後悔日誌
From ND

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2001年07月06日(金) 断念


目を覚ますと物凄い風切音がした。
これは大変な風だ。山頂に行くのは明るくなってからにしようと心に決めてまた休む。
御殿場口のメリット。5合5勺以上の高さであればどこでも御来光(日の出)を見れる。
おかげで山小屋の中で安心して待機が出来た。

やがて外が明るくなってきた。
一瞬、空が赤くなったと思うとまたガスに覆われて真っ暗になったりと不安定。
残念だが御来光を拝むことは出来なかった。

さて、気を取りなおし山頂へのアタックを決める。
風が強いこともあって体感温度は真冬並み。フリースに雨具着用でまだ寒いくらい。
大きな荷物は山小屋に置いて必要な物だけを詰め出発する。
登ること20分。8合目(標高3450m)に到着。
ここまでは順調だった。

しかし、この先は強風のため立っているのがやっと。
風速20〜25m位で吹き荒れている。
何度も吹き飛ばされそうになり、これ以上登れないと判断した。
悔しさよりも恐ろしさが勝っていた。
小屋へと引き返した。

朝食をとり外を見る。
雲が凄いスピードで流れている。
大島や三宅島、山中湖、箱根、伊豆まで一望出来た、景色は良かった。
天気予報では雨が降るということなので早めの下山を決めた。

ちなみに、富士山の下りは楽チンである。
砂走りと呼ばれる下山道があって、ふかふかの砂利の上を走る。
行きはジグザグコースだが帰りは一直線。
スキーで下ってるような感覚。
そして無事、下山した。

帰りの高速のサービスエリアで海の事故のニュースを見た。
風が強いのに無理をした為、遊覧船が転覆したり、サーファーが流された。
自分自身、少し無念な気持ちもあったが事故が起きなくて良かったと心から思った。

富士山は日本一の山である。
手強いし、登り甲斐もある。

少し傷の入った登山靴を眺めて山行を思い出す。
今度はピークを踏もう。心の中で誓った。



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