2005年05月22日(日)
「おあずけですよ」(涼さんの声で読んでください)


 今年最後のムラ遠征から帰ってきました。でも何故かオトモダチに「むっさんはあと一回は来るね、雪組とかで来るね!」とすごい力強く予言されました(笑)。とりあえず、予定上は今年最後です。
 ヨゴ方面は濱鯱鼠豆で集合でした。天気がなんとかギリギリ持ちこたえたのは、やっぱり北濱西のワイルドカード(違)が切られていなかったという結論に(笑)。
 そういえば、本科生のすみれ売りだったんですね。遠くから冷やかすつもりが「うわ、カワイイ!あのコカワイイ!」と喰らいついてしまいました。……いいよね、カワイイのは(素)。
 ちなみに大真茶は参戦しておりません(えー?)。






 以下、ネタバレなんて気にしてないんでご了承ください、な公演メモ。


[長崎ぶらぶら節メモ:総論など]

 初見の時に、幕が下りて驚いたのが「あ、意外とまとまっている」だったんですね。えーって思う人もいるかもしれませんが、シンディにしてはちゃんと公演時間枠に合わせた作品だったなぁと。おそらくミエコ先生ショーの部分を除いたら、芝居の正味時間は一時間強かと思うのですが、その時間枠に起承転結ちゃんと収めたなぁと思いました。ちなみにこの時間枠に対して中味が薄くて「合っていなかった」のが「天使の季節」ですな。 もちろんもちろん、檀ちゃんのサヨナラ作品としてはどうなの?とタカラヅカの興行として不十分な部分とか、つうかさそりはどうなったの?とか未消化な部分も多々あるのですが、主役二人(伊佐次と卯之助)を中心に見ると「なにがどうしてどうなってそれにはこういうりゆうがあってだからさいごはこうなった」がちゃんと成立しているんですよね。それがひどく真っ当に思えました。つうかそれすらも今までの植田作品はクリアできていなかったんだよ(毒)。理事辞めてから少しはいい方向に改善されつつあるのかなぁと、割とシンディ擁護論に気持ちが傾き……いや、私が思った「まっとうな」部分は原作による部分(シンディの功績じゃない)なんじゃないか?(しまったー!)


[長崎ぶらぶら節メモ:咀嚼解釈]

 原作のタイトルは「江戸無宿」。
 でもふと思ったのが皆「無宿」なんだなぁと思ったんですよええ唐突に。
 (↓ここから過大解釈が始まります)
 「みんな無宿」
 江戸無宿と称される伊佐次だけじゃなく、江戸から長崎にたどりついたおしまも、江戸から伊佐治を追ってきた卯之助も、伊佐次の子分達も無宿。唐人屋敷の人々も、祖国を出ているという点でやっぱりみんな無宿なんだと思います。誰もがみんな、今いる場所は仮の宿にすぎない。その無宿な状態から、帰る場所を、戻る場所を、あるいは本当の宿を求めようとしていたんじゃないのかなぁと。
 その中で伊佐治とおしまは同じ帰る場所を求めた。それは江戸ではなくて、過去に帰ろうとしていたんじゃないかと思えてならないんです。
 とにかく何の因果か再会した幼馴染三人、そのうち二人はまるで夢見るみたいに、「なにもかもが輝いていた」江戸に、過去に帰ろうとしていた。やりなおそうとしていた。たまたま現状の「仮の宿」で足掻いていた伊佐次とおしま、帰るところは同じ二人が、ただ帰りたがって肩を寄せ合って帰ろうとしていた。けれども同じ帰る場所を持っている卯之助は帰ろうとはしなかった。彼は二人が帰ろうとしているところが、過去にすぎなくて、そしてそこには絶対に帰れないことを悟っていたんじゃないかと思ったんです。おいらの足が治らないのと同じように、昔になんてもどれやしねぇ(つうかワタさんごっこかよ)。
 けれども卯之助も無宿、仮の宿。彼にも帰りたい場所があって、それは伊佐次の中にあったんじゃないのかなぁと。伊佐次によって生きる力をもらった卯之助は、伊佐次がいるから生きてこれた。だからこそ、伊佐次を生かしたかったんじゃないのかと。仮の宿で、生きていけば、生きているんだからそれでいいじゃねえか、と。おめえらが帰りたい過去には、帰れねえんだからよ!(つうかワタさ(以下略))
 そして同じように無宿で仮の宿にいるらしゃ、彼が帰りたかったのは母親のところ、自分が生まれてきた母親の元に返りたいと切望していた無宿者だったんじゃないかと。
 ところで、伊佐次とらしゃ、そしてさそりたちの間には微妙な温度差があったように思えるんです。割とさそりたちはドライと言うか、割り切っていると言うか(トウコさんが一人で水からあがってきたようにウエッティーなのはさておき)(笑)。それは彼らが同じ無宿者でも、戻るべき場所に戻るんじゃなくて、帰るべきところを探していたからなんじゃないのなぁと。無宿者、帰る場所はあっても帰れない、次から次へと仮の宿を探している。さそりたちは戻るという後ろ向きではなくて、次へと行こうとしているから、伊佐次らしゃとは温度差が出ているんじゃないのかなぁと(え?でもあんぺは土佐に帰るって言っていたよ?)(いやでも前と同じ場所にはきっと戻れないんだよ)。
 そんな風に皆が無宿で、今いるところは仮の宿で、もがき苦しみながら、帰るところ、行くところを探している。そんな彼らを見守っている唐人屋敷の皆さんも、やはり今は異国の空の元での無宿、ここは誰にとっても仮の宿……って考えたらぐわーんときてしまったんですね。
 更にそうやって帰ろう帰ろうとしていた伊佐次とらしゃは「還って」しまった訳じゃないですか、精霊流しと共に(更にぐあーん)。
 生きているこのうつつは、すべからく仮の宿(ぐあんぐあーん)。

