| 2003年09月30日(火) | ||
| 落下する落花生 | ||
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新人公演見てきました。お休みとれてほんとよかった……。 [若当主心のアルバム@新人公演] 奴は本物だ(なんですかイキナリ)。 以下六実さんの自分勝手夢みがちな私的大真みらん感想文。 簡単に言っちゃうと、本役が最初からありえないくらいに『狂信者』であるのに対して、次第に狂っていく大真ウバルドでした。 最初から、あ(本役とは)違うな、という感覚が強かったです。なんというかものすごい理性的、思慮深い。そしてアイーダに対してものすごく兄として暖かいと。 印象に残ったのが、最初にエジプト兵に取り囲まれるシーンでの「このままじゃ終わらせない、これから始まるんだ」みたいなセリフを残してはけるのですが、それが捨て台詞じゃなくて、本当に何かが始まりそうに思えたのね。 あと、「お前は変わった」と責めるシーン、銀橋でカマンテがアイーダを責めている間、ウバルド兄ちゃんは後ろの囚人女子チームに対してえらいイキオイ絡むのですが(笑)、ケロちゃんのイラダチ紛れにやりたい放題な感じに対して、大真ウバルドはやるせなさの方が際立っていて。やっぱりこの人、ものすごく「考えて」お芝居している人だ。 ただ同時にインパクトは弱いなぁと思ったんですね。本役のケロちゃんのありえないくらいの『狂信者』っぷりは、ある意味正しいと思うし、説得力があるし(神に許されている、と暗殺に走る辺りに)。大真くん自身が持つ役者としてハートフルな部分がかえって裏目にでちゃったのかなぁと。ケロちゃんも暖かい芝居をする人だと思うんですが、それが終始一貫して『狂信者』と思わせる演技をしているわけだから、そう演じる方が正しいのか。そう思うとああ、大真くんにこの役があたっちゃった事はちょっと不利だったのかなぁと思ったり。 ものすごく思考するウバルドだったと思うんですよ、だからアイーダの事も本当は理解しているんじゃないかと思えてきたし、ラダメスのエチオピア解放宣言もちゃんと聞いて理解しているように思えた。……つうかね、そこのシーンの大真ウバルドが大真くんの本役とあまり変わらない気がしちゃってね。ああ、本公演でも同じ立場(エチオピアサイド)をやっているから、演じやすいだろうなぁと思ってしまったり。だから、2幕部分に向けてどうするんだろうなぁと思ったんですね。少なくともそこまでの大真ウバルドには「神に許されていると称して暗殺に走る」狂気は見えなかったし、なんというか私のなかではあんまり納得できない流れだったんです。 ですが、ですが! ファラオがエチオピア解放を認めたときに、まるで狂ったかのように笑い出したんですよ。そう、あの瞬間に大真ウバルドは狂ったんだと思った。そしてそこでアモナスロもやっぱり高笑いをしている。あそこで、あの親子の間ですでにファラオ暗殺の青写真が出来上がったと思ったんです。それまでラダメスの平和への説得を聞き、理解しつつも、ありえないと反発していた大真ウバルド。解放される事は、それまで自分が行ってきた事の否定であり、侮辱であり。だけどそのありえない事が実現してしまった瞬間、彼の中でなにかが切れたんじゃないかと。慈悲で生かされることより、「殺せ!」と死を選んでいたエチオピアサイド、だけど、生き残ってしまった。生き残ったならまだやりようがあるじゃないか。戦うことはもうできない、ならばファラオを暗殺してしまえ、と。 新公はそのまま休憩なく2幕部分(かなりのダイジェスト)に入るのですが、そこからの大真ウバルドには静かな狂気を感じて。新公の変更部分で、ラダメスとアイーダの密会の後の、「神に許されている」のくだりはカットで、その代わり、銀橋にいるラダメス・アイーダの会話を立ち聞きする形で、舞台上のセットにアモナスロと、ウバルド達が出てくるんですね。最初にアモナスロとウバルドが出てきて、ウバルドが手を胸に当てて「ファラオの暗殺計画を引き受けた」というように静かに一礼するんです(これがまた萌えで)。で、その後カマンテ・サウフェが出てきて三人で暗殺計画を練るがごとく、互いの剣を合わせる無言のシーンが続きます。ここの大真ウバルドがやっぱり狂っているのかと思わざるを得なくて。アイーダ達の会話を聞いて、暗殺の好機がわかっても、喜んだりしなくて、それを当然の事のように受け止めている。三人と剣を交わして突然高笑いをしたりもするんだけど、決して激する事はなくて、淡々と静かに『狂信者』で。 ファラオ暗殺で、舞台奥から飛び出してきたとき、なんだか笑っているように見えたのね。そして最後に「父上ー」と叫んで、絶命。そこもまたなんだか、一幕最後で笑っていた二人につながって。ファラオの暗殺がこの親子の間で計画されたものっていうのが見えてきた。うまく2幕のカットされた部分を繋げたんじゃないかなぁ? 前半の理性的な部分もあったから、後半の『狂信者』な部分も生きてくる。むしろ「暗殺」を実行するために、あえて『狂信者』となったとすら思え(これはさすがに自分でも考えすぎかと思うが)(むしろ捏造だよ)。 一幕最後の笑いを見たとき、うわー、そうきたかと思って、最後までちゃんとウバルドという人物がつながって…………………………………………………………相変わらずむっさんウザイんですが、私は、私はそう感じたんですね。やられたと思ったよ。ヤツは本物だと思ったんだよ……。夢見過ぎですかそうですか。買いかぶりすぎですかそうですかでも私はそう思ったんだよ(自閉)。 まあ、私がこういうウザイ解釈トークをするのはいつもの事なので(しれっと)、さらっと流してもらうとして。つくづく私にとって新人公演は、新人発掘とか新人応援とかではなく、もうひとつの解釈の本公演を見たいが為なんだなぁと思いました。ほんとウザくてすみません。 ついでにもう一つ、本公演と違うなぁと思った点(まだ言うか)。 トウたんのアイーダがが生命力溢れるアイーダなら、麻尋アイーダは母性溢れるアイーダだったと思いました。柚希ラダメスがやっぱり「若い」のと相まって、これはこれで一つの解釈としてありだと思いました。 地下牢の銀橋シーン、柚希ラダメスは「もうここから出られない」と狼狽して、なんとか出ようとするかのように暴れるんですね。だけどそれを麻尋アイーダが「愛しているから」と繰り返し幼子をなだめるようにあやすように抱きしめるように見えて夢見過ぎですかそうですか(自己完結)。 ただ、多くの方が言っているように本公演では意味のあった「男役にアイーダを振る」ことはまったく意味をなさなくなっていましたけれど。 とりあえずタイムリミット。 ほかにもいろいろあるんですが(人手不足エジプト兵、ファラオも参加で大活躍(大笑)とか)、もう帰ります(相変わらずの漫画喫茶からの更新でした)。 自宅のPC、後一息なのですがイジっている時間がないんだよね……。 |
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