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2004年07月13日(火) 「中間評価」の多過ぎる日本の政治事情

参院選「敗北」の小泉首相だが、とりあえず続投だけはできそうである。
上下両院選挙が大統領選の中間に行われるアメリカに倣って、
参院選は「政権の中間評価」の選挙などとも位置付けられる。
だがこれは間違いというものだ。
大統領の任期が確実に4年保証されるアメリカだからこそ
2年に1度の中間選挙には実績審判の意味がある。
一方、小泉政権は発足以来、一体何回の審判を受けてきたことか。
3年3ヶ月足らずの間で、実に3回の国政選挙である。
加えて、自民党の総裁選挙で党内の「審判」も受けている。
しかも昨年の総選挙からまだ8ヶ月しか経たない。
こんな短期間にしょっちゅう「評価」を下されたら、
腰を落ち着けた政策の実現など不可能であろう。
要するに日本は選挙が多過ぎるのである。
平均3年に1度は解散総選挙(政権選択選挙)のある日本では
小刻みな中間評価の選挙など不要なのである。
ちなみに、7年8ヶ月の最長不倒政権を築いた佐藤栄作は、
在任中、衆院選2回、参院選3回、そして自民党総裁選も3回やっている。
時系列で示せば次のような目まぐるしさだ。

1964.11 総理・総裁に就任。
1965.6  参院選
1966.12 自民党総裁選
1967.1  総選挙
1968.7  参院選
    .11 自民党総裁選
1969.12 総選挙
1970.10 自民党総裁選
1971.6  参院選
1972.7  退陣

つまり、毎年必ず国政選挙か総裁選をやっていたのである。
(ついでに言えば、更に統一地方選挙もある)
首相在任7年8ヶ月というとほぼアメリカ大統領の2期8年に匹敵するので
一見随分長いと言う印象だが、
実態は1年毎に何かの選挙に追われていたわけだ。
「佐藤無策」「何もやらない栄ちゃん」などと批判されたが、
これで何かやれという方が無理だろう。
自民党黄金時代を築いたかに見える佐藤首相ですらこの有り様だったのである。
ただ幸い小泉は、もう向こう2年は国政選挙も総裁選もない。
再選のない総理・総裁としてレイムダックになってしまうのか、
それとも、もう中間評価のないのを逆手にとって思う存分腕をふるうのか。
今後に注目したい。


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