 まあ、むっさんのこういうのはもはや病気なのでほうっておくとしてですね、そんな過大解釈を捏造したが為に、私は割とこのお芝居を受け入れやすかったんだなぁと、思っています。
 でも実はこの解釈、初見でぐわーっと漏れてしまったんですね。いつもならこうした解釈って何度も何度も見ながらああでもないこうでもないって、やっていって最後に自分の中で繋がると「やったー!」って思うんですが(何もかも間違っている観劇スタンス)、それが一回で完結してしまった。うっそー、タカラヅカなのにこんなに簡単でいいのー?つうかこれじゃリピートできないじゃん!(本当に何もかも間違っている観劇スタンス)
 あくまで初見、そして二回しか見ていない上での所感で、今後変わるかもしれませんが、この「初見で答えがでた」ところが、何よりもこの作品が「まっとう」だった理由になるんじゃないのかなぁと。「まっとう」であるがゆえに綻びがない、「まっとう」すぎて隙間が無いところにリピートしにくさ、というかこれ以上の咀嚼解釈がしようがない……そう言った意味では長安の方が面白かった、長安の方がリピートできた、と思った訳です。

 まあそうは言っても東上したらリピートするんですけれどね(乾笑)。
 とりあえずこの初見時で一旦完結した解釈が、東京で自分の中でどう変わるのかを楽しみにしたいと思います。


[長崎ぶらぶら節:長崎同心の皆様の話]

 割と本気で思ったのが「長崎同心の皆さんと合コンしたいー!」なんですが(ええ?)。だってあのヒトたちギャルゲー並の品揃えだよ?(ギャルゲー言うな)。星組の渋めの美味しいところを上手く詰め合わせたなぉと、本気で感心しております。
 ちょっとしびれたのが長崎同心の人たちに感じた、なんとも言えない「融通感」なんですね。なんというか彼らは柔らかいなぁと。鎖国と言うシステムの中の「長崎(開国)」という矛盾(敢えてそう言います)した世界観の時代を、彼らは上手く乗りこなしてきたんじゃないんだろうか。ましてや時代は幕末、時代の狭間で明日世界観は変わるかもしれない、逆転するかもしれない。そんな中で彼らは時に敏感に、そしてときとして鈍感になりつつ、鎖国と開国いう矛盾した世界を、斜めに見やっていたんじゃないかなぁ。……なんというかそういう普段の彼らの姿が垣間見えたんです。
 数々の局面を佐藤さん(にしきラブ氏)なら「粋」に交わしていくんだろうなぁ、旗野さん(ますちゃん)は歳の「功」で上手くやっていくんだろうなぁ、鈴木さん(おかっち)なら「柔」な精神でどんな事でもうまく収められそうだし、石浜さん(ゆかり君)は「飄」々としてこのお勤めを過不足無く果たしていそうだなぁ……と観劇しながら『彼らの仕事振りを漢字一字であらわしたら』にハマって楽しくなってしまいました(あんたと言うヒトは)。で、そんな彼らの佇まいの中で、館岡さんの「粋」でもなく「功」でもなく「柔」でもなく「瓢」でもないところが、すごくクッキリと浮かび上がっていたんです。四角四面で規則どおり型どおりな館岡さんとの対比……ここのキャスティングすげぇ!と誰も誉めないと思うので私が誉めます。で、このメンツの中でゆかり君がかなりイイ感じに食い込んでいたのがすごく良かったですな。ものすごく勉強になるだろうなぁ。
 「長崎同心日誌」とかやりたいと本気で思いました(需要ないよ)。


