立ち上がり近づいた。少し驚いた子供に手を差し伸べた。 「おいで。教えてあげるよ」 子供が手を取ると、私は子供を抱き上げた。そしてオルガンの前に並んで座らせる。また子供のつま先がオルガンを蹴って音がした。 音が生まれ、音楽が生まれ、光が生まれる。 ++++++++ 壮ひろみで壮科な意欲作です。その意欲だけはかってください、つうか意欲でしかない、いっそ欲望のままですよ!(笑)……無念(自分的にちょっと消化不良)。 すべて連作です。密かなメッセージを読み取ってもらえると嬉しいです。 これにて堕天使SSしゅーりょー!ケーコたんの作劇そのものにはアレでアレ?とも思うのですが、無駄に萌えさせてくれる事には感謝の気持ちでいっぱいです(それでいいのか?)。 |
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