Espressoを飲みながら

2002年07月26日(金) USJの土地因縁奇譚ー水道、幽霊等ー

 先程、午後6時のニュースを見ていたら、
USJがエアコン用の用水を誤って、飲料水にも使われる
ようなところに流していたと報道されていた。
先日の同社の工業用水がウォータークーラーにつながっていた
というニュースに続く、水関連の不祥事である。

どちらにしても、到底飲料に耐えうるようなものではなく、
もし自分が飲んでいたらと思うとぞっとする。

 USJがあるのは大阪市此花区であるが、あの土地は元々
住友金属の工場だった。工場が閉鎖された後に、乗馬施設、
ゴルフの打ちっ放し、レストラン等の事業が行われていたが、
どれも今ひとつ振るわなかったそうだ。今のUSJのヒット振り
からは想像しにくいかも知れないけれども、現地事情に詳しい
方によると、そういう経緯があったそうだ。

 住友金属に勤めていた経験のある知人によると、あの辺りの
水道の状態はもともと良質とは言い難いものであったらしい。
建物の配水管には戦前に出来たようなものもあり、朝出社して
蛇口をひねると、しばらくは赤茶けた錆の混じった水が出てきた
そうである。お白湯ではとても飲めないレベルの水である。
緑茶にしても変色しているのがやはり分かる。緑茶の成分と鉄の
成分の中に相性の良くないものがあり、変色するらしい。

だから、お客様にお出しするお茶はコーヒー、紅茶が主体であった
そうである。色が濃いいし、味もはっきりと付いているので
ばれる可能性が少ないからだそうだ。

社内の自動販売機も紙コップにジュース、コーヒー等の飲料が
注がれるタイプのものは自販機の裏側が水道につながっており、
清潔でない飲み物が出てくるため不評であり、専ら缶入りのものが
好まれたそうである。

ポットや給水機も使用している内に底に錆なのか何なのかわからない
ものがたまってきたそうだ。建物をなんとかしないと修繕できないのが
わかっているので、社員もみんなあきらめモード。それどころか中には
「ここに来ている限り、鉄分不足になることはない。」と言い放つ、
つわものもいたそうである。

 時代が変わり、今では大阪市の水道にはオゾン、活性炭などを利用した
高度浄水が行われている。一時期に比べ、はるかに飲みやすくなったと
言う大阪の友人も多い。しかしながら、浄水場が進化したからといって
まだ油断できない問題がある。

 水道とは、言うまでもなく蛇口をひねって利用するものだ。
浄水場できれいな水になっても、浄水場と、家や会社の蛇口の間の
水道管に問題があったり、ビルやマンションのように貯水槽を使用していて
管理に不行き届きがあった場合には水はやはり汚染されてしまう。

 前述の住友金属の工場内の水道の場合、問題はどこにあったのだろう?
果たして工場内だけの施設の老朽化だったのだろうか?
それは建物が取り壊された今となっては誰にも分からないことだ。
その後にその一帯でどれくらい水道管が交換されたかも問い合わせないと
わからないことだし。

 USJの今回の一連の事件とはもちろん無関係(なはず)である。
壊された住金の工場の祟りと言う訳でもあるまい。
ただ、この日記の情報提供者であるその方は、水道に問題のあった施設の
跡地に出来たUSJが、これまた水道関連の不祥事を連発するものだと、
感心していた。土地の因縁かと思う人がいても不思議ではない。

 なお、USJの辺りは第二次世界大戦中には軍事工場が多数存在していたので
米軍により何度も空襲を受けたという悲惨な過去がある。戦後不発弾が
発見されたりしたこともある。私の友人も片足のない兵隊さんの幽霊を
よく見たそうである。資料室で残業していると出てくるそうで、普段は霊感
などと縁のないような方まで、彼のことは見てしまうそうであった。

 そのような土地に出来たのがアメリカ文化の象徴ともいえるUSJであるのも
歴史的な皮肉であろうか。工場がなくなり、USJになった今、片足がなく、
松葉杖をつき、片目に包帯をした幽霊さんはどうされているのだろうか?

 猛暑をやわらげようと最後は少し涼しくなる話でしめる空遊であった(笑)。


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