[長崎ぶらぶら節メモ:らしゃが唄えば雨が降る]

 やっぱりトウコさんはすげーと思ったのが、銀橋渡りで唄う「長崎しぐれ坂」(テイチクレコードより好評発売中)。びっくりした、本当に雨が降ってきたのかと思ったよ(素)。さああっって言う雨の音が聞こえてきたよ!あの声は是非レコードに録音してヘッドフォンで聞きたい。きっとレコード特有のノイズがそのまま雨の音に聴こえるんだろうなぁー(うっとり)。本当にドラマが歌えるヒトだなぁ。
 まあぶっちゃけトウコさんの出番もアレなんですが(死ぬとは知らなかったんで驚いちゃったよ)、でも私がトウコスレイヴだったら、この銀橋だけで元取れたって言うと思う(素)。
 リスペクトトウコさん。
 今回はそんなリスペクトトウコさん(私の中でトウコさんはあのひとがいなくなってからどこか上のイジリ難い立場に行かれてしまったという印象があります)が、我々の土俵に降りてきてくれた感がすごくあります(笑)。お芝居もショーも含めて。「萌え降臨」というか(笑)。その辺はきっと私が弄らなくてもこの辺皆でいじるかと思うので、今日はあれこれ言いませんが、なんだかトウコさんを弄る、という感覚にひどく懐かしさを覚えました。って話が反れました。


[ソウル・オブ・シバ:総論など]

 やっぱり星組ショーは楽しいでーす(いい笑顔)。いやでも初見の時はすんごい疲れちゃったんですが(もう!ごちゃごちゃしすぎで何がなんだかわからないわよ!)(逆ギレ)大体の立ち位置を把握したらもうすみからすみまでゴチ★でした。
 という訳で、わたくしの総論は「ソウル・オブ・掛算」です(ええ?)。ありがとう藤井先生、こんなに掛算天国だなんて。つうか大百!大百!……初見の時に、二人が視界に入った瞬間「ええ?」となって、でも具体的な絡みはなくて、でもこんなに長時間同じ視界で二人をピン撮れるなんてこんな僥倖初めてつうかあともうちょっとだから絡め!絡め!と手に汗握って念を送っていたら、気付いたらレークさんがアカデミーに入ってました(笑)。二回目観た時は、ちょこちょこ絡んでいてくれたんで大百カウントとして東京でナイフとフォーク抱えて食べ尽くしたいと思います(いい笑顔)。他にもすずしゃがだったりみらことだったりおかことしぃトウコだったり(ついでに紫ふありもあってびっくり)、とにかく見どころは掛算です、つまりは愛の物語です(そうまとめるのか!)(笑)。



 というわけで、とりあえず今日のうちに言っておきたいことだけ(長)。
 細かいところは後で思い出したら書いていきます。


[大真当番日誌]

 こちらも今日のうちに言っておきたいことを。
 本日マチネは、大真会の総見だった模様。そしたら若ってば「2階席に向ってウィンク★」してたわよ!しかも2回も!うわー、あのヒト宝塚スタァみたいだ!(笑)いいもん見たー。
 細かいところはとりあえず胸の中にしまっておきます(ぎゅうぎゅう)。



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