ネタ帳

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たて やっつけろ 22
2006年05月24日(水)

<グレートマジンガーの楽しみ方>

▼さえる宙明スキャット、轟く水木一郎ヴォイス、渡辺宙明は神!
宙明先生の音楽が聴けるのはグレートマジンガーだけ!
(もちろん嘘。渡辺宙明は特撮・アニメの大家 天文学的数の作品を発表)

Zとともにグレートマジンガーの音楽を担当している渡辺宙明氏ですが、宙明サウンドは好いね。親しみやすいメロディ、覚えやすい楽曲。3回きけば誰でもカラオケで歌える優しい音程。子供から大人までみんな楽しめる美しい曲の数々。これだけ、覚えやすくてノリのよい曲をかけるは、宙明先生だけだよ。
もう宙明先生は神!

アニメの主題歌が、たとえそれがキッズアニメであろうとも、アニメ本体とは直接関係ない内容で、ミュージシャンのプロモーションみたいになっちゃったのって、いつからなんだろ?そういう曲って、聞く分には綺麗ではあるけど、見ている人達が歌うには難しすぎたりするんだよね。曲が複雑すぎて、歌いきれない。でも、宙明先生の曲はそんなことはないんだよ。とにかく平易で覚え易く、記憶に残り易く、そして歌い易い。それは素晴らしいまでに。

私も渡辺宙明の名前って、今まで知らなくて、マジンガーシリーズ見て、初めて意識したのだけど、この人の作った曲どれもみんないいですね。この人の曲は、70年代のアニメや特撮を観て育った人なら、聞いたことがない人はいないはず。有名どこの曲を多数担当しているので、名前を知らなくても、曲をきけば、ああ、あの曲の人かと誰もがうなずくに違いありません。私も意識するようになって、すぐにわかったのだけど、この人のこの時代の曲はどれも、みんな曲調が似ているので、聞けばどれが宙名の曲かすぐにわかるよ。

その特徴の一つが、「バンバン」だの「バンバラバババン」など、いわゆる宙明スキャットとよばれる擬態語の大量使用。
文字で書くと、「バンバン」??と伝わりにくいので、具体例を出すと、有名なところでは、ゴレンジャー。あの曲の出だしを思い出してみてください。

バンバラバンバンバン バンバラバンバンバン
バンバラバンバン バンバラバンバン バンバラバンバンバン
(文字だと伝わりにくいナァ)

ね?わかる?
このバンバンいっている曲を作ったのが、渡辺宙明氏。

こうした大量の擬態語―「ダンダン」だの「バンバン」だの「シュシュシュー バンババン」だの、言葉遊びの楽しさと掛けあわせの楽しさがいっぱいは入った曲が、このグレートマジンガーでは、多数使用されているのです。
ね?楽しそうでしょ。
これすごい中毒性があってさ、一度はまると、なかなか抜けれないんだよね。
Zのときには、こうしたスキャットの使用がまだみられないので、グレートマジンガーが宙明スキャットの芽吹いた最も初期の作品になるんでしょうか。この翌年に、宙明氏は、「秘密戦隊ゴレンジャー」「鋼鉄ジーグ」など、氏の代表作となる、歌詞の半分が擬態語というイカレた絶叫擬態ソングを作曲するに至るわけですが、その点を踏まえると、グレートマジンガーという作品は、宙明スキャットが芽吹いた初期のものとして、作曲家渡辺宙明の中でも、転換期となった重要な作品として位置づけすることが、出来るのではないかと思います。

そして、この曲を歌うのは、水木一郎アニキとコロムビアゆりかご会の児童合唱団ですが、この曲の掛け合わせがまた楽しい。
水木氏のやかましい声と、ゆりかご会の可憐な声のユニゾンが絶妙。
このころの水木一郎はマジ歌がやかまし・・・じゃなかった上手いです。音程が乱れることなく、少しもゆるぎない猛々しい(やかましい)歌声で歌い上げてくれて、私は水木氏の歌唱力に素直に感動しました。アニソンが児童合唱団っていうのも、今じゃあんまり見かけませんが、このへんも70年代フレーバーにあふれていいですね。
児童合唱団のカン高い声の子供たちも、今はみんな40代50代のおじさんおばさんなんだろうなと思うと、胸に染み入るものがあります。

