にゃんことごはん
ごはん



 姫様は出窓に鎮座 殿様は廊下に落ちてる 我が家の姿

我が家のダイニングには出窓があります
もともと、この部屋と同じつくりの、別の地域の集合住宅を内覧して、次に、来たのが今の部屋でした

同じ大家さんで同じ建設会社が建てた集合住宅
レイアウトも同じ、違うのは最寄り駅と周辺環境
どちらも買い物に便利な施設が至近距離にある、ただひとつ、今の部屋には出窓がありました
もう一つの部屋は、角部屋ではなかったので、同じ間取りでしたが、出窓がありません

歴代猫を7頭見送ったあと、最後の仔となった練太郎と、横浜からの移住を決め、部屋探しをしていたのです
出窓があれば、練ちゃんが窓から外を眺めたり、出窓でくつろいだりできるかも、私が外から帰って窓を見上げたら、出窓でくつろぐ練ちゃんを見ることができるかも

そんな期待を抱いて、もう一つの部屋よりは多少、駅からの距離がある今の部屋に転居を決めました

しかして、猫というのはことごとく期待を裏切ってくれる存在です、うっかりしていました

首都圏から在来線の特急、新幹線、タクシーと遠路はるばるやってきたこの地の部屋で、練ちゃんは私のベッドルームを居室と定め、たまにダイニングルームに行ったりはするものの、出窓には一ミリたりとも関心を持ちませんでした

せっかく購入した猫ベッドよりも、それが入っていた段ボールをお気に入りにする猫のネタは、いたるところにありますが……私も同じ悲哀を感じたものです
結局、その出窓は、ちょっとしたお気に入りの小物を飾る飾り窓として、整備されたのでした

が、
ネネちゃんが、その出窓を気に入ったのでした

ある日、飾っていた小物から、後ろに目隠し代わりに立てかけていた小さな折り畳み障子から、何から、すべて薙ぎ払って、鎮座してくださったのです
本来、私が期待した出窓の在り方を、体現してくれたネネちゃん
薙ぎ払う前に、一言おっしゃっていただければ、というのは、まあ栓もない嘆きではあります

かくして、姫君は窓際に鎮座まします我が家

殿様然としたジンジンは、相変わらず廊下に落ちてます

最近、廊下と言わず、部屋のなかでも、いたるところに落ちてます
たまに、ちゃんとケージのなかに落ちてます

何かが違う、という気がしてならない今日この頃

2022年08月25日(木)
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