「静かな大地」を遠く離れて
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2001年10月13日(土) 過去の効用、あるいは美意識に殉ずる者たち

題:121話 鹿の道 人の道1
画:賽子
話:結局、何だったんでしょうね、と由良が言った

章がわり。昭和十一年春、雪解け前の帯広へと時間は跳ぶ。
どういうわけで軍都・旭川ではなく帯広にいるのかは未詳。
三郎の“Life”の謎を由良が読み解く、探偵物語は続く。
残された者が去りし者の遺志の在処を忖度する、黒澤明の
「生きる」のような形式ではじまった章。
「鹿の道 人の道」という表題は、深いものを期待させる。

「なぜああなったか」、過去の出来事を執拗に、かつ共感を
もって知り、そして想い、考え続けること。その想像力。
畢竟それが現在の他者を想う力にも成りうるのではないか?
過去とつきあわなければ、自分の視点の危うさにも思い至る
ことができない。そう、頼りになる対話相手は過去だけだ。

記録 記憶 美意識に殉ずる者

宇宙の流れの中で、人は何を以て、何ゆえに、何を残すのか?
そんな想いに囚われるような、いくつかの結節点たち。

*Live:Aguri〜太鼓とうたと馬頭琴のコンサートツアー
 10月10日、六本木スイート・ベイジルにて。
 『古代日本のことばで「宇宙の循環の原理を知り天と一体に
 巡ること」=”あぐり”に由来』するという名前のユニット。
 馬頭琴と口琴などを担当する「喉歌の貴公子」嵯峨治彦氏の
 参加するライブに久しぶりに駆けつけることができた。
 http://www.mmjp.or.jp/booxbox/nodo/throat-homeJ.html

*画集:『門坂流作品集 風力の学派』(ぎょうせい社)
 名前も音も色も形も生まれる前、世界には流れだけが在った、
 なんて言ってみたくなるような、知覚の秘密に触れるような、
 なぜか懐かしいという感情も喚起させる形象を蒐集した画集。
 http://www.pci.co.jp/~moriwaki/ryu/

*CD:外間隆史「St.Bika」(GEMMATIKA Records)
 とあるオトモダチに「好きだと思う」と薦められたアルバム。
 驚いた。これは僕が作りたかった表現形式、聴きたかった音!
 遅くなったけどちゃんと僕のもとに届いてくれてありがとう♪
 架空のラジオ・プログラム“サンビカ”うむ、参りました(^^;
 http://www.mars.dti.ne.jp/~tanig/rev_html/sotoma_takafumi.html

*F1GP:ジャン・アレジの13年に渡るレース・キャリア
 明日の鈴鹿がラスト・ランになってしまうF1ドライバーの
 ジャン・アレジ。彼を観るためにずっとF1を観戦してきた。
 美意識に殉ずる者、アレジの走りは永遠に記憶に残るだろう。

こんなに各者各様の個性に惹かれる気分を、貫いているのは…?
「流線型に突っ走るスペシャル・ゴージャス・ハッピーな未来」
…とでも言ってごまかそうかな(笑)
久しぶりにBBS「時風茶房」のノリで書いてみました(^^;
なんかここ最近キレイキレイな芸風に傾いている感じなので、
そろそろ反動でメッチャしょうもないこと書きたくなりそう(爆)
G−Whoマニアの方は乞うご期待!(<ウソ)


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