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不死鳥チャーリー
2004年10月21日(木)

チャーリーといえばドラケン解説家ですが、

この人はどうにも憎めないネ。

チャーリーは不死鳥チャーリーという大仰な名前があるわりに、あっけなくやられてしまういわばかませ犬みたいなのものですが、この人の存在意義は、かませ犬にあるのではなく、むしろ解説家にあるように私は思うのです。
A88ナンバーワンというより解説家、刺客というよりより説明係、かませ犬というより事情通、この人の本領は、コンバットより読者に解説する役をこなしたところにあるような気がいたします。

チャーリーは、初期の短編話の後、地上空母の前あたりという話の中でも、ちょっとマゴついたゴタゴタしたあたりにその姿を見せます。最初のほうの話なので結構忘れてしまっている人も多いと思うのですが、その正体は神崎にシンを消すよう雇われた刺客です。神崎の依頼を受けてA88に戻ってくるのです。けれどこれが、みんなに歓迎されながら基地に降り立ち、周囲からも実力を認められた人で、大言壮語を吐くわりに、いざ戦うとほんの数コマであっけなくシンに倒されてしまうのです。返り討ちされるところなんて文字通り瞬殺です。
全然不死鳥じゃないやんけ!口ほどもないなぁ、存外だらしないと肩透かしを食らうのですが、まあ、それはそれだけ主人公が強かったということになるでしょうし、そもそも強さの比較対象として使われ、引き立て役になることを要求されているわけですから、これはこれでよいのでしょう。チャーリーが出てくることによって、主人公の不死鳥ぶりが際立つわけですから、強さの証明としての登場するという役割は果したことになります。彼のおかげでシンの執念や土壇場での強さがよくわかりましたし、引き立て役としては充分効果がありました。

こういった引き立て役のキャラというのは、少年漫画・格闘漫画では必要かつ不可欠な存在で、一般にかませ犬と呼ばれているようです。

▼かませ犬によく見られる傾向
・主人公の敵手として登場。
・大げさな渾名・コードネームを持つ。
・周囲の人間がその名を聞いただけで、「あの○○か!」と畏敬の念を抱くほどのネームバリューがある。
・本人もおもいっきり大言壮語を吐く。
・そのくせあっさり負ける。
・戦闘ははじまって数秒で終結。
・死に方は早く、軽く、あっけなく長引かせない。
・運がよければ解説係に転向できる。だたし通常、解説係はパワーアップインフレについてこれず脱落した主人公のかつての好敵手が務めるので、その役がまわってくることはまずない。というか敗戦後は登場があるのかも怪しい。
・主人公がさほど強くないストーリー序盤で瞬殺され、読者からは早々にその存在が忘れられる。

ああ、まさにチャーリーはかませ犬ではないですか。

けれど、チャーリーがだたのかませ犬とは違うのは、解説係も兼任したところにあると思うのです。いや兼任というより、読者に情報を提供するためによく調調子よく語ってくれたこと、こっちの功績が大なりではないかと!もっともていよく使い捨てられたっていえば、それまでなんですが。

やはり少年漫画・格闘漫画でかかせない解説係なんですが、彼はこの役もその短い登場時間の中でこなしてくれました。この人から得た情報量って結構な量で馬鹿にできませんヨ。
頼んでもいたないのに、ミッキーの前に割り込み、ドラケンの機体説明を得々としてくれたり、わざわざ独房を訪れてサキの過去も教えてくれたりもする。機体性能の違いのレクチャーもしてくれれば、いったん傭兵に身をやつしたその行く末の悲哀さも語ってくれる。陰鬱そうな顔して実は台詞の量は結構多いんだ、これが。
メカといったハード面から技量といったソフト面(ソフト麺じゃないよ)、操縦者の心理面からそのバックボーン、さらにくわえることに戦局の状況まで、よくしゃべることしゃべるいこと。陰気そうな表情に騙されそうになりますが、どうして中々口数は多い人なんですよね。ミッキーとは普通に話してますが、この二人はそこそこ軽口を叩き合う仲だったんでしょうか。

そんなチャーリーもあっけない最期を遂げるわけですが、いったんA88を退いた後、また地獄に戻ってくるまでに、彼にはどんなドラマがあったのでしょうか。そしてもともとはどんな仕事についていた人だったのでしょう。あの時、闇うちできなかったのは、彼の油断か判断ミスか、性格がなせる業なのか。黙って打ち落とすことだって出来ただろうに何故それをしなかったのか。ショボすぎる最期ゆえ印象の薄い人ですが、憎めない人ではありました。

そして不死鳥チャーリーが死を迎えているその裏で、人知れずとフーバーが戦死している、ここがまたいいんだ!



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