父、登る 1 2009年08月07日(金)

数年前、キャンプ中に増水した河で流され多数の死者が出たほどの集中豪雨時に富士登山ツアーに出かけ、夜行バスで五合目まで行ったものの、登山が出来ないまま再びバスで帰ってき、結局富士山五合目までの行って帰ってツアーになってしまったリベンジに、今夏、再び富士登山を予定した父(75歳)であった。

7月26日(日)
母に普通のレインコートではなく、母の持っている山用のごついのを持っていけと言われるが(二人の体格はほぼ同じ)、「女ものだからヤダ」などとごねるも、押し切られる。

7月27日(月)
調子の悪いデジカメを買い換えるの換えないので悩んだ末、買わず。

7月28日(火)
母に携帯電話を持っていけと言われ、「そんなものいらない(使い方わからないし)」と言い張るが、押し切られる。

7月29日(水)
非常食としてバータイプのスナックを購入するも、カロリーゼロ食品で、意味ないじゃんと母と私に突っ込まれる。

7月30日(木)
母に今年の富士山は寒いらしいから山用のごついレインコートだけでなく、フリース地のインナーも持っていけと言われ、「荷物が多いからヤダ」などとごねるも、押し切られる。
その頃、全国的に大荒れの天気となる。

7月31日(金)
母に何かあった時の痛み止めを持っていけと言われ、「そんなものはいらない」と言い張ったものの、小袋に入れて荷物の中に押し込まれる。
この日も、全国的に大荒れの天気となり、地元では土砂災害なども起きる。

8月1日(土)
朝から雨風強く。父は「まあ、このあたりで荒れても富士山はずっと向こうだから」と言うものの、全国的に大荒れの天気が続き、当然東海地区にも大雨警報が出ている。

8月1日(土)夜
夜になって小雨になった頃、大荷物の父を夜行バスの停留場所まで送っていく。
その夜、雨レーダーを監視していたが、父が動くにつれ、西日本を大荒れにした雨雲が一緒に移動していく。
「これは、また五合目からUターンだな」と母と予想する。

8月2日(日)
富士山のライブカメラの映像は視界ゼロ。ネットの情報では、富士山は土砂降りの雨で、登山を諦める人もいる模様。七合目では雹が降っている。
しかし、父からの電話で「これから登る」との連絡あり。
この雨の中、75歳のじじいが登るのはきついのではないかと、母と心配する。
夜になっても連絡はないまま。

8月2日(日)深夜
葬式と法事でしか会わない従兄弟二人がやってきて、ベッドで眠っているところを起こされ、「伯父さんが山の上で心肺停止状態で見つかった」などと言う不吉な夢を見て、目が覚める。

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