SPICY TALK

『きょうのばんごはん』へようこそ。
今更ではあるが、このサイトはご飯サイトのふりをしたうんこサイトだ。
いつもこのスパトのみを読んでらっしゃる方には全くご理解いただけないだろうが、ここはなんちゃってご飯サイトでもあるのだ。

ってことで、今日は料理の話しでも。

なんちゃってご飯サイトマスターのオレ様はイクラの醤油漬けというものに初挑戦した。
最近巷のスーパーでよく目にする生筋子。
それを使って自家製の醤油漬けってのをこしらえるのだ。
よそ様の正真正銘のご飯サイトで拝見してから、喰いたくて、やりたくて、生筋子を見かける度に、まるでうんこが肛門から少し顔を出しているかのようにウズウズしていたのだが、
本日午後１時頃、ついに生筋子を買ってしまった。
ちなみにこのレシピに巡り会うまで、生筋子を鮮度の悪い外国から来た病気の筋子だと思っていたところが、なんちゃってご飯サイト止まりだってことを如実に現している。

さて、生筋子をどうするか。
ネットを検索し調べたところ、新鮮な生筋子なら冷水につけて薄皮を破けば簡単にイクラちゃんが外せるというのだが、
オレ様の買って来た筋子は、水に入れたとたん白く固まった。
なして？
鮮度が悪い？
イトーヨーカドー産グラム４９８円がいけない？
傍で心配そうに見ている夫がこう言った。

「キルちゃん、固まってるよ。洗っていいの？水につけたらいけないんじゃないの？」

うっさい。
そう書いてあったんだよ。

夫を無視し作業続行。
とりあえず、表面の薄皮に指をグリっと入れ、生筋子を２つに分裂させた。
が、オレ様は勘違いしていた。
穴さえ開いてしまえば、後は少し力を加えるだけでポロポロポロっとイクラちゃんが出てくるものだと思っていたのだ。
ほらよくＴＶで鮭のお腹から卵を出す映像ではそうでしょ？
ところが実際はそうではなかった。
２つに裂いた生筋子は、内部でもしっかり薄皮によって守られていたのだ。

どどど、どうしよう。
傍で心配そうに見ていたはずの夫がこう言った。

「塩かけて筋子にしちまえ！！」

うっさい。
おまえが癇癪おこすなっ！
癇癪おこしたいのはこっちだっ！

五月蝿いからあっちへ行けと夫につぶやき、作業続行。
なかなかほぐれないイクラと悪戦苦闘。
そういえば、ほぐれない時はぬるま湯を使うと良いと書いてあったのを思い出し、
いちど冷水を捨て、ぬるま湯をかけてみた。

ますます薄皮が白くそして固くなった。

だだだ、大丈夫なのだろうか？
傍で癇癪おこして見ている夫がこう言った。

「もう捨てちまえ！二度と買ってくるな！」

捨てていいんかい！
ああ、捨てたいよ。
もうやだよ。
手はふやけるし、薄皮が粘土みたいに指にくっついて気持ち悪いし、ずっと同じ姿勢で腰は疲れるし。
だけどな、ホントに捨てたらまた文句言うだろ？おまえ。
もう二度と買ってはこないよ。
だけどな、買ったからにはオレはやるよ！
オレは醤油漬けが食べたいのっ！！

「だったら見てないでオマエがやれ！」

夫にそう言うと、

「やだ。蛇の卵みたいだもん。」

なるほど。
いつもなら「俺がやるから貸せ！」と横から奪い取る夫が、
今日に限って口だけだった理由が今分かった。
ふふーん、蛇の卵ってこういうヤツなんだ。
正確にはイクラよりは小さいらしい。
とりあえず、役に立たない夫をキッチンから退却させ、流しの前に椅子を運び、
それに座って作業を続行。

少しずつ、少しずつ、ポロポロと薄皮から剥がす。
たまにブチっと実が破ける。
見なかったことにする。
再び剥がす。
またブチっと実が破ける。
見なかったことにする。
緩衝材をブチブチっとつぶすように勢いよくイクラを潰したい衝動と闘いながら、
３０分程で、なんとか実を全て剥がした。

そして、剥がしたイクラを塩水で洗い、冷水であらい、
浮いている薄皮を適当に取り除き、でも途中でゲンナリしてしまい、
（だって全工程で１時間はかかってるんだもん）
そのまま醤油とみりんに漬けてしまった。
ここらへんが、やはりなんちゃってって感じ。

苦労して苦労して作ったイクラの醤油漬け。
今冷蔵庫でオレ様だけに食べられるのを待って休んでいるのだが、
蛇の卵みたいで気持ち悪いハズだった夫が、

「オレ味見してやるな♪」

とかなんとか言ってムシャムシャ喰っている。
とてつもなく矛盾。
でも、彼曰く、口に異物（薄皮）は残らないことを証明してくれたので、まあ良しとしてやるが、
ワタシの手の生臭さを誰かなんとかして欲しい。

イクラって難しいね。

手間はタダだと言うけど、こんな手間は買った方がいいね。