2006年11月15日(水)
過敏なフラワーベース


 思いもかけずに想像以上の空虚感を味わっています。
 なんでだろう、この一週間はともかく、そんなに大真大真していたわけじゃないのに(自分では)、そんなに時間を裂いていた訳でもないのに(自分では)、舞台はともかくオフはほとんど興味なかったから、何時だって農閑期はすっぽりとその存在を忘れていたのに(自分では)。……なんというか、物理的な時間とか空間とかお金とか(笑)じゃなくて、論理的に存在が大きかったんだろうなぁ。キロとかミリとかグラムとかそういう単位で測れない(測れないぐらい大きい、ではなく測るための単位がないという意味で)ものだったんだろうなぁと思っています。

(いや単に「自分では」そんなにと思っていたものがそれなりだったてことじゃね?)(……かもね)

 そんな事をからっぽの鳥小屋を掃除しながら考えてました(大真鳥は飛んでいってしまったよ)(ふと掃除をしながら黄色い羽をみつけてしまいました)(……とりあえず頭に指してみました)(「きてよー男ー」(ローラコス))。……どうやら君も相当に小芝居する癖がついてしまったようだね(大真のおじさま口調)(いやむっさん元からだ)。

 でもネガティブではないよ。

 でも寂しいので馴れ合うことにします。



[星組愛の劇場](昼下がりのメロドラマふぃーちゃりんぐ煩悶道場)

「ちわー、三河屋です」
 香月が夫と暮らすマンションに出入りする三河屋麻尋、一見幼く見えるこの青年に香月は好意を覚える。
 夫は一流商社のサラリーマンで何不自由ない生活を送っていたが、専業主婦の単調な生活にも飽きていた。
「麻尋君はどこの出身なの?」
「富山です」
「そう大変ね」
 いつしかそんな気軽な会話を交わすのを楽しみにしていた香月。
 麻尋は続けて聞いた。
「奥さんは?」
「あたし?あたしは鹿児島」
「やっぱり」
「え?あたしなまってる?」
「いや、そうじゃなくて、奥さんはここの人じゃないと思ったから」
「そう」
「奥さんからは、どこか異邦人のにおいがする」
「え……」
「僕とおんなじ、どうしても、なじめない、混じれない。余所者だから」
「……」
「僕とおんなじ、寂しそうだから」
 何不自由ない生活を送りながら、かすかに感じていた孤独。そして太陽のような夫の隣にいることの後ろめたさ。
 なぜ、あの人は私を選んだのだろうか?
 愛されていると知っていながら、消えない疑問。太陽に照らされれば照らされるほど、あたしの影は濃くなっていく……。
「……さびしいの?」
「奥さんが」
「……さびしい、の?」
「僕が」
 麻尋の手が、香月の手の上に重ねられた。


++++++++++

 正しい設定は温泉旅館の主人(しぃ)、その若女将(香月)、流しの板前(麻尋)です(言われても)。こんなのがつるっと漏れるあたしって……やっぱり金平糖釜はすごく元気だ。
 ついでにおごりんちに出してきたあのテキスト(素敵なイラストありがとう!)は前楽に行く電車の中で書いていました。……すごくすごく元気だ(笑)。



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