また劇中使われるBGMも、ブラスバンド主体のやたら仰々しい重量感あふれる曲で、ハードな作風をよりいっそう盛り立ててくれます。
グレートの音楽は、迷いがないところがいいですね。
これは、音楽だけにいえることじゃないけど、グレートマジンガーという作品は、作っている側に迷いがなくって、直球で勝負を挑んでいるところが私は非常に好き。作っている人の苦悩は伝わってくるのだけど、迷いは伝わってこない、このへんがイイ。
ダイザーはさ、作っている人が、どのラインにもっていったらいいのか、迷走していて、迷ったまま作っているのが、見ているほうにも、伝わってきちゃって、全体的にバランスが悪いんだよね。そのへんがどうもイマイチで、自分としてはもう一息。まあ、結局はいい方向に落ち着いてまとまったけど。

正直、曲としては、私はマジンガーZの挿入歌「Zのテーマ」が最高傑作で、グレートのどの曲も、これにはかなわないとと思うのだけど、音楽全体の完成度の高さでは、グレートマジンガーのほうが上ではないかと思います。作曲面でも演奏面でもグレートは完成度が高いのではないかと。

グレートは「鉄也のテーマ」の人気が高くって、私もこの曲大好きなんだけどさ、それでも、やっぱり「Zのテーマ」のあの風格と品格には、あと一歩及ばないような気がするんだよね。
最終回の一話前の話で、「Zのテーマ」と「鉄也のテーマ」が交互にかかる異色の演出があるんだけど、あの回でそう思った。
個人的には「鉄也のテーマ」が、「Zのテーマ」を追い越せないあたりが、永遠に鉄也が甲児くんを追い越す事はできないことを暗示しているかのようで、なおかつ、グレートマジンガーという作品の位置づけを示しているかのようで、非常に気にいっています。

そして、宙明氏は、このあとのグレンダイザーには参加しないで、鋼鉄ジーグのほうを担当するわけですが、マジンガーシリーズが、全部同じスタッフで統一されなかったのは、残念なところでした。
その分、ジーグが、グレートのハードな雰囲気を引き継いでくれましたけれど、私としては、ずっとマジンガースタッフに作ってもらいたかったな。
宙明氏はアマチュアUFO研究家という都市伝説があるんだから、ダイザーのほうをやってもらいたかったです。

しかし、そのジーグの中で、平気でマジンガーZやグレートマジンガーの曲をそのまま使用していたのには、びっくりしたよ。
だってさジーグみていたら、いきなり、光子力研究所のテーマや科学要塞研究所のテーマ(※)が流れてくるんだん。とくに芹川演出の回は、曲が全部マジンガーZからの流用なのにはまいった。スタッフが同じだからって、こうも別番組の音楽を堂等と使用していいものなんですか?ごれも、70年代の東映動画では当たり前のことなんですかね?

おかげで私には、グレートマジンガーの続編は、ダイザーではなくて、ジーグという気がしてなりません。
いまでは頭の中は甲児にふられて落ち込む鉄也を宙が慰めるという甲鉄←宙の図が、宇宙スケールで出来上がってしまい、楽しい毎日を送っています。


※光子力研究所のテーマや科学要塞研究所のテーマ
光子力研究所が登場するときによくかかる曲なので、私が勝手にそうよんでいる曲。
正式曲名不明。光子力研究所らしいのどかでノーテンキな曲なので、結構好き。♪チャンチャーチャ チャッチャーチャ チャチャチャッチャッチャーってやつね。(え?わからない?)科学要塞研究所のテーマも同様。



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