「静かな大地」を遠く離れて
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2001年09月16日(日) リアルな現実、不謹慎な現実

題:94話 札幌官園農業現術生徒4
画:待ち針
話:札幌は空っぽだった

人工都市・札幌について語り出せばそれなりにいろいろ出てくる、
けど昨日付けのアフガニスタン人の話に続けて書いているので
もう疲れたなぁ(笑)
今日は余裕ないはずなんだけど、期末試験とかの前になると妙に
関係ない本を読み出す学生みたいなもんで、夜になってから
普段しない靴の手入れをしたり、難しい本を引っ張り出したり(^^;

異様な雰囲気の中で開催されたF1イタリアGPの中継も終了、
夜も更けてきてしまった、明日早いんだけど(^^;
フェラーリがスポンサー・ロゴを無くし、黒いフロントノーズを
装着して出走したのが、まず禍々しい。レースはコロンビア人の
ルーキー、ファンパブロ・モントーヤという格好いい名前の選手
がついに初優勝を遂げた。でもシャンパン・ファイトもなし。
95年の5月1日のイモラ以来、すなわちアイルトン・セナが
事故死した、あの日以来の奇妙なグランプリだった。
次はなんと開催日程の悪戯で、アメリカGPだ。
うーむ、その間に「開戦」したらどうするんだろう?(^^;

認知地図の話など持ち出して、マンハッタンもカブールも同じだ
などと嘯いてみたけど、それはディベート的“ブラフ”みたいな
もんで、実際僕はここにも書いたとおり一年ほど前に米国東海岸
へ観光旅行に行った。NYには行かなかったが、ワシントンDC
には滞在した。人工都市ぶりでは札幌などは足下にも及ばない、
おそろしく巨大な街割りと建築物。

ペンタゴンにこそ行かなかったが、僕がDCを訪れた動機の一つ
として「オキナワの対蹠地」だという意識があったことは前に
書いたくらいで、ナショナル・アーカイブス=国立公文書館を
見に行って盛り上がる、というマニアックな人間である。
太平洋戦争についても、この世代にしては深い関心を持っている
つもりなので、DCというの「観光」は格別の感慨があった。
かてて加えて、その街並み。ギリシア以来のイデアの支配を
連想させるべく白く古典調にデザインされた建物や、モールと
呼ばれる巨大な「大通り公園」状の(笑)空間とオベリスク。

『風水都市ワシントンDC』とかいう奇書も邦訳されていたな
などと思いつつ、奥出直人先生の論考を読んで、合衆国の精神
を再構築させた都市デザインのパワーに圧倒されていた。
とりあえずワシントンDCをヴァーチャル体験してみるには、
鷺沢恵『大統領のクリスマスツリー』(講談社文庫)。
もう少しハードに政治都市を体感するなら、佐々木譲先生の
『ワシントン封印工作』(新潮文庫)。まさに真珠湾ネタ。

今野勉『ルーズベルトは知っていたか』(PHP文庫)を
オランダ旅行中に読んでいた。蘭印を抱えていた日本の敵国
としてのオランダが、史料収集の盲点になっていた…ってな
ところから興味を持って読んだ。どうせならこの二冊に加えて
吉村昭『大本営が震えた日』(新潮文庫)、再び佐々木譲氏の
『エトロフ発緊急電』(新潮文庫)を並べて読むと、
半世紀以上前に日本が起こした「世界震撼」の大事件を体感
できるだろう。「パールハーバー」を記号にしないために。

う〜む、こんな深刻めいた話をしていてはいけない。
グリコの新製品「ムース・ポッキー・ストロベリー」と、
明治製菓の先行商品「Fran 森イチゴ」とどっちが美味いか、
とかそういう話をしてたほうがいいんだけどなぁ(笑)

それにしても、

田中「大変なことになってるね、アメリカ同時多発テロ事件」
太田「おれは石原S太郎都知事が怪しいとニラんでるけどね」
田中「そんなわけないだろ、危なく被害に遭うとこだったんだから」
太田「いやいや、『NOと言えるニッポン』っていうくらいだし」
田中「意味わかんねーよ。どうやって起こすんだよ?!」
太田「おれはN本航空のK機長が実行犯だと思うね」
田中「何でだよ?!」
太田「“機長やめて下さい!”つってね」
田中「辞めてるだろ、とっくに!」
太田「でもハイジャックは怖いね、これからは飛行機にも乗れないね」
田中「セキュリティの強化とか、いろいろ問題になるだろうね」
太田「航空会社もいろいろ考えてくるだろうね。
   逆に“武器持ち込みOK”の便を作って格安で売るとかね」
田中「誰が乗るんだよ?!」
太田「世界のハイジャック犯が一同に会したりしてね」
田中「しねーよ!」
太田「どっちに向かって飛ぶか争って、中で戦闘がはじまったりして」
田中「危ないだろ!」
太田「一番勝ち抜いたヤツがニューヨークで決戦できるという…」
田中「ウルトラクイズかよ?!」
太田「福留さんが敗者を慰めたりしてね」
田中「死んでるだろ!」
太田「これで世界のハイジャッカーは全滅だね」

…ってな感じに構成作家が書いたような爆笑問題の雑誌コラムも今回は
載らないんだろうな。オウムの時だって松本&地下鉄サリン事件では
被害者の方が出て「不謹慎」ということでは多いに不謹慎だったけど、
この手のネタは出まくっていたけど。(もちろん↑は僕の創作です。)
地下鉄サリンの凶悪さを考えれば、今回に引けをとらないんですけどね。

一時だけ深刻がるのはやめて、自分と自分の愛する人の暮らしの延長上
にある世界を真摯かつお気楽に生きよう。
マンハッタンにボランティアにでも行くならともかく、際限なくテレビ
受像器の前で惨劇を「見物」しているなら、街に出たほうが良い。
リアルな現実、シリアスな現実なら、いくらでも出会えるはずだ。
ほんとうにマンハッタンやカブールが、ここから“地続き”だと思える
ようになるには、まずメディアのゴーグルを外すことだと思う。

たとえばアフガニスタン人を“尾行”するとかして…。(<ウソ 笑)
#あ、昨日のこのページ読んで↑意味読みとってね、誤解なきようお願い(^^;

関係ないけど切通理作さんの『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)、
面白いです、マニア目線が効いてて(^^)


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